『「おたく」の精神史-1980年代論』
衝撃の内容です。このタイトルから「宮崎勤事件」と「神戸連続児童殺傷事件」が紐解かれるとは予想もしていませんでした。しかもアニメ「エバンゲリオン」を題材に論じています。過去に両事件に関する文章をいくつか読んでいますが、大塚英志氏のこの評論が一番的を得ていると感じます。何故「14歳」が問題となるのかの考察も十分に与えてくれます。子育てをしている方は必ず読むべき本だと思いました。あとがきによると「諸君!」97年10月号から2000年10月号にかけて「ぼくと宮崎勤の'80年代」と題して連載された文章を加筆し再構築されたものとのことです。著者の著作物を読むたびに彼は絶えず心血を注いで評論していると感じます。自らの存在を賭けた命懸けの闘いを行っています。敵も多いのではないでしょうか。本文中に何人もの評論家が登場しその活動を批評しています。
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