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2005.03.30

映画『バンジージャンプする』

監督、キム=デスン。2001年韓国。英題『bungee jumping of their own』。ラブストーリー映画。出演、イ=ビョンホン、イ=ウンジュ、ヨ=ヒョンス、イ=ボムス。

「結構いいかも」な映画でした。それにしてもこんな手があったのかと考えさせられるオリジナリティあるラブストーリーです。この監督のデビュー作品ですが、編集が非常に優れていています。クライマックスでの展開がツボを心得ており、エンドロールまで涙が溢れました。イ=ビョンホンが良い演技をしてますね。彼が各場面ごとに見せる表情は多彩で説得力があり、流石「四天王」と呼ばれるだけのことはあります。彼の好演がこの映画を成功させたといえます。
今回は特にイ=ウンジュ追悼ということで鑑賞しました。私が観た過去3作品『永遠の片想い』『オー!マイDJ』『ブラザーフッド』よりも前に制作されたものですが、大学生でありながら妙に落ち着いた印象でどの作品よりも年上の印象を受けました。残念ながらあまり魅力的に映りません。唯一キャンプしている砂浜で彼女から主人公に告白するシーンが本来のイ=ウンジュらしさが出ていたと思います。この監督は女優を引き出すのが苦手なのかもしれません。なお、彼女と『オー!マイDJ』で共演したイ=ボムスが学生時代の主人公の友人役で登場しました。本当にうまい役者さんですね。存在感は抜群で彼が登場するシーンでは必ず笑いが起きました。この作品の中ではイ=ウンジュと同じシーンに登場しなかったようです。
映画としてこれだけのクオリティがありながら、都内でも上映館が数箇所と少なく寂しい限りです。昨年と同様に韓国映画では集客できない状況が続いているようです。[銀座テアトルシネマ](お薦め度★★★)

≪劇場にて≫
全席満員でした。9割以上が女性でほとんどが"懐に余裕がありそうな50代以上のおば様方"でした。イ=ビョンホンのファンが大多数なのでしょうね。銀座地区においてはいまだ韓流ブームは健在といったところでしょうか。人気男優の映画であればそれなりに集客できるのだと思います。しかし、人気者が出演していない作品は先日の『清風明月』のように単館でしか上映されないお寒い状況で、昨年以上に韓国映画の劇場鑑賞というと大変でオタクっぽくなっています。

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2005.03.27

『クジラの島の少女』

監督、ニキ=カーロ。2002年ニュージーランド。原題『WHALE RIDER』。ヒューマンドラマ映画。出演、ケイシャ=キャッスル=ヒューズ、ラウィリ=パラテーン。

【おおすじ】
クジラに導かれてやってきたという伝説を持つニュージーランドのマオリ族。海辺の小さな村を舞台に、部族の古いしきたりを打ち破ろうとする少女の奮闘を追った秀作ドラマ。(WOWOW MAGAZINE2004年12月号より引用)

海辺の風景の美しい映像がとても印象に残る作品でした。人物像の描き方、物語展開、テンポ、どれをとっても秀でたものがあり心地良く鑑賞できました。しかしながら期待通りのクライマックスにもかかわらず、ストレスを感じさせない演出と編集が仇となり今一歩心に響いてこない映画となってしまいました。(お薦め度★★)

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『ぼくの好きな先生』

監督、ニコラ=フィリベール。2002年フランス。原題『ETRE ET AVOIR』。ドキュメンタリー映画。ジョルジュ=ロペス、レティシア=ギョーム。

【おおすじ】
フランスのとある村にある1クラスだけの小さな小学校を舞台に、退職を間近に控えた先生と13人の教え子達との豊かな交流をじっくりと見つめた珠玉のデキュメンタリー。(WOWOW MAGAZINE2004年12月号より引用)

ナレーションや字幕などの説明が全くありません。淡々と先生と生徒たちの交流がカメラを意識することなく自然に描かれています。何かを感じるとか考えさせられる内容は皆無でした。ドキュメンタリーにおいてもフランス映画は理解しがたいものがあります。(お薦め度★)

