『ポップコーン』全16話
ディレクター、チャン=ギホン。脚本、イ=ヒミョン。2000年韓国SBS放映。ラブストーリードラマ。出演、ソン=スンホン、キム=ギュリ、チョン=ジュン(弟)、キム=ユンギョン(弟の恋人)、クォン=ヘヒョ(次長)、イ=ジュギョン(室長)、チェ=ヨンミン(社長)、ヤン=ミラ(後輩)。
全編通じて明るく軽いタッチで描かれるラブコメディなのですが、ヒロインは白血病という設定です。悲劇を喜劇で描こうとしており、線路の上を電車でなく車が走るといったようなチグハグな作品でした。笑いと涙が分離していてストーリーとして融合することがなく、タイトルとオープニングからは想像も出来ない結末で非常にガッカリしました。当初の出会いの回では、ポップコーンが空から降ってきたり、花火の中を2人が走ったりする夢のあるシーンが毎回最後に登場して、回が進むごとに必ず面白くなるのではとドラマの展開を期待させるものがありました。しかし、いつまで経ってもつまらないままで、ヒロインは頑なに病気という自らの運命を受け入れようとせずに、近親者に対しても心を閉ざすといった意固地さが物語を盛り上げさせることなくテンションを下げ続けました。脚本の失敗です。終盤のヒロインの悲しみは観ている側からは失笑にしかならない状況で、ラブストーリーは破綻していました。救いはヒロインのキム=ギュリが序盤はとっつきにくかったのですが、ドラマが進むに従い演技がうまいので好感が持てたことです。
WOWOWでは『夏の香り』『秋の童話』『Happy Together』に続き、ソン=スンホンの主演ドラマを放映しました。彼をテレビ局として一押ししているようですが、これまでの作品の中では一番つまらないものです。ひとりの俳優に肩入れするよりも、同時期に放映の『1%の奇跡』のように真に面白いドラマを見つけ出して放送して欲しいと思います。
(お薦め度★)
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