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2004.12.31

erabu2004年下半期映画ベスト5

【2004年7月1日~12月末に観た映画70本の順位】

1位 『キリクと魔女<日本語吹替版>』1998仏
2位 『笑の大学』2004日本
3位 『the EYE【アイ】』2002香港
4位 『SSU』2003韓国
5位 『トレジャー・プラネット<日本語吹替版>』2002米

番外
キング・アーサー』2004米
スパイダーマン2』2004米
TUBE』2003韓国

・なんと言っても『キリクと魔女<日本語吹替版>』に圧倒されました。『トレジャー・プラネット<日本語吹替版>』も素晴らしい。日本アニメ危うしです。
・今年最大の収穫は『笑の大学』でした。邦画に頑張って欲しい願いは変わらずあります。
・香港ホラー『the EYE【アイ】』は傑作です。
・『SSU』は掘り出し物です。海が好きな方はどうぞ召し上がれ。

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『浪人街』

演出、山田和也。脚本、マキノノゾミ。原作、山上伊太郎。主題曲、坂本龍一。衣装、ワダエミ。演劇。出演、唐沢寿明、松たか子、中村獅童、田中美里、成宮寛貴、田山涼成、升毅、鈴木一真、伊原剛志。日程、2004/5/16~6/23東京・青山劇場。
「浪人街」は昭和3年に、山上伊太郎脚本、マキノ正博監督によって発表された無声映画の幻の名作。その後数回の映画化を経たが「劇場での上演は不可能」といわれていた豪快な活劇である。しかし2004年、史上初の舞台化に成功した。

WOWOWが独占放送するだけのことはある舞台でした。これほどの迫力ある殺陣シーンは初体験です。舞台化は大成功でしょう。出演者が力強い素晴らしい演技を披露してくれました。本当に凄い立ち回りでした。特に中村獅童が見事としかいいようがありません。WOWOWに感謝です。(お薦め度★★★★)

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『三十四丁目の奇蹟』

監督、ジョージ=シートン。1947年米。原題『MIRACLE ON 34TH STREET』。ファンタジー映画。出演、モーリーン=オハラ、ジョン=ペイン。クリスマス映画の不朽の名作です。1994年にリメイク版もあったようですが、最近まで全く知りませんでした。脚本が見事でストーリー展開のテンポの良さは古さを全く感じさせません。流石に素晴らしい映画ですね。いつか子供たちと一緒に観ようと思います。(お薦め度★★★★★)

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2004.12.30

ドラマ「宿命」

監督、若松節朗。脚本、佐伯俊道。原作、東野圭吾。2004年WOWOWドラマ。サスペンスドラマ。出演、藤木直人、柏原崇、本上まなみ、飯島直子、手塚理美、東幹久、中村嘉葎雄 。
脚本の問題なのでしょうか、原作に忠実すぎたのでしょうか、あまりに多くの要素を盛り込み過ぎています。サスペンスの演出に深みがなく、謎が解き明かされる期待感はありません。過去の事件との関係が重要でありながら、設定が薄っぺらでした。また、キャスティングが非常に悪すぎます。医師役の藤木直人と刑事役の柏原崇は逆にすべきでしょう。藤木直人が心を閉ざしたクールな人物にはどうしても見えません。柏原崇は好演していますが、彼を主役に持ってきたほうが活きたストーリーになったと思います。本庄まなみは論外です。こんな演技しか出来ないにもかかわらず、ヒロインに抜擢される理由がわかりません。(お薦め度★)

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『ガン&トークス』

監督、チャン=ジン。2001年韓国。原題『GUNS&TALKS』。アクション映画。出演、シン=ヒョンジュン、ウォンビン、シン=ハギュン、チョン=ジェヨン。コミカルでもシリアスでもない不思議な殺し屋4人組の青春映画です。リアリティはなく、唐突な登場人物で話の前後がわかりにくい場面が多くあります。しかし、軽快なテンポで物語が進行するためそれなりに楽しめます。軽いタッチで爽やかで何も残りません。(お薦め度★★)