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2005.03.26

『インフルエンザの世紀』

インフルエンザの世紀(平凡社新書 260)
加地正郎著

出版社 平凡社
発売日 2005.02
価格  ¥ 798(¥ 760)
ISBN  4582852602

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今年インフルエンザに罹ったこともあってインフルエンザを知るために読みました。いわゆる一般にいわれるカゼは何らかのウィルスによって発症するもので、インフルエンザのみがインフルエンザウィルスを特定して治療ができるようになっているとのことです。現状ではインフルエンザにおいてはインフルエンザワクチンによる「予防」、迅速診断キットによる「診断」、ノラミニターゼ阻害薬(タミフル、リレンザ)による「治療」と三位一体の体制が出来ています。しかしながら、鳥インフルエンザの登場に見られるように未知の新型インフルエンザウィルスの脅威にさらされており、いつなんどき「インフルエンザ・パンデミック」と呼ばれる大流行が発生するも限らないと述べられています。また、コロナウィルスによって感染するSARSについてもこれに効くワクチンも薬もできていない状況でインフルエンザ流行と同時に再びSARSが発生した場合、発病時の症状がきわめて似ているためかなりの混乱を招く恐れがあるようです。もっとも有効な手立てはインフルエンザワクチンの接種であり、インフルエンザに罹らないことを実行する必要があると著者は訴えています。この本を読んだことを機に毎年インフルエンザワクチンの接種を行うことを決めました。

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2005.03.25

トニーローマ 赤坂店

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溜池山王駅9番出口すぐそばのバーベキューリブ専門店「トニーローマ 赤坂店」で同僚の送別会をしました。初めてのお店です。写真のブタのぬいぐるみはキャンペーンによりプレゼントされた"パーティー・ピギー"です。
今月末退社するKさんとチーム3人、そして同じ本部のOさんと既に退職されているNさんが駆けつけてくれて、6名の少人数ながらボリュームたっぷりの料理を囲んで楽しいひと時を過ごしました。

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2005.03.24

『清風明月』

監督、キム=イソク。2003年韓国。英題『Sword in the Moon』。時代劇アクション映画。出演、チョ=ジェヒョン、チェ=ミンス、キム=ボギョン。

思いっきりハズレました。何よりも美しいタイトルに惹かれたうえ韓国の時代劇とくれば『MUSA-武士-』を彷彿させます。公式サイトの雰囲気も十分に良く期待が大いに盛り上がりました。導入となる殺陣シーンの重量感とリアル感、スピード感が素晴らしく、接近して撮るカメラワークが抜群の迫力でとても満足なスタートを切りました。武将である主人公が守る高官を次々に刺客が襲って暗殺していくサスペンス仕立ての展開も緊張感がありました。殺戮シーンがリアル過ぎるのが難点ながら、映像美は抜群のものがあります。しかしここまでした。回想シーンで刺客と主人公の関係が明らかにされるのですが、なぜ2人が敵対していくのか説明不足のうえに、主人公の考えが理解できなくて困惑しました。また、中盤の忍者姿の刺客と戦うシーンが韓国アクション映画で御馴染みの劇画調のアクロバチックな軽いものに変わってしまい、折角の全編を貫く重厚な雰囲気を崩してしまいます。最後はまた前半のリアルな殺陣に戻るので、本当に勿体無いつくりになってしまいました。全体の印象としては『MUSA-武士-』と『アウトライブ』の中間といった作品で、主人公の理解できない行動に全くついていけない物語でした。ラストもなんでこうなるのと最後の最後まで突っ込みたくなりました。[シブヤ・シネマ・ソサエティ](お薦め度★)

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2005.03.23

『キャラクター小説の作り方』

キャラクター小説の作り方(講談社現代新書 1646)
大塚英志著

出版社 講談社
発売日 2003.02
価格  ¥ 798(¥ 760)
ISBN  4061496468

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タイトルから想像できない冴えわたる文学入門書であり、怒涛の文芸批評です。また、同時にタイトル通りのキャラクター小説(*)を書くことを目指した入門書で実際に役に立つ実用書でもあります。小説家としても活躍しており自らの作品を例にとって、手の内を晒しながらキャラクター小説を追求する姿勢には感心させられます。小説だけの枠にとどまらず、キャラクターに関係の深いゲームやまんがも参考にしており、多角的な切り口で解説されています。『教養としての<まんが・アニメ>』も随所で紹介されていました。著者の広範な知識と洞察力、そして本気度には驚かされます。

