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2004.11.30

『はるかなる東洋医学へ』

はるかなる東洋医学へ
本多 勝一
朝日新聞社 (2004.9)
通常24時間以内に発送します。

本文は1992年に書かれています。1997年に単行本になり、今回の文庫化で再読しました。現代医学(西洋医学)の限界を東洋医学との協力で補えるのではないかという問いかけを、身近な体験を通してわかりやすく解説しています。西洋医学は救急医療としての効果は絶大であるものの、基本的に人間をサイボーグととらえ部品の集合体として扱うことが前提にされており、対極にある東洋医学は人間の身体は有機的につながっているという医学的な発想の違いを示してくれます。著者以外にも東洋医学の識者が専門家の立場から鳥瞰的に東洋医学の体系を述べてあり、読書案内など初心者にとっての入門書として最適です。

東洋医学の診療体系は次の通り。
①漢方薬
②針灸
③手技
④気功
⑤食養


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2004.11.29

『オー!マイDJ』

キム=ジンミン監督。2004年韓国。原題『アンニョン!UFO(Au Revoir!UFO)』。ロマンチック・コメディ映画。出演、イ=ウンジュ、イ=ボムス。『ブラザーフッド』『永遠の片想い』のイ=ウンジュが失恋の痛手を背負いながらもしっかりと生きようとするヒロインを好演しています。本当に容姿端麗のイ=ウンジュが良いですね。アップになった顔を観るだけで和んでしまいます。ベテラン俳優のイ=ボムスは初めて観ました。ダサい役を熱演しています。ロマンチック・コメディのラブストーリーとくれば、ハリウッド映画で慣れ親しんだある程度お約束の展開を連想できますが、この作品には通用しません。ハンディキャップを持った彼女とさえない彼氏の恋の行方はどうなるのか全く読めませんでした。ただし、この展開が何ともいえない心地良いもので、新鮮でありながら懐かしいような不思議な感覚を受けました。(お薦め度★★★) ≪この作品を観るまでの道程≫ 今年の8月に『キング・アーサー』を観た博多のキャナルシティで、9月に実施される「アジアフォーカス・福岡映画祭2004」のパンフレットをもらいました。その冊子に上映作品として紹介されていました。そのうち劇場公開されると期待して待っていたのですが、先週11/25発売の「ぴあ12/2号」で1週間限定(11/27~12/3)のレイトショー公開されることを知ることになり、池袋シネマ・ロサに駆けつけました。ちなみに、来年1/7にDVDが発売されます。

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2004.11.27

『Mr.インクレディブル<日本語吹替版>』

ブラッド=バード監督。2004年米。原題『The Incredibles』。ファンタジー映画。声の出演、三浦友和、黒木瞳、綾瀬はるか、海峰拓也、宮迫博之。ピクサー・スタジオ長編アニメ第6弾。
ピクサー・スタジオが遂に”人間”を主人公にしたフルCGアニメに挑戦した意欲的な作品です。監督には感動アニメ巨編『アイアン・ジャイアント』(1999・米)のブラッド=バードを向かえました。主人公のMr.インクレディブルを予告で観た限り、典型的な白人を描いたいかにもアメリカ的なキャラクターデザインで興味を感じませんでした。しかし、全米で大ヒットしており、ピクサーが面白くない作品を出したことは無かったので、それなりに期待しました。
またしても期待を裏切りません。期待以上にハラハラドキドキが連続する凄い映画でした。テーマは家族の力です。スーパー・ヒーローに家族がいる設定は独創的で、そのスーパー・ファミリーが巻き起こす大冒険は素晴らしい物語に仕上がっています。CGでこれだけのスピード感が出せるとは驚かされます。また、人物の表情が豊かで不自然さは全くありませんでした。世界屈指の技術だと感じます。
なお、吹替えの方々がキャラクターに非常にあっていました。中でもインクレディブル夫人役の黒木瞳とシンドローム役の宮迫博之が好演されています。(お薦め度★★★★★)

