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2004.09.30

『笑の大学』

原作・脚本、三谷幸喜。監督、星護。2004年邦画。ヒューマンコメディ映画。出演、役所広司、稲垣吾郎。
傑作です。感動しました。1996年に初演された三谷幸喜の最も評価の高い舞台を映画化しています。星護監督は連続TVドラマ『警部補・古畑任三郎』第一シーズンのメイン監督を務めており、この作品が映画デビュー作です。同じように舞台劇を映画化した大傑作『蒲田行進曲』(1982)に通じるものがあります。それにしても、三谷幸喜にこのような名作があったとは、この映画を観るまで知りませんでした。常に自身の作品を「面白い」と自画自賛し、今度こそはと思いつつもいつも微妙に期待を外されてきました。しかし、これは間違いなく心に響く面白さです。低迷する邦画の中で起死回生の一本といえます。10/30より全国東宝洋画系ロードショー。[ル テアトル銀座>完成披露試写会](お薦め度★★★★)

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2004.09.27

『ウォーターボーイズ』

監督・脚本、矢口史靖。2001年邦画。学園コメディ映画。出演、妻夫木聡、玉木宏、三浦哲郁、近藤公園、金子貴俊、平山綾、眞鍋かをり、竹中直人、杉本哲太、谷啓、柄本明。男子のシンクロナイズドスイミングの発想とTVドラマ化されて人気があるので、興味を持ちました。高校3年の主人公たちならこの時期は、将来に対する不安などいろいろと複雑なはずです。あまりに人物像が薄っぺらで、物語の深みがありません。ただただラストのシンクロ演技の怖いもの見たさだけでした。(お薦め度★★)

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2004.09.26

F1第16戦中国GP

中国、上海インターナショナル・サーキット。F1初開催。

9/25予選
前日のセッションで佐藤琢磨はエンジントラブルによって計測できなかったため、ペナルティとして10グリッド降格処分となった。この日の順位は9位で決勝は10グリッド下がる。最終出走となったミハエル=シューマッハは、1コーナーでまさかのスピンでコースアウト。マシンにダメージは無くコースに戻るもののアタックを諦めた。したがって、決勝では最後尾でのスタートとなる。

9/26決勝
スターティンググリッド1列目、ルーベンス=バリチェロ(フェラーリ)、キミ=ライコネン(マクラーレンMercedes)。2列目、ジェンソン=バトン(BARホンダ)、フェリペ=マッサ(ザウバー)。佐藤琢磨は18番手。ミハエル=シューマッハは20番手でエンジン交換をしたためピットスタート。

スタートは特にトラブル無く、上位陣がそのままレースを引っ張る。佐藤琢磨は積極的に順位をあげて1周目で14番目につける。中盤までバリチェロを捕らえようとライコネンが猛追するものの届かない。途中でバトンと順位が入替わり、最終ラップまでライコネンがバトンを追い上げるが3位に終わる。1位はバリチェロ。イタリアGPに続き2連勝。ドライバーズ・ランキング2位を確保して、フェラーリは今シーズン完全制覇。ミハエル=シューマッハは予選同様に単独スピン、接触、リアタイヤバーストの散々なアクシデントに見舞われながら12位でフィニッシュ。ファーステストラップも叩き出す。2位バトン、3位ライコネン。佐藤琢磨は6位。

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2004.09.25

『ショウタイム』

トム=ダイ監督。2002年米。原題『SHOWTIME』。刑事アクションコメディ映画。出演、ロバート=デ=ニーロ、エディ=マーフィ、レネ=ルッソ、ウィリアム=シャトナー(実名)。家族のリクエストで観ました。デ=ニーロは好きな役者ですが、食傷気味の刑事ものでしかも共演者がエディ=マーフィでは気が引けました。しかし、以外や以外に面白い出来です。いままでヒットした『リーサル・ウェポン』や『ダイ・ハード』、『ビバリーヒルズ・コップ』などのエッセンスがパロディにならず、ほどよく盛り込んであります。設定が微妙ながらバランスよく物語が進行し、観た後に爽快感が残ります。ところで、『スター・トレック』のカーク船長としてお馴染みのウィリアム=シャトナーが実名で特別出演しています。(お薦め度★★★)