*:ライトノベルズ、ジュニア小説、ティーンズノベルズ、ジュヴナイル、ヤングアダルトなどと呼ばれ正確に定義されていない小説ジャンルで、「スニーカー小説」「電撃文庫」「コバルト文庫」などシリーズ化されたアニメコミックふうのカバーで刊行される文庫本の小説。

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2005.03.22

『マトリックス レボリューションズ』

監督、アンディ=ウォシャウスキー、ラリー=ウォシャウスキー。2003年米。原題『The Matrix Revolutions』。マトリックスシリーズ第3弾、SF映画。出演、キアヌ=リーブス、ローレンス=フィッシュバーン、キャリー=アン=モス、ヒューゴ=ウィービング。

えーっと、ほとんど理解できませんでした。『マトリックス リローデッド』と『マトリックス レボリューションズ』を2つに分ける必要があったのでしょうか。延々と戦いを繰り返しているだけに感じられて1本の映画にしてもらったほうが内容が濃くなったと思います。(お薦め度★)

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2005.03.21

『かまち』

監督、望月六郎。2004年日本。青春映画。出演、谷内信也、姫野史子、壇ふみ、大沢あかね、古屋敬多。

17歳の若さで亡くなった山田かまちの半生を描く映画だと思ったら、後半は現代が直面する自殺サイトやドラッグ売買、引きこもりなどで苦悩する若者たちを対比させています。これによって全てが消化不良な物語になってしまいました。山田かまちの創作活動や残した絵など作品を掘り下げて丁寧に描けば面白いものになっていたはずで残念です。前半に彼が行動している場面で彼の言葉を映像の中にふきだしのように挿入して若いときに感じる不安げな心理描写をストレートに表現しする手法でその後の展開を期待させました。しかし、かまちの話はそこで切れてしまい、突然登場人物の時間経過を無視して同じシーンに同一人物の子役と大人役を同時に映して現代とシンクロさせてしまいます。かまちの話と現代の若者たちの話を対比させる演出なのですが、過去と現代の映像上の差がなく観ていて過去なのか現代なのか非常にわかりにくくなってしまいます。特にがっかりさせられたのはかまち少年が恋した美少女の成長した役が壇ふみとは恐れ入りました。監督のセンスを疑います。(お薦め度★)

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2005.03.20

F1第2戦マレーシアGP

マレーシア セパン・インターナショナル・サーキット。

2005年シーズンのエンジンとタイヤのレギュレーション変更点
・エンジン1基を2レースに使用。
・タイヤは予選・決勝で1セット。ただし、劣化した場合のみ1回の交換ができる。

高温・多湿なマレーシアGPでは各選手ともにコンディションを整えるために早めの現地入りを行ったが、佐藤琢磨選手はウィルス性の風邪によってドクターストップがかかり欠場。替わって第3ドライバーのアンソニー=デビッドソン(イギリス)が代役を務めた。

決勝はフロントローに並んだポールポジションのフェルナンド=アロンソ(ルノー)、ヤルノ=トゥルーリ(トヨタ)がそのまま逃げ切った。3位はニック=ハイドフェルト(ウィリアムズBMW)。
ルノー2連勝。トヨタは2002年参戦して初の表彰台を獲得。ラルフ=シューマッハも5位入賞。それに対してホンダはバトンとデビッドソンともに数周でリタイヤ。エンジン耐久性に問題がある。フェラーリはバリチェロが終盤にリタイヤし、ミハエル=シューマッハは7位と低迷。ブリジストンタイヤがミシュランに劣っている印象で昨年の速さは無い。

過酷なレースで表彰台では3人ともに疲れきっており笑顔を見せず、シャンパンファイトもほとんど行われなかった。

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『リーグ・オブ・レジェンド/時空を超えた戦い』

監督、スティーブン=ノリントン。2003年米。原題『THE LEAGUE OF EXTRAORDINARY GENTLEMEN』。アドベンチャー映画。出演、ショーン=コネリー、シェーン=ウエスト。