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2004.11.26

『ジャイアント・ベビー』

ランダル=クレイザー監督。1992年米。原題『Honey, I Blew Up The Kid』。SFコメディ映画。出演、リック=モラニス、マーシャ=ストラスマン、 ロバート=オリヴェリ、エミー=オニール、ダニエル&ジョシュア=シャリカー(双子がアダム役)、 ロイド=ブリッジス。『ミクロキッズ』(1989・米)の続編。以前妻と2人で、今回は家族で観ました。全員にバカ受け。子育てを経験するとこの映画がさらに味わい深くなります。2歳半の幼児は制御不能です。巨大化したら恐ろしいことになること間違いありません(エバァ初号機のように)。そんなユーモラスな悪夢をコメディタッチで仕上げた心温まるファミリー映画です。母の愛の力に共感します。ちなみに、私のもうすぐ3歳になる息子も手がつけられません。(お薦め度★★★)

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2004.11.23

『カントリー・ベアーズ』

ピーター=ヘイスティング監督。2002年米。ミュージカルコメディ映画。ディズニーランドの人気アトラクション「カントリーベア」が実写版映画になりました。着ぐるみの熊が主人公です。伝説のバンド、ザ・カントリーベアーズを再結成して、カントリーベア・ホール取り壊しを阻止しようとします。この手の作品はおちゃらけたものになりやすいのですが、映画音楽が素晴らしく、脚本や演出が優れており、素直に子供と楽しめました。エルトン=ジョンが本名でチョイ役で登場して意外性もあります。(お薦め度★★★)

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2004.11.22

『消費者はなぜだまされるのか』

消費者はなぜだまされるのか(平凡社新書 230)
村千鶴子著

出版社 平凡社
発売日 2004.06
価格  ¥ 819(¥ 780)
ISBN  4582852300

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悪質商法による被害相談は2002年度で83万件を突破し、10年前の4倍になっているそうです。被害にあった人が消費者センターなどへ相談するのは2%程度というから被害総数は4000万件を突破することになります。驚くべき数字です。
増加している相談は、ヤミ金の押し貸し、から貸し、情報提供サービス料金などの名目による”不当請求”などで、以前には見られなかった悪質なものだそうです。手口は電話勧誘販売、次いで家庭訪問販売で、被害者で最も多いのは男性サラリーマン、いまや誰もが被害にあう可能性がある時代に突入したと筆者は指摘しています。
消費者行政を強化しなければならないにもかかわらず、自治体予算が削られて県の消費者センターが廃止されるところも出てきているようです。また、高齢者被害の防止や救済にも日本は大幅に遅れを取っている状況で早期の抜本的な対策が必要とのことです。
いかに悪質商法の被害にあわないようにするか、社会人として新たな心構えが必要とされています。

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2004.11.21

和ごころ【黒みつ】

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江崎グリコのアイスクリーム
これは美味です。ラムレーズンのような濃厚な味わいながら、スッキリした後口です。家族が買ってきてくれました。”和ごころ”の中でこの黒みつが売れているようで、クセになりそうです。