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『スパイキッズ』

ロバート=ロドリゲス監督。2001年米。原題『Spy Kids』。スパイ・アクション・コメディ映画。出演、アントニオ=バンデラス、カーラ=グギーノ、アレクサ=ヴェガ、ダリル=サバラ。シリーズ化されているので期待したのですが、何故この映画がヒットしたのかわかりません。ハチャメチャなアメリカン・コメディのひとつです。いろいろ登場するスパイの武器は楽しめます。(お薦め度★★)

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『永遠のマリア・カラス』

フランコ=ゼフィレッリ監督。2002年伊・仏・英・ルーマニア・スペイン。原題『Callas Forever』。ヒューマンドラマ映画。出演、ファニー=アルダン、ジェレミー=アイアンズ、ジョーン=プローライト。オペラ界の頂点に昇り詰めた天才歌手マリア=カラス(1923~77)の晩年をフィクションで描いた、生誕80周年記念作品。実話でないため物語に無理があります。声の出なくなった往年の大スターが過去の美声に執着し続け、結局我儘を押し通すという展開です。この映画を観ただけではマリア=カラスという実像には近づけません。(お薦め度★★) そのためWOWOWではBBC放送製作のドキュメンタリー番組「ドキュメント:マリア・カラスの真実」(お薦め度★★★)を特集として放映してくれました。こちらのほうが彼女の破滅的な人生をより多面的に描いてくれています。オペラ界で成功して世界的なスターになるものの、母親との確執や世間とのいざこざ、夫メネギーニがいるにもかかわらず、船舶王オナシスと恋仲になり、豪奢な生活に溺れ歌から離れてしまい歌手生命が絶たれてしまう。証言によるとオナシスは歌に理解がなかったとのこと。ケネディ大統領未亡人ジャクリーンとオナシスが結婚することで、捨てられて失意のどん底に。回りからの勧めで何とか復活するものの「神に祝福された歌声」は聞くに堪えないものになっていた。オナシスへの未練、孤独に苛まれ自分のレコードを聞き続け、心臓発作に倒れる彼女の軌跡はあわれとしかいいようがない。 このドキュメンタリーを観る限り、前述の映画はきれいに作り過ぎています。この映画はフィクションであることをテロップに入れないと、マリア=カラスという人物を誤解してしまいます。

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2004.09.20

『ロビン・フッドの娘』

演出、ピート=ヒューイット。2001年英・米。原題『Princess of Thieves』。戦記TVドラマ。出演、キーラ=ナイトレイ(グウィン)、スチュアート=ウィルソン(ロビン)、スティーブン=モイヤー(フィリップ)。シャーウッドの森の英雄・ロビン=フッドに娘がいて、父娘が大活躍する物語。 12世紀末のイングランドが舞台、ロビン=フッドとマリオンは結ばれ、娘グウィンが生まれる。母マリオンはその後なくなっており、父ロビンは十字軍に参加している。ロビンは娘が争いに巻き込まれることを恐れ修道院に預ける。同じように弓矢の名手となり、18歳になったグウェンは父とともに行動して助けたいと思うが、父はそれを嫌う。そんな折、リチャード王が倒れ、正当な王位継続者のフィリップがフランスから戻ろうとするが、リチャード王の弟ジョンが自らが王位につくべく謀略を用いる。ジョン支持派のノッティンガムの代官にロビンは囚われ、ロンドン塔に送られる。父ロビンを助けるためにグウィンはシャーウッドの森の仲間と立ち上がる。 『キング・アーサー』のキーラ=ナイトレイが主役ということで観ました。映画と同様に弓を射る姿は凛々しくかっこ良過ぎです。美しさと勇ましさを求められる役どころは十分にはまっています。ロビン=フッドのお話にこのような続きがあり、しかも劇的な物語が存在するとは知りませんでした。(お薦め度★★★)

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UtaDA『EXODUS』

宇多田ヒカルが10/5にUtaDAとして全米でデビューします。全米デビューアルバム『EXODUS(エキソドス)』が9/8に日本先行発売され、当日購入しました。先行発売される理由は、逆輸入版での売上減対策のようです。アメリカで人気のティンバランドをプロデューサーに迎えて14曲で構成されています。いろいろな引き出しを持っていて流石の才能だと感じます。
ただし、ほとんど聞いていません。全米で売るための仕様は私には合いません。自動車でも映画でも現地に合わせ商品をマイナーチェンジして売り出すのは当たり前のことです。しかし、日本人に聞かせたこともなかったフルモデルチェンジの楽曲での挑戦は期待を削がれました。かの坂本九の「スキヤキ」のようにタイトルを変更しただけで全米ナンバーワンになったように、彼女には日本でヒットしたものを英語で歌うというバージョンで乗り込んでもらいたかったと感じます。