破綻しているとしか思えません。どうしてこんな脚本に巨費を投じて映画を作ってしまうのでしょうか。人間とモンスター7人がチームを組んで世界征服を狙う悪党と戦うという出鱈目な物語です。テンポも悪く、辻褄合わせだらけでお粗末でしかありません。
映画を観終わって映画のHPで判明しました。『ソロモン王の洞窟』のアラン=クォーターメイン、『海底二万里』のネモ船長、『吸血鬼ドラキュラ』のヒロイン・ミナ=ハーカー、『透明人間』のロドニー=スキナー、『トム・ソーヤーの冒険』のトム=ソーヤー、『ドリアン・グレイの肖像』のドリアン=グレイ、『ジキル博士とハイド氏』のジキルの7人が登場人物でした。要するにこれら名作の主人公を知らないと理解すらできない映画なのです。原作は1冊も読んだことがありません。敷居が高過ぎますね。(お薦め度★)

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2005.03.19

K-1 WORLD GP 2005 in SEOUL

会場:ソウル オリンピック第一体育館

体格の差が著しい次の2試合が楽しめた。両試合ともに判定となった。

ASIA GP1回戦
○曙(日本、203cm、220kg)対 ×角田信朗(日本、174cm、91kg)

43歳の角田は動きが良くパンチ力があることを示した。29cmの身長差を埋めるために接近しての山なりの右フックを曙の顔面に何度も打ち込んだ。しかし、コーナーに追い詰められて上から打ち下ろす連打で角田は1、2ラウンドともダウンを奪われた。最終的には29kgの体重差の圧力によって角田選手が押し切られてしまった。曙がようやく連敗を6で止めた。

ASIA GP決勝
×ガオグライ=ゲーンノラシン(タイ、180cm、85kg)対 ○チェ=ホンマン(韓国、218cm、160kg)

身長差38cm、体重差75kgという大人と子供くらいの大きな差があっては試合として全く噛み合わないだろうと予想した。しかし、ムエタイ出身のガオグライが素晴らしい身体能力を発揮して接近戦を許さず右ストレート、ハイキックをホンマンの顔面に叩き込んで善戦し一進一退の攻防の末に3ラウンドの結果はドロー。延長ラウンドでホンマンがガオグライを捕まえて膝ゲリを数回入れて優位とし判定3-0で勝った。チェ=ホンマン選手はK-1初参戦で優勝。それにしてもガオグライの戦闘能力と勇気に脱帽した。凄い格闘家が世の中にはいるものだ。

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2005.03.18

『教養としての<まんが・アニメ>』

教養としての〈まんが・アニメ〉(講談社現代新書 1553)
大塚英志著+ササキバラ・ゴウ著

出版社 講談社
発売日 2001.05
価格  ¥ 756(¥ 720)
ISBN  4061495534

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この一冊で戦後のまんがとアニメの系譜が読み取れます。まんがとアニメに興味のある方に必読の書です。

目次
第一部・まんが論 大塚英志
1)手塚治虫
2)梶原一騎
3)萩尾望都
4)吾妻ひでお
5)岡崎京子

第二部・アニメ論 ササキバラ・ゴウ
6)宮崎駿と高畑勲
7)出崎統
8)富野由悠季
9)ガイナックス
補講)石ノ森章太郎

特に大塚英志氏の"手塚治虫"論は冴え渡っており、非常に感心させられました。彼の分析力と洞察の深さは素晴らしいの一言です。今まで手塚治虫論の中でもピカ一ではないでしょうか。また、"吾妻ひでお"がおたくにおけるロリコンまんがの先鞭をつけていた作家であり、その先見性たるや非凡であったことを証明してくれています。
まんがの考察の範囲に留まらず日本人の国民性についてまで言及されており、その鋭さに驚かされます。彼の著書は『物語消滅論-キャラクター化する「私」、イデオロギー化する「物語」』に続き2冊目です。更に他の作品も読んでみようと思います。

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2005.03.17

『みなさん、さようなら』

監督、ドゥニ=アルカン。2003年カナダ・フランス。原題『Les Invasions barbares』。ヒューマンドラマ映画。出演、レミ=ジラール(父)、ドロテ=ベリマン(母)、ステファン=ルソー(息子)、マリナ=ハンズ(婚約者)、イザベル=ブレ(妹)、マリー=ジョゼ=クローズ(友人の娘)。第76回(2003)アカデミー賞外国語映画賞(『たそがれ清兵衛』もノミネートしていた)。2003年カンヌ国際映画祭・脚本賞、女優賞(マリー=ジョゼ=クローズ)。その他世界各国で数々の賞を受賞。