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リーガ・エスパニョーラ第12節 クラシコ

スペイン・バルセロナ、カンプ・ノウ。
主審:ウンディアノ=マジェンコ。

バルセロナ:フランク=ライカールト監督(オランダ出身)。
レアル・マドリッド:ガルシア=レモン監督(スペイン出身)。

3-0、バルセロナ圧勝。

年に2回行われるクラシコ。昨年のカンプ・ノウでの試合は、20年以上負け無しだったバルセロナが1-2で負けている。同じ舞台で現在首位を走るバルセロナ(勝点26)と2位レアル(勝点22)が激突。前半からホームのバルセロナが圧倒的な試合運びで、中でもロナウジーニョとエトーが素晴らしい活躍をした。この2人は本当に凄い動きだ。28分、ロナウジーニョが蹴りだしたボールをDFのロベルト・カルロスとGKカシージャスが譲り合ったほんのわずかの瞬間にエトーが奪って無人のゴールへ先制点をあげた。前半終了間際の43分にファン=ブロンクホルストが追加点を決めて2-0。
後半もバルセロナの優位は変わらない。9分にベッカムを下げてオーウェンを投入し、レアル・マドリッド反撃の雰囲気は出たものの得点をあげられない。26分にバルセロナのラーションが足の故障でイエニスタに交代。あわせてベレッチもダミアーに代わる。またもエトーが個人技でペナルティエリアに切り込んで、ファウルを誘いPK。これをロナウジーニョが決めて3点目(32分)とした。その後レアルはジダン(33分、セラデス)、ラウール(37分、ソラーリ)を交代した。41分にバルサのシャビがシウヴィーニョに交代。レアル選手に苛立ちが出てラフプレーが多くなる。相変わらずフィーゴへのブーイングが目立つ。

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2004.11.20

『ピーターパン2/ネバーランドの秘密』

ロビン=バッド監督。2002年米。原題『Return to Never Land』。アニメ映画。
英国の作家ジェームズ=M=バリーが小説『白い小鳥』にピーターパンを登場させたのが1902年。”永遠の少年”ピーターパン生誕100年周年目にディズニーが総力を結集して作った続編。第二次世界大戦中のロンドンでウェンディーは2児の母親、娘のジェーンがネバーランドに旅立つ。
1953年に製作された前作『ピーターパン』の世界観を壊さずに仕上がった、素晴らしい作品です。子供から大人まで楽しめます。(お薦め度★★★★)

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2004.11.19

ロスのお土産

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ありがとうございます。

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オリジナルサウンドトラック『TUBE』

映画『TUBE』のサントラを購入しました。韓国映画は音楽もレベルが高いと感じます。この映画のスピード感、重々しさ、切なさを音楽が映像に劣らず表現しています。
メイン・アクション・テーマ曲「チューブ」ですが、何かが起こりそうな予感がして、それが起こってしまうというハラハラドキドキ感が伝わるカッコイイ曲です。「スピード」は、走り出してしまったという疾走感が伝わります。主題歌「思い出だけでも」は切なさがこみ上げてきます。

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2004.11.18

『「クビ!」論。』

「クビ!」論。
梅森 浩一
朝日新聞社 (2004.10)
通常2~3日以内に発送します。

著者は日本にある3つの外資系企業で人事部長を歴任して、1000人のクビ切りを実行した人物です。どんな自慢話や失敗談が登場するのかと思っていましたが、業務として淡々と遂行していった様が語られます。日本企業に身を置く者からすると外資系企業の解雇についての考えがいかに違っているかがわかってきます。そして日本企業のリストラが企業にとっても社員にとっても誤った運用を行っているかが理解できます。
外資系企業は解雇と採用をセットで考えて、会社を再生させるために行うことが前提にあり、解雇された社員においても自分のキャリアアップとして前向きに捉えているようです。転職しても損にならない社会背景があるため、日本のように解雇されるイコール自己否定されたという構図にはならないそうです。
クビ切りを通して、日本企業の問題点と将来のあり方について極めて有意義な提言が述べられている作品です。

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2004.11.17

DS対PSP

昨日、JR東京駅の「丸の内中央口」と「丸の内南口」をつなぐ”南北通路の壁”にPSP(プレイステーション・ポータブル)実機3台がポスター形式で展示され、液晶画面に動画を流していました。CG映像がとても美しく表示されるため、思わず見とれました。この画面サイズでも表現力が高いのでゲーム以外の映像も観たくなります。12/12発売を前にしたプロモーションです。ポスター感覚の実機展示が斬新で携帯で写真を撮ろうと近くにいる警備員に確認したところ、撮影禁止とのことでした(ユニークなプロモーションを写真に残せなくて残念です)。
任天堂独占の携帯ゲーム機市場に殴りこみをかけるSCE(ソニー・コンピュータエンタテインメント)が、子供とは違った年齢層を取り込もうとしています。対して迎え撃つニンテンドーDSCMを9月から流しています。DSは12/2の発売でPSPよりも10日早く値段も4800円安くなっています。
任天堂対ソニー、さてどちらが勝つのでしょうか。

