『人格障害の時代』
精神科医・岡田尊司(おかだ=たかし)著。『人格障害の時代』(平凡社新書)。
どうして不可解な犯罪や人間性を無くした事件がおきるのか疑問だらけの毎日だ。これらの背景には人格障害があるらしい。この病んでいる社会現象を人格障害の視点から見事に解き明かしてくれる。人格障害の患者が増える背景と、それを増長させる資本主義とそれを支える現代の精神構造、日本社会の全ての問題点を洗い出す。さらに、今後どうすればいいかも示してくれている。社会に対して不安を感じている人にとって必読の書だ。
人格障害の定義は米国精神医学会編『DSM-Ⅳ 精神疾患の分類と診断の手引き』によると、”人格障害は日常生活や社会生活に支障をきたすほどに、「著しく偏った、内的体験および行動」を持続的に示す状態とされる”。人格障害は次の通り3グループ、10タイプに分類される。
◎人格障害のタイプ
【A群人格障害】
1)妄想性人格障害
2)統合失調質人格障害
3)統合失調症型人格障害
【B群人格障害】
4)境界性人格障害
5)反社会性人格障害
6)自己愛性人格障害
7)演技性人格障害
【C群人格障害】
8)回避性人格障害
9)強迫性人格障害
10)依存性人格障害
このように多くの種類がある。困った人や変な人が増えているのは間違いない事実なのだ。ただし、決して他人事ではない。何かしらのタイプを誰もが抱えているのだ。自らの問題として解決する努力が必要だと理解させてくれる。特に未来のある子供たちのために、取り返しがつかなくなるまえに出来るところから行動しなければならないと強く思った。
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