特集「アジア映画のビジネス最前線」(Invitation9月号)
ぴあ発行の月刊誌Invitation(インビテーション)9月号で”中国は韓国を追い越せるか?アジア映画のビジネス最前線”の特集を組んでいる。チャン=イーモウ監督作品『LOVERS』とウォン=カーウァイ監督作品『2046』の公開を控えて、中国映画ビジネスのうねりについて解説している。チャン=イーモウ監督の前作『HERO』の成功によって、中国政府が規制を緩和し始めており、中国マーケットが拡大している様子が理解できる。なんといっても人口の多い中国の巨大市場はやがて米国を席巻する可能性を秘めている。ただし、違法コピーや海賊版などの問題があり、劇場よりもDVDでより多くの人が鑑賞するようで、環境整備が必要とのことだ。『LOVERS』に出演している金城武のインタビューやチャン=ツィイーの詳しい紹介など楽しめる。
さらに、中国だけでなく香港と台湾も含めた中国語圏の映画界をレポートしている点が優れている。秀作『藍色夏恋』で主演した台湾出身の若手俳優・チェン=ボーリンが1頁枠で紹介されており、レイアウトを含めて納得できる構成になっている。
なお、別の特集で『華氏911』の紹介と監督・マイケル=ムーアの特別インタビューが掲載されている。米国上映における経緯が詳しく報告されており、ブッシュ大統領追い落しへの執念がわかりやすく理解できる。『ボウリング・フォー・コロンバイン』が快作だったので、この記事でより『華氏911』にひきつけられた。
他にも映画ネタで楽しい企画があり、映画に興味のある方にとってInvitation9月号は見逃せない。
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