この映画の良さがわかりません。フランス系カナダ人である好色で偏屈な老大学教授が末期ガンでありながら"楽しく苦痛なく"友人と家族に見守られながら亡くなるまでを描写した作品です。 この"楽しく苦痛なく"死を迎えるためにロンドンから呼び戻された証券ディーラーである息子が八面六臂の活躍をします。魔法使いか神様のごとく病院と病院の組合、警察、麻薬売人などと関わり難題を瞬時に解決し父親に快適な環境を用意します。この一連の流れについていくことができません。超ご都合主義で成り立たせるヒューマンドラマはいくら映画の世界といえども理解停止状態です。また、父親の友人5人が死ぬまでの数日間(?)付添うのですが、親戚でもない彼らが何ゆえそこまで主人公を慕うのか、そして社会人なのに何でそんなに暇で生活観が欠落しているのか日本人の感覚からは想像を絶しています。突っ込み所が多すぎるて共感しようもないのに世界中で評価された理由がつかめません。(お薦め度★)

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2005.03.16

『花嫁はギャングスター』

監督、チョ=ジンギュ。2001年韓国。原題『組暴の女房』。アクション・コメディ映画。出演、シン=ウンギョン、パク=サンミョン(夫)、シム=ヨンチョル(手下)、アン=ジェモ(手下)、イ=ウンギョン(姉)。 今までに観た韓国映画の中で一番駄作でした。アクションは見所が無くコメディは中途半端で、脚本の出来は悪く人物設定や物語の構成など全てにおいてありえないお寒い作り話で中身がありません。しかしながら、韓国では『猟奇的な彼女』を超えてヒットしたようで続編も作られています。人気が出たこと自体が理解できない作品でした。主演女優のシン=ウンギョンは、見た目通りの人一倍気の強い男勝りな役柄です。『SSU』のヒロインでも同様な役を演じていますので中性的なキャラクターがハマリ役なのでしょうが、この作品では全く魅力を感じませんでした。(お薦め度★)

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2005.03.15

『悪の対話術』

悪の対話術(講談社現代新書 1517)
福田和也著

出版社 講談社
発売日 2000.08
価格  ¥ 735(¥ 700)
ISBN  4061495178

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著者の福田和也氏は慶應大学教授です。初めて読みました。挑発的なタイトルもさることながら読者に対して説教している文体で楽しめました。他人と理解しあうことは不可能であることを前提に対話術に関する考え方が披露されており、最終的には対話を磨いてに自分にとってふさわしい相手を見つける必要があると述べられています。逆説的で屁理屈的な物言いをしてはいますが、対話を通じて運命を切り開く必要があると巧みな文章で誘ってくれます。なかなか面白い本でした。

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2005.03.14

『アポロ13』

監督、ロン=ハワード。1995年米。原題『Apollo 13』。ヒューマンドラマ映画。出演、トム=ハンクス、ビル=パクストン、ケヴィン=ベーコン、ゲイリー=シニーズ、エド=ハリス。第68回アカデミー賞、編集、録音の2部門を受賞。1970/4/11に打ち上げられたアポロ13号が船体トラブルによって危機に瀕し、クルーの生存が脅かされるものの奇跡的に無事帰還する実話を描いた作品。

実は観終えてホッとしています。何故か緊張感が続かない作品です。過去何度も途中で断念しました。今回も途中で寝てしまいました。この事故についてはリアルタイムに接しており、当時は世界的に注目され逐一ニュースを追いかけていましたので、興味はつきないはずなのにこの有様でした。事故原因や帰還方法が克明に再現されていますが、中途半端にドキュメンタリー的な場面を観せられることが退屈に感じられてしまいました。流石に山場となる大気圏突入からは涙無くしては観ていられないのですが、エンドロールが流れる前には感動が醒めていました。残念ながら映画の世界にうまく入ることができませんでした。(お薦め度★★)

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2005.03.13

『ゼブラーマン』

監督、三池崇史。脚本、宮藤官九郎。2004年日本。特撮ヒーロー映画。出演、哀川翔、鈴木京香、内村光良、市川由衣、近藤公園、安河内ナオキ、渡辺真起子、古田新太、麻生久美子、袴田吉彦、柄本明、岩松了、大杉漣、渡部篤郎。哀川翔、映画・ビデオでの主演100本目の記念作品。