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2004.12.29

『ロッタちゃん はじめてのおつかい』

監督・脚本、ヨハンナ・ハルド。1993年スウェーデン。原題『Lotta Flyttar Helmifran』。原作、『長くつ下のピッピ』シリーズの童話作家アストリッド・リンドグレーン。ハートウォーミング映画。出演、グレテ=ハヴネショルド(5人家族のニイマン家の次女ロッタ5歳)、リン=グロッペスタード(ミア)、マルティン・アンデション(ヨナス)、ベアトリース=イェールオース(ママ)、クレ=マルベール(パパ)。

吹替で観ました。自立心の強い女の子ロッタが巻き起こすかわいらしいドラマでした。大人がやさしくて、わがままな子供たちに対して決して怒りません。隣のベルイおばさんもロッタを一人前として扱って突然の訪問に厭な顔ひとつしません。スウェーデンの大人はこの映画通りにやさしいのでしょうか。また、治安が非常に良く、ロッタが1人でおつかいに出掛ける時間は真っ暗です。お菓子屋のギリシャ人が店を閉めて故郷に帰るという場面で「ここの人(スウェーデン人)は少ししかお菓子を食べない」というセリフ笑えました。この映画で観る限り本当に良い人ばかりの街です。機会があれば次回は字幕で楽しみたい映画です。(お薦め度★★★)

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2004.12.28

『たったひとつのたからもの』

演出、雨宮望。脚本、矢島 正雄。2004年日本テレビドラマ。原作、加藤浩美著『たったひとつのたからもの』(文藝春秋 刊)。出演、松田聖子、船越英一郎、杉森翼・後藤響・辻智基(秋雪)、蟹江敬三、小日向文世。 『たったひとつのたからもの』はいつかテレビドラマ化されるだろうと予想していいました。ドラマ化されたら必ず観ようと考えていましたが、日本テレビのドラマで主演が松田聖子と知り10/26に初放映されたときには見送りました。日テレのドラマは昔からどうも合いませんし、松田聖子についてはアイドル時代から演技がうまいと思ったことがなかったためです。しかし、放映後の評価が良かったため12/26の再放送で観ました。松田聖子が母親としての子供に対する情愛を十分に演技しており共感できました。父親の船越栄一郎も良く、秋雪役の杉森翼くんが光っていました。ただし、全体的に脚本が悪い。原作をベースにフィクションとして描いています。フィクションにすることは何ら問題無いのですが、人物設定が陳腐で、医師のセリフは人間味がありません。また、職場の上司である部長(小日向文世)は必要ありませんでした。何を主張したかったのでしょう。祖父(蟹江敬三)も良くわからない存在でした。残念なのはダウン症を子供に持つ家族の苦労は全く伝わってきません。演出については、日テレにありがちな泣かせるドラマにしておらず評価したいと思います。明治生命CMと比較して主題歌の「言葉にできない」(小田和正)の使い方は物足りなさがありました。(お薦め度★★)

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2004.12.27

のむヨーグルト

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最近気に入っている日本ルナ株式会社「味わいとコク ドリンクヨーグルト」です。ほどよい酸味とまろやかな甘みがマッチしています。コッテリとした飲み応えは少しだけマックシェイクを連想させます。

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2004.12.26

『エンジェルス・イン・アメリカ』

監督、マイク=ニコルズ。2003年米HBO局TVドラマ。出演、ジャスティン=カーク(プライアー)、ベン=シェンクマン(ルイス)、エマ=トンプソン(二役:医師、天使)、パトリック=ウィルソン(ジョー)、メアリー=ルイーズ=パーカー(ハーパー)、アル=パチーノ(ロイ=コーン)、メリル=ストリープ(ハンナ)、ジェフリー=ライト(ベリーズ)。第56回エミー賞史上最多11部門受賞。 【物語】80年代、ニューヨーク。連邦判事の主席書記官ジョーは、法曹界の黒幕ロイ・コーンから、司法省入りを持ちかけられる。しかし、彼の同性愛志向を疑い、薬物依存症に陥って幻覚の世界に入り浸る妻ハーパーが気がかりで、申し出を受けるかどうか悩んでいた。ジョーと同じ職場で働くルイスは、同性の恋人プライアーから、エイズ発病を知らされる。息子ジョーから同性愛を告白された母親ハンナは、ひょんなことからプライアーの面倒を見ることに。一方、隠れゲイのロイ・コーンも主治医からエイズの宣告を受けていた。(WOWOWマガジン12月号より)。 昨年12月に放映されて全米を揺るがし、今年9月のエミー賞では史上最多タイを記録した『エンジェルス・イン・アメリカ』に期待が高まりました。全6話に映画並みに6000万ドル(約66億円)の制作費を投入したことも興味をそそられました。しかし、なんということでしょう。撃沈です。全く面白くない。何を訴えたかったのかわかりません。キーワードはゲイとエイズで衝撃的な内容だということはわかりますが、それしかわかりません。会話の中でレーガン大統領や共和党の批判が随所に登場するもののそれがストーリーとどう結びついているのか理解できません。見所としての天使が降りてくる特撮シーンは大仰な過剰演出でピンときません。映画スターの競演も話題でしたが、TVドラマ初出演のアル=パチーノ、メリル=ストリープ、エマ=トンプソンの演技も特に優れているとは思えません。全編6時間半費やして、何も得るところがなくトホホな気分です。(お薦め度☆)

