『「クビ!」論。』
著者は日本にある3つの外資系企業で人事部長を歴任して、1000人のクビ切りを実行した人物です。どんな自慢話や失敗談が登場するのかと思っていましたが、業務として淡々と遂行していった様が語られます。日本企業に身を置く者からすると外資系企業の解雇についての考えがいかに違っているかがわかってきます。そして日本企業のリストラが企業にとっても社員にとっても誤った運用を行っているかが理解できます。
外資系企業は解雇と採用をセットで考えて、会社を再生させるために行うことが前提にあり、解雇された社員においても自分のキャリアアップとして前向きに捉えているようです。転職しても損にならない社会背景があるため、日本のように解雇されるイコール自己否定されたという構図にはならないそうです。
クビ切りを通して、日本企業の問題点と将来のあり方について極めて有意義な提言が述べられている作品です。
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