『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』
神山健治監督。原作、士郎正宗。製作、 Production I.G。2002年TVシリーズ全26話。サイバーアクションSFアニメ。
【物語】西暦2030年、「義体」と呼ぶ人体をサイボーグ化することに忌避感が無くなる、常時ネットワーク接続された電脳時代。内務省直属の独立部隊、公安9課。通称「攻殻機動隊」が、荒巻大輔課長のもとに”少佐”と呼ばれるサイボーグ・草薙素子を中心にメンバーたちがネットの闇に潜む犯罪に立ち向かう。
押井守監督の映画『GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊』(1995)、映画『イノセンス』(2004)がよくわからないので、TVシリーズで理解を深めようとしました。同じ原作ですが、映画とTVシリーズは別物のようです。ただし、深刻で複雑化していく厭世的な世界観は共通していて違和感はありません。1話完結ドラマだと思っていたのですが、このシリーズの中心にある”笑い男”のストーリーが20話から最終26話に向けて畳み込むように連続展開します。19話以前から伏線を随所にちりばめており、シリーズ構成がしっかりしています。「笑い男」については、米国作家のJ.D.サリンジャー(Jerome David Salinger)作品との関連性を持たせているようです。登場人物は人間性が乏しいので気が重くなるのですが、タチコマと呼ばれる公安9課に9機配備されている小型の思考戦車が、無邪気で人懐こいキャラクターのためホッとさせられました。精神(ゴースト)が無いAIロボットに人間性を出させるところにこの作品の深くて重いテーマを感じさせます。(お薦め度★★)
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