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2004.12.25

『WXⅢ 機動警察パトレイバー』

監督、遠藤卓司。原作、ヘッドギア。脚本、とり・みき。原案、ゆうきまさみ「機動警察パトレイバー」(小学館・少年サンデーコミックス所載「廃棄物13号」より)。2002年日本。SFアニメ映画。機動警察パトレイバー劇場版シリーズ第3弾。押井守監督の『機動警察パトレイバー』(1989)『機動警察パトレイバー2 the Movie』(1993)に続編があることを知りませんでした。驚愕の事態が発生しているのに静かに淡々と物語が進行します。監督はこのトーンが好みなのかもしれませんが、観ている側としては予定調和的に映ってしまいハラハラドキドキ感は生まれません。それなりに結末を予想できてしまいました。演出を違えていればバイオテクノロジーと母性愛というテーマをうまく活かせたのではと感じます。登場する怪物はどうしてもエバァを連想してしまいますし、特車二課が脇役のため少々期待を外されました。このシリーズは1作目が一番面白く楽しめました。(お薦め度★★)

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2004.12.24

「すいすいおえかき-はしるトーマスセット」

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すいすいおえかき-はしるトーマスセット」(パイロットインキ株式会社)は驚きの優れものです。長女が選んでくれた長男へのクリスマスプレゼントです。購入する際に外箱に「自分でかいた線路をトーマスが走る!」と書いてあり、固定の線路が必要だとする今までのおもちゃの常識では理解しにくいため少しの疑問と不安をいだきました。
準備としては、おえかきシート(90×120㎝)を広げ、専用ペンに水を入れ、トーマスに電池を入れて完了です。専用ペンでシートに線(線路)を引くと水がついた部分が写真のように緑色に変わります。この水で描かれた線の上にトーマスの電源をONにして置きます。すると車体下にある水センサーで感知して線に沿ってトーマスが走り始めます。線を見失うと見失ったところで立ち止まって回転して水の線に戻ります。シート内に楕円の線路を作りました。なかなか精度が高く、テーマソングを鳴らしながら結構思い通りにトーマスが動いてくれます。水の線路なのでだんだんと乾いてきますので、書き直したり新しい線路を設けたりと変化に富んでいます。対象年齢3歳以上の玩具とは思えません。息子と一緒に楽しめました。
このおもちゃが評価できる点は次の通りです。
1)部品点数が少ないのでかたずけが簡単。
2)遊ぶスペースを取らない。
3)水で絵がかけるので汚れない。
ハイテクを利用した玩具として文句無しでしょう。これをつくったパイロットインキに脱帽です。

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2004.12.23

『ソラリス』

監督・脚本、スティーヴン=ソダーバーグ。2003年米。原題『Solaris』。SF映画。出演、ジョージ=クルーニー、ナターシャ=マケルホーン、ジェレミー=デイヴィス、ヴィオラ=デイヴィス、ウルリッヒ=トゥクール。
アンドレイ=タルコフスキー監督の『惑星ソラリス』(1972・ソ連)は私の人生に大きな影響を与えた哲学な映画です。1本だけ選べといわれたらこの映画になるでしょう。それほど重要な映画です。そのリメイク版ということでハリウッドの手にかかるとどのようなものになるのか興味深々でした。ポーランドの生んだ巨匠スタニスワフ=レムの名作SF『ソラリスの陽のもとに』を新たに脚色した意欲作とのことで、『惑星ソラリス』とは解釈が違っています。『惑星ソラリス』では主人公ケルヴィン博士の1人称で描かれました。『ソラリス』ではケルヴィン博士と「客」である彼の妻の2人称になっています。そのためかサスペンスホラー的な展開でラストは難解なストーリーとして描かれました。宇宙ステーション内のデザインや全体的なトーンは嫌いではありませんが、これではヒットは難しいでしょう。ハリウッド映画としては落第だったのではないでしょうか。『惑星ソラリス』と比較するするほどの価値を感じませんでした。(お薦め度★★)