現在「ニンテンドー DS」のCMが流れています。このCMに本人が登場して『EXODUS(エキソドス)』に入っている曲が流れます。アルバムのプロモーションですが、胸元を丸く抜いた赤いドレスで実機を前にして屈みます。一ファンとしてはショックでした。エッチ度も全米仕様に合わせたのでしょう。売るためにはここまでしなければならないものなのでしょうか。

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『坂の上の雲』

坂の上の雲 8
司馬 遼太郎 / 司馬 遼太郎〔著〕
文芸春秋 (1999.2)
通常24時間以内に発送します。

司馬遼太郎(しば=りょうたろう)著。『坂の上の雲』(文春文庫・全8冊)。歴史小説。
今年は日露戦争開戦100年にあたります。1904年(明治37年)2月10日に宣戦布告し、翌年5月27日の日本海海戦をへて9月5日のポーツマツ条約を締結しました。日露戦争をこの小説では松山出身の秋山好古(よしふる)・真之(さねゆき)兄弟を主人公にして壮大な歴史ドラマを展開します。明治以降の近代の歴史について学ぶ機会がなかったため(学校教育の賜物?)、人物名は知っているもののどのような立場でどのような役割を果たしたのかほとんど知りませんでした。この時代に特に著名な正岡子規が秋山真之と同郷で深い親交のあったことを知りました。また、戦時における二〇三高地を攻めた有名な乃木将軍、乃木希典(のぎ=まれすけ)がいかに無能であったか、連合艦隊司令長官・東郷平八郎が指揮官として何が優れていたかが理解できます。
歴史小説を読むのは、戦国時代ものに凝った小・中学生時代から本当に久しぶりでした。全8冊を読破するのに5ヵ月間を要しました。

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2004.09.15

「月刊!木村剛 vol.2」

丸善丸の内本店で本日購入しました。エスカレータで2階に上がってすぐ左の平台に20冊ほど平積みされていました。緑色の表紙が目立ちます。ちなみにレジではSuica決済しました。
先日「月刊!木村剛 vol.1」(7/12創刊)を読み終わったばかりです。木村剛氏が自身のブログを雑誌に展開したチャレンジングな試みは素晴らしく、今後も応援したいと思います。対談、特集、マンガなどいろいろな切り口で構成されていて楽しめます。vol.1では厚生年金の問題点について理解が進みました。
通勤中の電車で周りの人に表紙が見えるように読んでいます。持っていることだけでその人を知的に感じさせる雰囲気のある雑誌で、昔で言えば「朝日ジャーナル」のようなものでしょうか。時代性のある知的エンターテインメント雑誌です。ますますの発展を期待しています。


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丸の内オアゾ

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oazoは昨日9/14にグランドオープンし、非常に混みあっていました。旧国鉄ビルがあった場所でJR東京駅北口からすぐです。中央に大きなエスカレータがありアトリウム内を見渡せます。吹き抜けが高くいためか、アトリウム空間は広い感じがするのですが、レストランなどの各店舗は思ったほど広くありません。2階に宇宙航空研究開発機構「JAXAi」のショールームがあり、床面積が狭いのに意外でした。宇宙服やロケットエンジンの実物が展示されており、入場してすぐに宇宙を意識できます。
オアゾの旗艦店が丸善丸の内本店で1〜4階にあります。1、2階は狭く、非常に混雑しています。書店でこれほど人が溢れている状況は初めて体験しました。本棚が天井付近まであるため、フロアがより狭く感じます。
一通り巡回しただけですが、あまり魅力的な施設には感じません。ただし、東京駅から目と鼻の先にある地の利は他を圧倒しています。

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2004.09.12

F1第15戦イタリアGP

イタリア、アウトドローモ=ナツィオナーレ=ディ=モンツァ。

9/13決勝
スターティンググリッドは、1列目ルーベンス=バリチェロ(フェラーリ)、ファン=パブロ=モントーヤ(ウィリアムズBMW)。2列目ミハエル=シューマッハ(フェラーリ)、フェルナンド=アロンソ(ルノー)。3列目佐藤琢磨(BARホンダ)、ジェンソン=バトン(BARホンダ)。

