『バーバー吉野』
監督・脚本、荻上直子。2003年日本。コメディ映画。出演、もたいまさこ、米田良、大川翔太、松村諒、宮尾真之介、石田法嗣、浅野和之、桜井センリ。第13回PFFスカラシップ作品。
どこかノスタルジィ漂うある町で小学生の男の子全員がマッシュルームカットのような「吉野刈り」と呼ばれる髪型をしています。男子は町の風習として「吉野刈り」をしていることを疑問に感じていません。彼らの頭を刈っているのが町にある床屋「バーバー吉野」というもたいまさこ演じるところの女主人で、息子も「吉野刈り」した小学生です。ある日この学校に東京から転校生がやってきて「吉野刈り」を拒否したことが、学校内で緊張感を生み、やがて町にとって大事件に発展してしまうという物語です。もたいまさこはうまい役者だと思っていたのですが、母親役が全く出来ていません。床屋の女主人は頭髪スタイルの伝統を守ろうとする急先鋒を勤めるのですが、キャラクターが強すぎて単なる変なおばさんにしか見えません。親子の関係がこのキャラクラーの設定に負けてしまい息子への情感を表現できていません。もともとの人物像として設定が難しいので彼女の演技力というよりも脚本の問題だと思います。救いとしては小学生の子供たちがとてもかわいらしく、演技が良かったことでしょう。残念ながら小学生たちが主人公なので青春映画と呼べるものになっていません。
(お薦め度★★)
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