こんなに面白いとは驚きました。宮藤官九郎の脚本は素晴らしいです。以前の『ピンポン』『木更津キャッツアイ 日本シリーズ』も良かったのですが、この作品はさらに評価できます。物語の構成力はピカ一で、細部までよく作り込まれています。エンターテインメントの醍醐味を堪能しました。ゼブラーマン(哀川翔)の「白黒つけたぜ!!」の決め台詞のかっこよさ、観た人にしかわかりません。(お薦め度★★★★)

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『タイムライン』

監督、リチャード=ドナー。2003年米国。原題『TIMELINE』。SFアドベンチャー映画。出演、ポール=ウォーカー、フランシス=オコナー。 期待外れでした。以前TVで予告CMを観ていて興味をもっていたのですが、無残とも言える作品でした。英仏百年戦争時代にタイムスリップするSF作品です。教授を助けるために息子を含む学生がタイムスリップするのですが、その理由が全くわかりません。ある意味勝手に過去に遡った教授を助ける必要があるのでしょうか。肉親として息子だけ救出に参加するなら理解もできますが、最初からウソっぽい話で最後までどうでもよくなりました。また、大抵のタイムトラベル物語では過去に干渉してはいけないという不文律があるにもかかわらず、このストーリーは勝手し放題でやられっぱなしの展開は呆れました。(お勧め度★★)

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2005.03.12

『バッファロー'66』

監督・主演、ヴィンセント=ギャロ。1998年米国。原題『Buffalo'66』。ラブ・ストーリー映画。出演、クリスティーナ=リッチ、アンジェリカ=ヒューストン(母)、ベン=ギャザラ(父)、ボブ=ウォール(スコット元選手)。 風変わりな映画でした。同じ作品の登場人物と思えないくらいに役者の演技がバラバラです。また、ストーリーも信じがたい内容で、拉致される女性(クリスティーナ=リッチ)が逃げることをしない理由がわかりません。人物像の描き方が薄っぺらく、主人公については子供時代のシーンが数多く紹介されるものの、成長した結果が同一人物とは思えません。ラストはコメディぽっくなって笑えましたが、とても不可解な物語でした。(お勧め度★★)

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2005.03.11

ノベライズ『イルマーレ』

イルマーレ
イルマーレ
posted with 簡単リンクくん at 2005. 4.17
ヨ ジナ / 山下 慧
竹書房 (2004.12)
通常2~3日以内に発送します。

あとがきに次の記載がされています。
「本作は、イ・ヒョンスン監督による映画『イルマーレ』(原題:時越愛)、およびヨ・ジナによる同名オリジナル・シナリオに基づき、これら原典を可能な限り忠実に文章化したノヴェライゼーションである。」

イルマーレ』は恋愛映画の中では今1番好きな作品です。2回観ていますが、時空を超える物語のためタイムパラドックスによる意味の通じにくいシーンなど疑問点が数多くあるためノベライズを読みました。お陰で疑問は解消しました。特にストーリーの中で省略されている主人公と父親の関係も理解できました。そして何よりも映画では多くの要素をカットされていることがわかりました。半分近く使われていない印象です。監督のこの思い切りの良さがこの映画を成功させたのだと感じました。もしもシナリオ通りに編集されていたとしたらあまりに偶然が度重なってしまう不自然で説明過多の凡庸な作品になっていたのではと予想できます。全てを描かなくても映像の組み合わせで観客の想像力を膨らませた監督の手法は評価できますし、恋愛に絞り込んだストーリーはわかりやすいものになっています。
ノベライズは読みやすく映画の各場面をすぐに連想させるように文章化されていました。ただし、少し気になったのは、このノベライズから登場人物を思い出したとき、主人公のソンヒョン役イ=ジョンジェはピッタリ当てはまります。しかし、ヒロインのウンジュ役チョン=ジヒョンから少し離れて、何故か彼女以外の女性をイメージしてしまいました。これは私だけの感覚なのかもしれませんが、イメージのずれを起こさないように先ず映画を観てからこのノベライズを読むことをお薦めします。

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2005.03.10

『セルラー』

監督、デヴィッド=R=エリス。2004年米。原題『CELLULAR』。サスペンス・スリラー映画。出演、キム=ベイシンガー、クリス=エバンス、ジェイソン=ステイサム、ウィリアム=H=メイシー、ノア=エメリッヒ。