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2004.11.16

『続懐かしい日本の言葉 ミニ辞典』

懐かしい日本の言葉ミニ辞典 続 絶滅のおそれのある日本語更に360語
藤岡和賀夫著

出版社 宣伝会議
発売日 2004.09
価格  ¥ 630(¥ 600)
ISBN  4883351165

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懐かしい日本の言葉 ミニ辞典』の続編です。日本文化に溶け込んでいたはずの味わいのある言葉が急速に失われようとしています。昭和30年代には当たり前に使われていた「おまんま」や「おしゃまさん」ですら、死語になりつつあります。残すべきもの、残さなければいけないものを今一度考えさせる大切な一冊です。

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2004.11.15

『オールド・ボーイ』

パク=チャヌク監督。原作、土屋ガロン、嶺岸信明(日本)。2003年韓国。サスペンスバイオレンス映画。R-15指定。出演、チェ=ミンシク、ユ=ジテ、カン=ヘギョン。2004年カンヌ国際映画祭グランプリ受賞。
並外れた作品であることは間違いありません。豪気でしかも繊細さがあり、バランスの取れた後味の良い映画です。さすが『JSA』の監督だけのことはあります。何といっても主演チェ=ミンシクの演技は凄まじいの一言です。これほどの難役を演じきった役者にはめったに出会えないでしょう。
映画の中の映画だと感じますが、扱われているテーマがメジャー向きでありません。特に子供は観てはいけません。観てはいけないものを観てしまった後悔があるため、私自身は封印します。2度と観ません。(お薦め度★★)

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2004.11.14

『少林寺2』

チャン=シン=イエン監督。1983年中国・香港。原題『少林小子』。アクション映画。主演、リー=リンチェイ(今のジェット=リー)。続編のようですが、物語のつながりはありません。前作よりもよほど力が抜けており、コメディタッチで所々で笑えました。(お薦め度★★)

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2004.11.13

『少林寺』

チャン=シン=イエン監督。1982年中国・香港。アクション映画。出演、リー=リンチェイ(今のジェット=リー)。ジェット=リーの映画デビュー作品。中国全国武術大会で5年連続総合チャンピオンの偉業を成し遂げ「中国の至宝」と呼ばれる。このシリーズの大ヒットにより、一躍トップスターに。当時19歳で切れのあるアクションは今観ても惚れ惚れします。鍛えられた肉体の動きは素晴らしく、美しさすら感じさせます。(お薦め度★★★)

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2004.11.12

行政サービス

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道路を挟んで大田区と品川区が隣接している大田区側にイトーヨーカドーが近日オープンするようです。それに伴って店舗前の十字路にある歩道橋撤去工事が進んでいました。なるほど、お店に入りやすくするために行政サービスとして行われているのでしょう。そこで考えたのは、区と区の境にある歩道橋はどっちの区の管轄になるのか、撤去工事費用はどちらが負担するのかということでした。とまあ、考えたところ、管轄はともかく費用負担は税収がある大田区だろうなという結論になりました(当り前か)。街の活性化のために行政も努力されているのですね。