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2004.12.22

『さようなら-惜別の譜』

さようなら
本多勝一著

出版社 影書房
発売日 2004.07
価格  ¥ 2,520(¥ 2,400)
ISBN  487714319X

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本多勝一氏が亡くなった友人や親族をしのんだ追悼文集です。1958年から始まり40余人について語られています。現代の巨人である氏を支えてこらた同志の方々の死は本当に無念でなりません。老いてもなお前向きな姿勢があらためて示されたあとがきを読んで涙しました。

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2004.12.21

『酔画仙』

監督、イム=グォンテク。2002年韓国。原題『CHIHAWSEON』。ヒューマンドラマ映画。出演、チェ=ミンシク、アン=ソンギ、ソン=イェジン。カンヌ国際映画祭監督賞。
19世紀の朝鮮時代末期。下級の身分ながら絵の才能によって宮廷画家まで昇りつめた朝鮮3大画家に数えられるチャン=スンオプの生涯が描かれています。
ソン=イェジンが出演していることで以前から注目していました。その後『オールド・ボーイ』のチェ=ミンシクが主演していることがわかり、演技派揃いの映画に期待が膨らみました。期待が高かったせいもあるかもしれませんが、感想としては面白くありませんでした。酒好きの破天荒な天才画伯スンオプ本人の描写がほとんどで、彼を取り巻く人物が説明不足だったことと特に後半目立ったのが話が急に飛ぶため、なぜ主人公がそのような行動を取るのか読めないシーンが多く感情移入が出来ませんでした。2時間で描くには無理がある題材なのでしょう。ソン=イェジンは通訳官の娘と妓生(きーせん)の二役にもかかわらず、登場場面があまりに少なくてがっかりしました。チェ=ミンシクの好演も作品の演出不足で打ち消された印象です。映像美は認識できるものの、カンヌで監督が評価されたのは理解できません。[岩波ホール](お薦め度★★)

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金澤ゆかりさんのクリアファイル

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映画『ボン・ボヤージュ』のグッズ。金澤ゆかりさん直筆サイン入りクリアファイルです。ありがとうございます。

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2004.12.20

携帯電話機種交換

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au SANYO A5503SA(写真右、133万画素で撮影)からau SANYO W22SA(写真左、同31万画素)へ機種変更しました。SANYO製品はcdmaOne A3015Aから3機種目になります。前2機種ともに折り畳みの蝶番部分に不具合が発生しています。どうも耐久性が無いようです。
今回の機種変更による主な変更点は次の通り。
・定額料金(CDMA1X WIN)対応。
・着うたフル対応。

気づいた点ですが、本体からアンテナが無くなっています。付属品にストラップが無くなりました。操作性においては、メールを連続して読むボタンが無くなりました。これはメール使用頻度が高い私にとって大きなデグレードです(裏技があれば知りたい)。A5503SAには連続表示するボタンがあったので非常に重宝してました。ボタンの数はそれほど変わっていないのに割当てをしなかったのは設計者の怠慢です。また、通話したときの音声が低く設定されています。音量を上げる操作をしましたが、レベルは最大の1つ手前で奇妙に感じます。使い始めたばかりですが、基本設計が後退した印象です。


