『CASSHERN』
監督、紀里谷和明。2004年日本。アニメ実写版映画。出演、伊勢谷友介、麻生久美子、寺尾聰、樋口可南子、小日向文世、宮迫博之、佐田真由美、要潤、西島秀俊、及川光博、寺島進、大滝秀治、三橋達也、唐沢寿明。1973~74年に放送されたTVアニメ「新造人間キャシャーン」の映画化。
秀作です。想像していた以上に素晴らしく、映画館で鑑賞しなかったことを大いに後悔しました。昨年の公開時に参考にさせてもらっているブログのいくつかを読んだところ、酷評ばかりが目だったので見送ってしまいました。日本アニメの実写版は成功すること自体が稀だという思いもありました。
それにしても何故この作品を面白いと評価できないのか不思議です。
原作となったアニメは知りませんがTVアニメ「新造人間キャシャーン」の世界を踏襲していないので知っている人(ファン)からすると裏切られたと感じるのかもしれません。しかし、原作を大切にすべきなのでしょうか。『キューティーハニー』のように原作と違えたほうが映画としては良くなると思います。下手に原作を引きずると『デビルマン』のようになってしまいます。
宇多田ヒカルのご主人という感情的な部分が影響しているのかもしれません。彼女のプロモーションビデオは紀里谷監督になってから、華やかでどぎつい色で彩られたいままで観たことも無いデザインによる映像美が追求されて、彼以外の作品と比べて鑑賞頻度が落ちました。もしもプロモーションビデオのようなノリで映画が作られたとすると映像感覚的に遠慮したい気持ちがありました。私の場合は映画が良いほうにでましたが、逆に感じた方が多かったのかもしれません。
さて、作品です。全編に溢れる映像美の追求とシーンごとに映像のトーンを変えて強弱を出すバランス感覚は稀有の才能です。しかも物語として作品に込められたメッセージをラストのシーンで昇華させる技量は非凡です。日本アニメ実写版としては『キューティーハニー』に次ぐ出来です。
(お薦め度★★★★)
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コメント
erabuさん こんばんは♪
erabuさんは面白かった派だったんですね~
これ、公開当時かなりはっきりと面白かったのと面白くないのとでわかれましたよね(笑)
一番言われていたのは監督の独りよがりであるってことだけど…まあ、私もそれは確かにそうだなと思うんですが、
実際、酷評されるほど酷い作品ではないですよね、よく出来ています
それがうけるかどうかは別にして、
GOEMONもそうでしたが、この方の頭の中のイマジネーションを映像化する手腕は素晴らしいと思う
実際GOEMONではさらに成長が見られましたし、これをそのまま突き詰めていったらいつか化けそうな気もしますね^^
http://m615.jugem.jp/trackback/1350
投稿: maki | 2009.07.19 18:43
>makiさん、コメントありがとうございます。
>実際GOEMONではさらに成長が見られましたし、これをそのまま突き詰めていったらいつか化けそうな気もしますね^^
そうかもしれませんが、独りよがりを進化させるとどうなるのか逆に怖いものがありますね。
ヒーローものから離れるとどういう作品になるのか、違った切り口で挑戦して欲しいと願っています
投稿: erabu | 2009.07.20 17:52