『東京のホテル』
富田昭次(とみた=しょうじ)著『東京のホテル』(光文社新書)。
近年、外資系超高級ホテルが東京に続々と進出している。どうしてなのかと疑問に感じていたことに、この本はズバリ回答してくれる。かつてホテル業界「御三家」と呼ばれた帝国ホテル・ホテルオークラ・ホテルニューオータニから、バブル崩壊後の「新御三家」フォーシーズンズ椿山荘東京・パークハイアット東京・ウェスティンホテル東京の今と、激化する老舗(しにせ)対外資系の構図、現在のトレンドを中心に東京のホテルを分析する。
宴会に頼らない新世代の宿泊主体型ホテルの台頭、世代交代やサービス競争の背景、現代人に寛げる空間と時間を提供するホテルの傾向など、様々な切り口で最新ホテル動向を伝える内容は刺激的だ。
新宿のパークハイアット東京を舞台にして撮影されたソフィア=コッポラ監督の『ロスト・イン・トランスレーション』の逸話もあり、映画通としても興味を引かれる話題が盛り込まれている。
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