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2004.12.19

『トレジャー・プラネット<日本語吹替版>』

監督、ジョン=マスカー、ロン=クレメンツ。原作、 ロバート=ルイス=スティーブンソン『宝島』。2002年米。原題『Treasure Planet』 。ファンタジー映画。声の出演、 加藤晴彦、小林聡美、、若山弦藏、稲葉実、山寺宏一。宇宙を舞台に「宝の惑星」へ向かう壮大なファンタジー・アドベンチャー物語です。これほどダイナミックに宇宙景色をアニメで描くとは恐れ入りました。宇宙地図などSFのアイデア抜群です。ディズニー映画は子供向けに作品提供していますが、大人が観ても惚れ惚れする映像美です。日本アニメが世界的に評価されていますが、世界市場に常に通用するディズニー映画の質の高さには脱帽です。全くの手抜きが無い完璧に近い仕上がりでした。(お薦め度★★★★)

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2004.12.18

『物語消滅論-キャラクター化する「私」、イデオロギー化する「物語」』

物語消滅論(角川oneテーマ21 C-83)
大塚英志〔著〕

出版社 角川書店
発売日 2004.10
価格  ¥ 780(¥ 743)
ISBN  4047041793

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『物語消費論』の続編にあたります。1990年代からの世の中の事態を概略的に捉えるという意欲的な評論です。物語を扱うだけあって映画や小説についての造詣が深く、多くの事例が登場します。この著者の論文を読むのは初めてでした。現代評論について慣れていないこともあり、全体的に難解さを感じましたが著者が主張しているテーマについては一理あると感じました。特に”物語”を工学的に作成できるだろうという考えは理解できます。すでにハリウッド映画界において創作支援ソフト「Dramatica」が実用化レベルにあるとの報告には、ハリウッド映画の持つセオリー通りの物語はすでに何となく意識して観ている事実があります。物語を工学的に考えることが弱い日本映画はストーリーテリング(Storytelling)が脆弱である問題点があり、ハリウッド映画のようにストーリー創作の分業体制に無いことの裏付けになります。この点は韓国映画と比較しても弱いことが明らかです。
それにしても著者の邦画批判は凄まじく、シナリオライティング(scenario writing)については、『ファイナルファンタジー』の坂口博信や『イノセンス』の押井守、宮崎駿アニメにいたるまで一刀両断しています。ここまで言い切る批評は他ではなかなかお目にかかれません。

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2004.12.17

『レディ・ウェポン』

監督、チン=シウトン。2002年香港。原題『赤裸特工』。アクション映画。出演、マギー=Q、アンヤ、アルメン=ウォン、ダニエル=ウー、アンドリュー=リン。いきなり秒殺されました。駄作です。『少林サッカー』『HERO』『LOVERS』のアクション監督を務めた香港武術指導の第一人者チン=シウトンの監督作品であったため飛び付きました。女性版『シルミド』といえるシーンや『あずみ』に通じる展開など題材的に首をかしげるストーリーで、信じられないほど脚本が薄っぺらで奇妙な解釈があり、全くがっかりさせられました。最初の導入シーンでこの映画は観る価値がないものだとわかりました。1800円の映画代を支払った手前後には引けないないので我慢しましたが、観ていた人で何人かは本当に席を立っていました。このような経験は初めてです。それでもキャスティングとアクションに関しては話題性はありました。高島礼子似のハワイ出身・マギー=Qと松嶋奈々子ちょっと似の台湾出身・アンヤの主演2人はとびきりの美女でスタイルが良く、ど迫力の格闘シーンでのアクションが様になっていました。流石に格闘シーンは監督の面目躍如といったところです。しかし、その他に見所が全く無い映画です。[新宿ジョイシネマ](お薦め度★)

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2004.12.16

韓国ドラマ『秋の童話』全18話の感想

監督、ユン=ソクホ。2000年韓国。韓国KBSテレビドラマ。出演、ソン=スンホン、ソン=ヘギョ、ウォンビン、ハン=ナナ、ムン=グニョン(少女時代)。
最初の感想から評価は変わらなかったです。残念ながら退屈な作品でした。物語の中身が乏しいのに話を引っ張り過ぎていて本来9話くらいで完結しなければならないドラマだと思います。あまりに間延びしているため、部分的に感動する場面があるものの単発に終始して連続性が無く、畳み込むような感情の高まりになりませんでした。最後の17、18話ではダイジェストのように全編を通じた回想シーンが流れ、いい加減うんざりです。キャスティングや映像のトーン、物語の舞台や設定など嫌いではなのですが、音楽の使い方が稚拙で、過剰に流れる「禁じられた遊び」、シーンと連動できずに挿入曲が尻切れトンボで終わるなど逆効果なところが多々ありました。だだし、役者の演技は納得できました。特に少女時代のヒロイン役ムン=グニョンは際立っていました。

