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2005.04.01

『悪について』

悪について(岩波新書 新赤版 935)
中島義道著

出版社 岩波書店
発売日 2005.02
価格  ¥ 735(¥ 700)
ISBN  4004309352

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題名もさることながら「はじめに」の以下に引用する冒頭文に興味が湧きました。

「いまやわが国では、親殺しや幼児虐待や少年による傷害・殺人など、残虐な犯罪事件が毎日のように起こっている。ジャーナリズムは騒ぎ立て、次々に教育評論家や精神病理学者や犯罪心理学者、はたまた歌手やタレントやスポーツ選手までが、テレビや新聞に登場して、わがもの顔に「対策」を論ずる。私には、このすべての現象がきわめて不愉快である。」

悪いことは単純に「悪」と認識してきた人間にとって、どうにも落ち着かない刺激的な文章でした。「悪」はすべての人間にあてはまることであると結論付けられています。その基盤となるカント倫理学を「悪」の側面から紐解いていきます。キリスト教における「原罪」の思想とは異なる世俗的な「根本悪」についてわかりやすく考察されています。しかしながら、一般向けとはいえ哲学書ですから内容を理解できたとはいいがたいのですが、本書を読み終えてみると引用した冒頭文がなんとなくわかった気がします。
犯罪事件の「悪」を騒ぎ立てて感情的になびきやすい日本人において、著者のように冷静に分析できる立場の方がいることに救われる思いがしました。

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コメント

erabuさん おはよーございます!
初めまして「雑板屋」のゆきちと申します。
「スイミング・プール」への早速のトラバお返しをありがとうございました。

たくさん本もお読みになってらっしゃいますね。
中島義道氏の著書に反応しました。
不愉快だと断言しているあたりツワモノ中島氏らしいと思いました(笑

また寄せていただきます。
こちらへもいつでも遊びにきてくださいね☆

投稿: ゆきち | 2005.10.22 09:36

>ゆきちさん、TBならびにコメントありがとうございます。
書評にコメントいただけるのは、非常にうれしいです。
中島義道氏のような先進的な方がいるだけで、救われる思いがします。
寄らせていただきます。よろしくお願いします。

投稿: erabu | 2005.10.22 21:39

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