当たりです。見応えのある第一級のサスペンス・スリラー映画でした。最初から最後まで息もつかせぬ緊迫感のあるシーンが畳み掛けてハラハラドキドキの連続です。観終わった後に爽快感が残りました。極めて優れた脚本です。電話でSOSするという難しい設定ながら、非の打ち所がない納得できる筋立てになっています。主人公のキム=ベーシンガーの恐怖におののく迫真の演技が素晴らしく、絶望的な状況の中で必死に家族を守ろうとする勇気に心が打たれます。ジェイソン=ステイサムの存在感と迫力に圧倒されました。[日比谷映画](お薦め度★★★★)

≪日比谷映画とみゆき座の閉館≫
1957/4/14に開館した日比谷映画とみゆき座がこの3月一杯で閉館するそうです。映画館に閉館記念名作上映会のポスターとチラシがありました。期間3/26~31、みゆき座で10本上映され開館当時の300円(映画1本1回)で入場できるとあります。
日比谷映画は思い出深い映画館です。以前は千代田劇場と呼ばれていました。1976年に初めて入り、角川映画『犬神家の一族』を観ました。今から約30年前になるのですね。今日はシャンテ・シネの『ネバーランド』にするかどうか迷ったのですが、行き付けの映画館を選びました。閉館することを知らなかったので『セルラー』にして良かったです。馴染み深い映画館の閉館前に良い作品を観て締めくくれたのは幸運でした。

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2005.03.09

岩波新書のハズレ

岩波新書を読んでハズレを経験したことはほとんど記憶にありません。自分にとって難しすぎて読むのを断念することがあっても読破すればそれなりに学ぶものがある新書のブランドとして絶対の信頼感があります。しかし、齋藤孝著『コミュニケーション力』を読んで例外があることに気付きました。明治大学文学部教授の齋藤孝氏はNHK教育テレビ「にほんごであそぼ」の企画・監修を手がけられている才人で、毎月複数の著書を量産している超売れっ子です。彼の著作物を読んだのは初めてです。多くの書籍を執筆しているため読みやすいのですが、内容が乏しくがっかりしました。コミュニケーションは解釈が広範に及ぶため利用シーンを特定して論じなければ焦点がボケてしまいます。にもかかわらずコミュニケーションの定義を明確にしないままにコミュニケーション力を紐解くため、著者の体験に基づく挿話が並べられただけで普遍性を持つものになっていません。本章で紹介されている数多くの教育実践されていることについて深く考察していただいたほうが読者に役立ったのではないかと感じました。率直に言ってこの本を担当した編集者の力不足でしょう。有名な著者であっても言いなりにならず編集者が作品をコントロールしないといいものになりません。
信頼の岩波新書といえども安易に企画されたものがあることが今回わかりました。人気の著者で岩波ブランドであっても今後は注意して選択したいと思います。

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2005.03.07

『福耳』

監督、瀧川治水。2003年日本。コミカル・ファンタジー映画。出演、宮藤官九郎、田中邦衛、司葉子、高野志穂、坂上二郎、谷啓、弓恵子、宝田明、横山通乃、多々良純、千石規子。 脚本で活躍している宮藤官九郎の映画初主演作品です。幽霊との交流に笑わされ泣かされました。老人マンションを舞台とした老人の恋愛がテーマでありながら爽やかな映画に仕上がっています。主人公の成長していく過程も青春映画として満足できました。話の展開に無理が無く、非常に間の良い編集がされていて心に響きます。老人役の俳優陣の演技が光ました。特に宝田明は素晴らしい演技でした。ゲイを演じており、演技力と存在感に感心させられました。(お薦め度★★★)

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2005.03.06

F1第1戦オーストラリアGP

オーストラリア メルボルン、アルバートパーク・サーキット。

2005年シーズン開幕。

優勝、ジャンカルロ=フィジケラ(ルノー)。2位、ルーベンス=バリチェロ(フェラーリ)。3位、フェルナンド=アロンソ(ルノー)。フィジケラはポールツーフィニッシュ。アロンソは13番手から追い上げた。
今季のレギュレーションでは予選1回目と2回目の合算タイムで決勝スターティング・グリッドが決定される。予選1回目の天候が目まぐるしく変わり、フィジケラがタイミング良くドライコンディションで好タイムを記録してポールを獲得した。佐藤琢磨はクラッシュしてノータイムとなり、スターティンググリッドは19番手。結果は14位。同僚のバトンも11位で入賞を逃す。M・シューマッハ(フェラーリ)も予選2回目はノータイムで18番手スタートした。レース終盤に3回目ピットアウトした直後の42週目にニック=ハイドフェルド(ウィリアムズ)がインを突いたため接触されコースアウトしハイドフェルドはリタイヤ、シューマッハはオフィシャルの手助けでコースに一旦復帰するもののマシンダメージによりリタイヤ。