これで四季シリーズの3作品を観たことになります。順位をつけると次のようになります。
1位『夏の香り』、................2位『秋の童話』、3位『冬のソナタ』。
1位と2位は差が大きく、同じ監督の作品としてはレベルが格段に違います。さて、シリーズ完結となる『春のワルツ』はどこに入るでしょうか。(お薦め度★★)

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2004.12.14

韓国映画は池袋で逢いましょう

住まいの関係で、映画館は主に銀座か新宿を利用してきました。昨年『MUSA-武士-』に出会ったことで韓国映画の面白さに目覚め、映画館で積極的に観るようになりました。最近の傾向として映画館で観る国別順位は①韓国②米国③日本です。邦画は観て失敗したと感じる作品が多くどうしてもロードショウを避けてしまいます。
韓国映画を観ることが多くなった結果、池袋まで足を延ばして観た作品が『永遠の片想い』と『オー!マイDJ』の2本になりました。「日経エンタテインメント1月号」によると公開本数は03年14本から04年27本に増えて一見ブームにみえるものの観客のすそ野は広がっておらず、韓国映画ナンバーワンの『ブラザーフッド』でさえ興行収入は11億円で年間総合興収ランキングTOP30にも入らない成績とのことです。実感としてどの作品も映画館での混雑は無くガラガラ状態に近いと言えます。そんなお寒い状況に対して短期間の上映とはいえ国内で頑張ってくれている地域が池袋になります。良質な作品を上映しようとする心意気に感謝したいと思います。

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池袋の9つの映画館が集まって結成された「池袋シネマ振興会」がフリーペーパー「buku」を発行しています。写真は4号で12/5から配布されました。B6変形版32頁、年4回発行です。先日もらってきました。かわいらしくコンパクトなつくりで、映画情報はもちろんのこと、プレゼントやレストランでの特典が沢山入っていてお得感があります。主な特典としては次の通りです。
「毎月29日はイケブクロの“ブク”をもじり「bukuの日」とします。池袋のすべての映画館で、フリーペーパー「buku」をお持ちの方のみ映画を1000円均一でご覧いただけます。」
この4号は12~2月まで利用できます。私はまだ利用したことはありませんが、この新しい取り組みが成功して地域振興の一環として根付いてくれればと感じます。

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2004.12.13

『僕の彼女を紹介します』

監督、クァク=ジェヨン。2004年韓国。原題『WINDSTRUCK』。純愛映画。出演、チョン=ジヒョン、チャン=ヒョク。すでに『猟奇的な彼女』『ラブストーリー』と期待以上のクァク作品を観ているので、安心して観始めたのですが、どうも落ち着きません。いままでの2作品とは明らかに作風が違います。上滑りするシーンが連発し、チョン=ジヒョンのプロモーションビデオをこれでもかこれでもかと見せられている感覚で、だんだんと不信感が募りました。しかし、これも最後まで観ると監督のテクニックなのだということが全体を通してわかってきます。”騙し絵”的と表現すればいいのでしょうか、しかも非常に心地良いものです。この映画はあえてリスクの高いトリッキーな手法を用いたのだと納得させられました。考える映画では無く、”感じる”映画です。またしても期待以上の作品を提供してくれました。クァク=ジェヨン監督は素晴らしい才能です。[品川プリンスシネマ](お薦め度★★★)

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2004.12.12

第25回TOYOTAカップ  FCポルト(ポルトガル)対オンセ・カルダス(コロンビア)

日本、横浜国際総合競技場。
主審:ホルヘ=ラリオンダ(ウルグアイ)。

FCポルト:ビクトル=フェルナンデス監督。
オンセ・カルダス:ルイス=フェルナンド=モントジャ監督。

0-0、PK戦8-7。FCポルト勝利。通算欧州13勝、南米12勝。

前半はFCポルトが決定的なチャンスを逃して得点出来ない。試合内容は両者ともに相手を見て動きが悪い。後半からオンセ・カルダスはカンビンドをカタニョに交代。61分にアランゴをディアスに交代。69分にFCポルトはデルレイをカルロス=アルベルトに交代。79分にルイス=ファビアーノをクアレスマに交代。後半はFCポルトが押して何度もチャンスをつくるがゴールポストに嫌われる。