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2004.11.09

『TUBE』

監督・脚本、ペク=ウナク。2003年韓国。スペクタクルアクション映画。出演、キム=ソックン、パク=サンミン、ぺ=ドゥナ。「えっ。これで終わりなの!」とエンドロールを凝視しました。続編、パート2の予告を期待したのですが、...。全くの消化不良です。上・下巻の上巻だけを観終わっただけという印象です。もっと観せて欲しいというのが率直な感想です。劇場予告が素晴らしく、本編はその期待を裏切りませんでした。『スピード』(1994米)や『ダイハード』(1988米)を連想させ、かっこ良さは『ヒート』(1996米)を彷彿させます。アクション映画においても韓国映画はハリウッド映画を脅かす存在になりました。ペク=ウナク監督は、『シュリ』に脚色と助監督として参加しており、この作品が初監督となりました。初作品とは思えないほどの素晴らしい出来です。スピード感が炸裂するテロリストと刑事の切ないほどの戦いが地下鉄を舞台に展開します。地下鉄の車両が乗っ取られ、爆弾を積んだままトンネル内を疾走します。銃撃と格闘、爆発のどのシーンをとっても重厚感とリアリティがあり、超一級のアクション映画に仕上がっています。特にテロリストの元国家諜報員役パク=サンミンの悪役は一見の価値があります。非情で常人を超えたワルぶりは絶品です。スリルと緊張感が連続するアクション映画でありながら、脚本と編集が巧みで短いショットを挿入して主人公たちの背景を深く描写していきます。あらためて韓国映画の面白さに驚かされました。[東劇](お薦め度★★★)

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2004.11.07

『スナイパー』

カリ=スコッグランド監督。2002年カナダ。原題『LIBERTY STANDS STILL』。復讐劇映画。出演、ウェズリー=スナイプス、リンダ=フィオレンティーノ、オリバー=プラット、マーティン=カミンズ。銃会社の副社長で社長夫人を公衆の面前で監禁し、米政府にとってスキャンダルな裏幕を告白させる復讐物語。公園の見える部屋の一室から狙撃銃で公園内に監禁するというアイデアは面白いものの、結末が予測できてしまってスリリングな展開にはなりません。通常であれば回想シーンを使って主人公がどうしてこのような行動を起こしたのかを説明するのですが、本人の素性や背景についてセリフから連想するしかなく、動機がよくわかりません。告白させることで最終的にどうしたいのかわからずじまいでした。ウェズリー=スナイプスを起用しておきながら、質の低い作品でがっかりしました。(お薦め度★)

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2004.11.06

『レインマン』

バリー=レヴィンソン監督。1988年米。原題『Rain Man』。ヒューマンドラマ映画。出演、トム=クルーズ、ダスティン=ホフマン、ヴァレリア=ゴリノ。第61回(1988)アカデミー賞、作品賞・主演男優賞・監督賞・脚本賞受賞。長時間で展開が平板なため何回か途中で断念しています。今回初めて最初から最後まで観ました。家族の愛に恵まれなかった金が人生という主人公が、父親の死によって遺産相続で突然知った自閉症の兄との交流を通じて人間らしくなるストーリーです。もともと主人公は性悪な性格でなく、また自閉症の兄もギャンブルに非常に役に立つという才能があったということで、収まるべくして収まる物語でした。情感が深いという印象ではなく、落ち着くべきところに落ち着いたという予定調和的な話です。(お薦め度★★)

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『夏休みのレモネード』

ピート=ジョーンズ監督。2001年米。原題『Stolen Summer』。ヒューマンドラマ映画。出演、アディ=スタイン、マイク=ワインバーグ、エイダン=クイン、ボニー=ハント、ケヴィン=ポラック。アイルランド系カトリック教徒の8歳の主人公が同じ歳のユダヤ教徒少年を改宗させようとする物語。日本人にとって2つの宗教ともに身近で無いためピンときません。また、8歳の少年(小学2年生)をメインに展開する宗教話ははっきり言って現実感がありません。異なる宗教において互いに理解しあおうとする2つの家族同志のつながりを描こうとしていることは理解できても、フィクションすぎるフィクションという必然性の無い設定ではもともと無理があります。それにしてもこのタイトルで少年を主人公にした映画だと騙されてしまいます。宗教を題材にしたものだとは全く思いませんでした。タイトルをつけた人の勝ち。(お薦め度★★)