予選後に雨が降って路面が濡れている状態でスタート。シューマッハがスピンして順位を大幅に落とす。1周目で14位。上位陣はほとんどがドライタイヤでスタートしたが、バリチェロはレインを選択して数周は優位に立つ。徐々にアロンソに追い上げられすぐにピットインして順位を下げた。今回はフェラーリが序盤から後方にあり、久々にストップ ザ フェラーリのレースになると思われた。レース中盤からはバトンが首位を走り、佐藤琢磨も表彰台が見えてきた。しかし、フェラーリの2台が猛追してバリチェロが1位になり、最後のピット作業を5.5秒の早業でコースに復帰して首位をキープする。佐藤琢磨は最後のピット作業を終え4位でコースに戻ったかに見えたが、シューマッハにかわされた。さらに驚異的な速さでバトンをも抜いて、フェラーリがバリチェロ、シューマッハの順でワンツーフィニッシュ。3位バトン、4位に佐藤琢磨。

今のF1レースはミスをすると、巻き返しはほとんど困難で順位を落とすのが常識になっている。しかし、フェラーリの2人ともこれを覆した。凄いとしか言いようがない。

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2004.09.11

『あの子を探して』

チャン=イーモウ監督。1999年中国・米。原題『一個都不能少』。ヒューマンドラマ映画。出演、ウェイ=ミンジー、チャン=ホエクー、チャン=ジェンダ、カオ=エンマン。1999年ヴェネチア映画祭金獅子賞(グランプリ)受賞。参った。参りました。これほど感動させる映画だとは思いませんでした。出演者が全員シロウトでドキュメンタリータッチで話題になったことは記憶にありました。貧しい村の1か月間の代用教員が出稼ぎに出た生徒を探すために都会に出るという物語です。日本人から見て、異常に人情味の薄く風当たりの強い中国の都会で、歳も違わない言うことを聞かない生意気な生徒を、お金もなく頼る人もいないにもかかわらず健気に探す姿に、おもいっきり泣かされます。自ら泣いてしまう『初恋のきた道』の前作にあたり、チャン=イーモウ監督の手腕の凄さに改めて驚きました。なんという才能でしょう。(お薦め度★★★★)

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2004.09.10

『ベイブ 都会に行く』

ジョージ=ミラー監督。1998年米。原題『BABE PIG IN THE CITY』。コメディー映画。出演、マグダ=ズバンスキー、ジェームズ=クロムウェル。牧羊豚のベイブが都会に出て災難に遭う物語。『ベイブ』(クリス=ヌーナン監督・1995年)で製作を担当していた『マッドマックス』シリーズ監督のジョージ=ミラーが演出。前作のほのぼのした味わいから、一転してドタバタのアメリカン・コメディーに変身しています。繊細に作り上げられた世界観が崩れてしまったようで寂しいです。(お薦め度★★)

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2004.09.09

『木更津キャッツアイ 日本シリーズ』

監督、 金子文紀。脚本、宮藤官九郎。2003年邦画。青春群像映画。出演、 岡田准一、櫻井翔、岡田義徳、佐藤隆太、塚本高史、酒井若菜、古田新太、哀川翔、氣志團、ユンソナ、内村光良、薬師丸ひろ子、阿部サダヲ、山口智充、小日向文世、森下愛子。10代から20代がメインターゲットですが、キャスティングが多彩で幅広い年代から支持されると思います。TVドラマを全く観ていませんので、ドラマの世界に入るのが難しかったのですが、後半に入るとだんだんと面白さが理解できます。全編ナンセンスなギャグの塊で面食らいますが、慣れると問題ありません。若い世代の新鮮な感覚の映画です。(お薦め度★★★)

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2004.09.08

『LOVERS』

チャン=イーモウ監督。アクション監督、トニー=チン=シウトン。2004年中国。原題『十面埋伏』。アクション映画。出演、金城武、チャン=ツィイー、アンディ=ラウ。期待していたのですが、巨匠が外しましたね。自らの策に溺れて、罠にはまったように感じます。大ヒットした前作『HERO』を受けての武侠映画2作目です。『グリーン・デスティニー』を意識しすぎでしょう。アクションがかなりアクロバチックになっていてあまりにも無理があります。敵が湧いてくるように登場する様は違和感だらけです。テクニックに溺れてしまって、ストーリーもどんでん返しのてんこ盛りでほとんど共感できませんでした。特筆すべきは、冒頭のチャン=ツィイーの舞で、素晴らしい踊りを披露してくれます。(お薦め度★★)