延長前半97分にオンセ・カルダスは3枠目ソトをアルカサルに交代。100分を過ぎたところでFCポルトGKビトル=バイアが接触が無いにもかかわらず倒れる。控えのヌノに前代未聞の交代。延長でもFCポルトが攻勢を続けるがGKエナオの堅守に阻まれる。

PK戦に突入。オンセ・カルダス先行でFCポルト1人目ジエゴがゴールを決めてGKエナオを罵ってレッドカードで退場。これも前代未聞。4人目マニシェがクロスバーで外すが、オンセ・カルダス5人目ファブロがふかした。6、7、8人目ともにゴールしてオンセ・カルダス9人目のガルシアが外し、ペドロ・エマヌエルが決めてFCポルトが勝利した。

≪感想≫
欧州と南米のクラブ世界一を決めるTOYOTAカップは日本の地で一発勝負のため、両チームともに牽制して面白い試合にならないことが多かった。第25回大会も同様につまらない試合が展開した。見納めとなる試合であったが、FCポルトとオンセ・カルダスともに馴染みが無いため、応援のしようが無かった。
10年前の第15回大会(1994/12/1)のベレス・サルスフィエルド対ACミラン(2-0)は国立競技場に観戦しに行った。記念に購入したプログラムは今でも保存している。結局このときの観戦が最初で最後になった。

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『キリクと魔女<日本語吹替版>』

原作・脚本・監督、ミッシェル=オスロ。1998年フランス。日本語版翻訳・演出、高畑勲。原題『KIRIKOU et la sorciere』。ファンタジー・アニメ映画。声の出演、浅野温子(魔女カラバ)、神木隆之介(キリク)。フランス・アヌシー国際アニメーション映画祭グランプリ、シカゴ国際児童映画祭/長編劇場・ビデオアニメーション部門成人審査員賞・児童審査員賞、モントリオール国際児童映画祭/長編部門審査員特別賞など。スタジオジブリ第1回洋画アニメーション提供作品。

アフリカを舞台にしたアニメーションは全く馴染みが無く、絵が独特で観るのをためらっていました。しかし、観始めたらすぐに物語の中に引き込まれました。なんといってもキリクがかわいい。その賢さと勇気は観る者を感動させずにはおれません。全編に溢れる赦(ゆる)しという普遍的なテーマを描いた独創性の高い素晴らしい作品です。
高畑氏が公式ページで次のコメントを述べています。
「大好きな『トイストーリー2』よりも、見事な『千と千尋の神隠し』よりも、ぼくは感動しました。」
(お薦め度★★★★★)

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2004.12.11

平井堅『SENTIMENTALovers』

4年ぶりに平井堅のアルバムを購入しました。前回は「楽園」が入っていた『THE CHANGING SAME』(2000/10/1)で、今回は6枚目のアルバム『SENTIMENTALovers』(2004/11/24)です。お目当てはもちろん大ヒットした映画『世界の中心で、愛をさけぶ』の主題歌「瞳を閉じて」です。「日経エンタテインメント1月号」に掲載された平井堅のインタービュー記事を読んで発売されていることを知り、出先にあったHMVで購入し、昼食をとるために入ったレストランで注文したランチを待つ間、携行しているCDプレーヤーで聞きました。「瞳を閉じて」は映画予告でさびのパートは何度も聞いていましたが、初めて最初から最後まで聞きました。やっぱりきますね。”うるっ”と。映画はまだ観ていないのですが、この曲だけで愛しい人を失った喪失感がヒシヒシと伝わってきます。きっと映画主題歌でなかったとしてもヒットする楽曲だったのでしょう。
フジ系TVドラマ『ワンダフルライフ』主題歌「キミはともだち」、トヨタカローラフィールダーCM曲「思いがかさなるその前に・・・」など、全12曲のうち4曲がヒットシングル曲です。

自宅に帰って、パソコンで聞けるようにアップルのiTunesを導入しました。基本操作は戸惑うことなく、インターネット接続で曲名などの項目が自動で入力されるのは本当に有り難い機能です。RealOne Playerと比べて優れています。無事HDDに収録できました。わかりやすい操作性はマックに通じるもので期待通りです。画面デザインもいいですね。なお、現在はCDプレーヤー派のため当面はiPodを購入する予定はありません。