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『サタデー・ナイト・フィーバー』

ジョン=バダム監督。1977年米。原題『Saturday Night Fever』。青春映画。ジョン=トラボルタ、カレン=ゴーニー。ビージーズの音楽が溢れた大好きな映画です。大人になろうとする主人公の葛藤が共感できます。ダンスパートナーとレッスンするシーンは何度観ても美しく感じます。若い頃ロードショーで観ました。当時この映画でディスコが大ブームになり、学生だった私は新宿や六本木に友人達とディスコ通いしました。いまでは信じられないかもしれませんが、六本木のディスコはジーパン姿で気軽に入れました。すでに27年前の作品になってしまいましたが、今観ても全く輝きは失われていません。「愛はきらめきの中に」が流れるラストシーンは忘れられません。(お薦め度★★★★)

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2004.11.04

『スパイキッズ3-D:ゲームオーバー』

ロバート=ロドリゲス監督。2003年米。原題『Spy Kids3-D:Game Over』。シリーズ第3弾。SFアドベンチャー映画。出演、ダリル=サバラ、アレクサ=ヴェガ、リカルド=モンタルバン、シルベスター=スタローン。『スパイキッズ』『スパイキッズ2 失われた夢の島』に続くシリーズ最終作は、コンピューターゲームの中に入って各レベルをクリアしていくSF仕立て。ドタバタした作風は第1作に戻った感じです。これを観てディズニー映画の『トロン』(1982)を思い出しました。コンピュータプログラムの中という同じ設定で、実写とCGで描かれたバーチャル空間で物語が展開します。『トロン』では色数が少なく単純で幾何学的な光の線で空間を表していましたが、『スパイキッズ3-D:ゲームオーバー』ではコンピューターゲームが描くシャープで実体感のある超リアル空間が出現しています。21年間のCGによる映像処理の進歩は目を見張るものがあります。(お薦め度★★)

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2004.11.02

フレンチカスタードクリーム

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森永乳業株式会社のデザート、銘店のこだわりシリーズ
pâtisserie Sadaharu AOKI(パティスリーサダハル・アオキ) フレンチカスタードクリーム。

クラッシュクレープをカスタードクリームに振りかけていただきます。後味が良く、すっきりとした甘さでとても美味しいです。

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2004.11.01

『隠し剣 鬼の爪』

山田洋次監督。原作、藤沢周平。2004年邦画。人情時代劇映画。出演、永瀬正敏、松たか子、吉岡秀隆、小澤征悦、田畑智子、高島礼子、倍賞千恵子、田中邦衛、光本幸子、田中泯、小林稔侍、緒方拳。
日本映画界の名匠・山田洋次監督が再び挑戦した時代劇第2弾。山形県を舞台に日本人の情感に訴える良質な作品です。前作『たそがれ清兵衛』の姉妹作と言えます。低迷する邦画にあって安心して観れました。

しかし、チャン=イーモウ監督の『LOVERS』に感じたように自らの策に溺れてしまった印象を受けました。原作は「隠し剣鬼ノ爪」と「雪明かり」であり、これらを脚本で一本に仕上げていますが、1つのストーリー展開としてはどうしても無理がでました。武侠と純愛の2つのテーマをつなぐために必要と思えない場面が登場しますし、言わせるべきでないセリフが数多く出てきました。従来の山田洋次監督作品では絶対に語らせなかったセリフです。前作で逃した米国アカデミー賞を意識されたのでしょう。米国人にもわかりやすいものに仕上げようとしたため、邦画としての奥ゆかしい味のある表現方法を後退させています。また、配役において意外だったのが緒方拳の使い方です。最後まで納得できませんでした。松たか子がはまり役で観客が共感できる演技をしていたのと対照的でした。世界のマーケットを意識したのかもしれませんが、あまり欲張る必要はなかったのではないでしょうか。才能のある監督において武侠映画は表現の自由度があるため、力が入りすぎるのかもしれません。殺陣については、前作よりも弱い感じです。
今回の映画はどちらか一方のテーマだけで撮っても名作になりえたと思います。特に純愛がテーマの坦々とした日常における”男らしさ”とはかくあるべきという物語に挑戦していただきたかったと思います。[丸の内ピカデリー1](お薦め度★★)

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