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2005.03.05

『スリーピー・ホロウ』

監督、ティム=バートン。1999年米。原題『Sleepy Hollow』。ホラー映画。出演、ジョニー=デップ、クリスティーナ=リッチ、クリストファー=ウォーケン。第72回(2000年)アカデミー賞美術賞受賞。 首なし騎士の亡霊と下級巡査イカボッド(ジョニー=デップ)の戦いが面白いと感じました。猟奇的な殺人事件のシーンが連続するものの、絶妙の演出で凄惨さを抑えているためグロテスクに映りません。ティム=バートンはうまい監督です。ストーリーの構成がロジカルで納得させられるため、ホラー映画らしからぬ説得力がありました。そのため、びくっとするような恐怖感は弱く、話の展開を考えながら観る映画になっています。ジョニー=デップが強いんだか弱いんだかいまいち頼りがいのない主人公を好演しています。(お薦め度★★★)

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2005.03.03

『中国文明の歴史』

中国文明の歴史(講談社現代新書 1761)
岡田英弘著

出版社 講談社
発売日 2004.12
価格  ¥ 777(¥ 740)
ISBN  4061497618

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「中国文明」を新書1冊でまとめてあり、短時間で概要が理解できます。この著者の定義は、「中国文明」は紀元前221年の秦の始皇帝の中国統一に始まり、1895年の日清戦争における清国の敗北までを指すとしています。あらためて中国文明は統治する国の滅亡によって連続した歴史でないことがわかります。なお日清戦争からの「中国文明」以後は日本を模倣した西洋現代文明指向が続いているそうです。
昨年12月にIBMがパソコン事業を中国のパソコン最大手・レノボ(聯想)グループに売却するという驚きの発表があり、日本の模倣を超えた中国経済の新たな胎動が感じられ、改めて中国の理解を深めなければならないという思いを強くしています。

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2005.03.02

m-flo『ASTROMANTIC(CCCD)』

EXPO EXPO』から3年ぶりとなるオリジナル3rdアルバム『ASTROMANTIC(CCCD)』(2004/5/26) は素晴らしい出来です。近年私が聞いた中でも最高にゴージャスでセンスの良いアルバムです。VERBALとTakuの2人が17組もの多彩なアーティストとコラボレーションを組んでいます。

曲目リスト
1.The 3rd Impact
②miss you / melody.& 山本領平
3.STARSTRUCK~"The Return of the LuvBytes" / AI&日之内絵美&Rum (Heartsdales)
4.How to be Astromantic
5.VANESSA / Bloodest Saxophone
6.WAY U MOVE / Dragon Ash
7.gET oN ! / Crystal Kay
8.Astrosexy / CHEMISTRY
9.Listen to Your Heart
⑩the Love Bug / BoA
11.Life is Beautiful / DOUBLE&TOKU
12.I WANNA BE DOWN / 坂本龍一
13.Rendezvous 2014
14.Cosmic Night Run / 野宮真貴 & CRAZY KEN BAND
⑮REEEWIND! / Crystal Kay
16.宇宙のウオウオ / BOY-KEN & BLACK BOTTOM BRASS BAND
17.Curtain Call

いろいろなジャンルの曲がありながら、m-floとしてのカラーを維持しつつ統一感の取れた質の高い仕上がりになっています。なかでもマルをつけたお気に入り3曲のカッコ良さは際立っています。10曲目のBoAについては彼女がこんなにうまい歌手だとは思いもよりませんでした。m-floはボーカルのLISA(ソロ活動のため2002年に脱退)がいた頃よりも更に進化しています。今後も目が離せません。

≪CCCDについて≫
iTunesで曲をインポートしました。曲名も普通に表示されインポートが済みました。再生してみると音が全くでません。そのときになってはじめて(CCCD)の表記の意味を思い出しました。コピーコントロールCDだったのですね。amazonでタイトルに併記している理由がやっと理解できました。

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