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2004.12.08

bk1の逆襲

12/4(土)深夜24時前に3冊の書籍を注文するため、オンライン書店ビーケーワン(bk1)を利用しました。最近はDVD・CD・書籍の購入をAmazonで行っており、bk1は本当に久しぶりです。通常週末注文の場合、Amazonであれば2、3日後の月、火曜日に届くタイミングです。今回のbk1への注文は驚いたことに、翌日12/5(日)22時にクロネコヤマトの宅急便で届けてくれました。3冊ともに24h配送のアイコンが表示されていましたが、なんと約22時間で到着しました。驚異的なスピードです。物流システムを改善してAmazonに対抗したものと思われます。書籍販売の専門店として配送のスピードを最重視した決断はユーザーから支持されることでしょう。また、郵便受けに投げ込むだけで到着がわからない郵便物と同じ扱いのAmazonの配達とは違い、宅配便で配達してくれるbk1のサービス方針も気に入りました。今後書籍の注文はbk1にします。

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2004.12.07

『チャーリーズ・エンジェル フルスロットル』

監督、マックジー。2003年米。原題『Charlie's Angels:Full Throttle』。出演、キャメロン=ディアス、ドリュー=バリモア、ルーシー=リュー、デミ=ムーア、ロバート=パトリック、ブルース=ウィリス。お色気満々のサービスショット満載です。人気TVシリーズ『フレンズ』(?)など様々なパロディのオンパレードで懐かしのヒット曲が数多く登場しました。MTVのプロモーションビデオをつなぎ合わせたようなつくりで場面展開が矢継ぎ早ということもあって、ストーリーはほとんど理解できません。同じシーンでの共演はありませんでしたが、ハリウッドスターの元夫婦が登場していて趣味が悪いとしか言いようがありません。(お薦め度★★)

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2004.12.05

『ブラックジャックによろしく10』

ブラックジャックによろしく 10 精神科編(モーニングKC)
佐藤秀峰著

出版社 講談社
発売日 2004.10.22
価格  ¥ 560(¥ 533)
ISBN  4063289893

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9巻から精神科編に入りました。著者の意気込みは買いますが、消化不良になっています。新聞記者の取材目的の体験入院を扱っていたり、池田小事件を取り上げたりしていますが、最新の医療現場を理解して構成しているとは言いがたいと感じます。世間一般の通俗的な意識をまとめた内容で、これまでの骨太の構成だった物語が薄っぺらく感じます。

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2004.12.04

『北京ヴァイオリン』

監督、チェン=カイコー。2002年中国。ヒューマンドラマ映画。出演、タン=ユン、 リウ=ペイチー、チェン=ホン、ワン=チーウェン、チェン=カイコー。 2002年サン・セバスチャン国際映画祭 最優秀監督賞(チェン=カイコー)、最優秀主演男優賞受賞(リウ=ペイチー)。ヴァイオリンでの成功を目指す父と子の絆と、大都市・北京で生きる市井の人々との交流を描いた感動のドラマです。少し物語をつくり過ぎている印象があります。主人公役のタン=ユンが、13歳という大人への入り口にあって揺れ動く微妙な年頃を好演しています。同じ中国映画『あの子を探して』でも感じたのですが、中国の都会は人情味が極めて薄いと感じます。本当に中国の都会で暮らす人々は他者に対して冷たいのでしょうか。なお、監督自身とその妻であるチェン=ホンの共演も大きな話題になったようです。チェン=カイコーは演技もなかなかのものでした。(お薦め度★★★)

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『中学生からの作文技術』

中学生からの作文技術(朝日選書 762)
本多勝一著

出版社 朝日新聞社
発売日 2004.10
価格  ¥ 1,260(¥ 1,200)
ISBN  402259862X

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ロングセラー『日本語の作文技術』『実戦・日本語の作文技術』から、「読む側にとってわかりやすい文章を書くこと」のための骨格を中学生向けに再編して出版されました。言葉の順序、句読点の打ち方、漢字や助詞の使い方などの最低限について習得すれば、必ず「わかりやすい文章」が書けます。
なお、「小学生のための作文技術」についても続編として著者は考えられているとのことです。

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