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2004.09.05

『オールド・ルーキー』

ジョン=リー=ハンコック監督。2002年米。原題『THE ROOKIE』。ヒューマンドラマ映画。出演、デニス=クエイド、レイチェル=グリフィス。大リーグ史上最年長35歳のルーキー、ジム=モリス投手。夢をあきらめず若き日の夢メジャーリーガーになるためにプロに再挑戦する実話スポーツ感動物語。高校野球チームの教え子たちや家族に支えられて挑戦する姿が素晴らしいです。彼の3人の子供たちの可愛さはたまりません。脚本もさることながら編集が優れています。(お薦め度★★★)

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『モンテ・クリスト伯』

ケヴィン=レイノルズ監督。2002年米・英・アイルランド。原題『THE COUNT OF MONTE CRISTO』。大河ドラマ映画。出演、ジム=カヴィーゼル、ガイ=ピアース、ダグマーラ=ドミンスク。フランスの文豪アレクサンドル=デュマ生誕200年を記念して、邦題『巌窟王』で知られる名作の映画化。フルスクリーンを使う映像技術のためか、Vシネマのようなビデオ映像のように見えてしまい重厚感が損なわれており、演出も通常の映画的なものでなくテレビのようで軽く感じられました。壮大な物語が単なる復讐劇に終わっており、脚本にも問題があります。俳優に知っている顔が無く、大河ラブロマンス大冒険活劇として大化けするかも知れなかった作品は、不発に終わって非常に残念です。(お薦め度★★)

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2004.09.04

『名もなきアフリカの地で』

カロリーヌ=リンク監督。2001年独。原題『NIRGENDWO IN AFRIKA』。ヒューマンドラマ映画。出演、ユリアーネ=ケーラー、メラーブ=ニニッゼ。第75回アカデミー賞外国語映画賞受賞。ナチスの迫害から逃れるために、アフリカに亡命したユダヤ人一家の物語。雄大なアフリカの自然が美しく描かれています。幼少時代の長女役レア=クルカがとてもかわいい、愛らしい子でした。2000人の応募者から選ばれたそうです。(お薦め度★★)

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2004.09.02

『華氏911』

監督、脚本、マイケル=ムーア。出演、ジョージ=W=ブッシュ。2004年米。原題『Fahrenheit 9/11』。ドキュメンタリー映画。第57回カンヌ国際映画祭パルムドール受賞。国際批評家連盟賞受賞。反戦でなく厭戦映画です。彼の作品は『ボウリング・フォー・コロンバイン』(2002年)、『ロジャー&ミー』(1989年)を観ています。過去2作品と比べるとエンターテインメント性が弱く、メッセージが主体となった編集でほとんど遊びがありません。怒りに満ちており、止むに止まれず制作した作品のように感じます。イラクへの不毛な侵略戦争に導いた共和党出身のブッシュ大統領がどうしても許せないことが伝わってきます。金まみれに陥った、戦争をすることから避けられない資本主義国家の本質的な姿を浮き彫りにします。[恵比寿ガーデンシネマ](お薦め度★★)

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2004.09.01

『ブラック・ダイヤモンド』

アンジェイ=バートコウィアク監督。2003年米。原題『CRADLE 2 THE GRAVE』。アクション映画。出演、ジェット=リー、DMX、マーク=ダカスコス。ジェット=リーを使っていながら、アクションもストーリーも全く見所がありません。お手上げでした。(お薦め度★)

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チャン=イーモウ監督作品、日米同時映画興行1位

チャン=イーモウ監督の2つの作品がそれぞれ日米で公開されています。全米で8/27から『Hero』が公開され興行1位となりました。日本では8/28から『Lovers』が公開されて1位です。同じ監督の異なった作品が日米で同時に公開されて1位を獲得するのは初めてではないでしょうか。以前『Hero』は世界市場に通用する映画だと感想を書きましたが、米国でも評価されたようです。この作品は2001年9月11日の米国が受けたテロも十分に意識されて制作されています。”「憎悪の連鎖」を止める”というテーマは米国人にどのように響くのでしょうか。マイケル=ムーア監督の『華氏911』が上映された後だけに良い意味での期待が持てます。
ところで、日本米国の『Hero』のオフィシャルサイトですが、雲泥の差があり驚きました。米国では重要視していないように見えます。それとも配給会社のポリシーの差なのでしょうか。

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