『トロイ』
監督、ウォルフガング=ペーターゼン。2004年米。歴史スペクタクル映画。原題『TROY』。出演、ブラッド=ピット(アキレス)、エリック=バナ(ヘクトル)、オーランド=ブルーム(パリス)、ダイアン=クルーガー(ヘレン)、ショーン=ビーン(オデュッセウス)、ブライアン=コックス(アガメムノン)、ピーター=オトゥール(プリアモス)、ブレンダン=グリーソン(メネラウス)、ジュリー=クリスティ(テティス)、ローズ=バーン(ブリセイス)。
ギリシャ神話の悲劇を題材に、紀元前12世紀に起こったとされる恋の情熱によって引き起こされたトロイ戦争を壮大なスケールで描いています。10万の軍勢が激突するシーンは圧巻でした。特にキャスティングが素晴らしく、アキレスという戦いの天才とそれ意外の凡才をメリハリをつけて描き出していました。ともかくブラッド=ピットを魅力を十分に引き出せています。単に戦うだけの筋肉質な戦士でなく、クレバーで慈悲の心を持ち合わせた深みある人物を演じきっていました。ファンの方なら必見の作品です。
しかし、残念ながら脚本は説明不足でした。映画という制約のためにどうしてもわからない箇所が2つあります。
1)アキレスの挑発に対し何故ヘクトルは一騎打ちしなければならなかったのか?
2)トロイの木馬を何故城内に持ち込まなければならなかったのか?
どちらも必然とは言いがたく、何ゆえ避けられなかったのか観ていて納得できません。この作品だけで物語を理解させてくれればとありがたかったのですが消化不良です。何かの機会にこの疑問を解消できればと思います。
(お薦め度★★★)
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コメント
こんにちは!
トラックバックありがとうございました♪
圧倒的スケール大作として作られているのがよくわかる作品ですよね
…とはいえ、やはり史実やイリアスには忠実ではないので、エンターテイメント重視のつくりであることもわかります
映画だから、ともいえますね
実際には両軍の勇者でそれぞれ相手になるものがいなかったからですが、戦における悲哀を演出してあるため(従兄弟である「少年」を殺し)、挑発され出て行かなければ、知勇兼備で「王子」としての覚悟や責任なんかを作品中にみせたヘクトルというキャラクターが、堕ちてしまう。
名前を呼ばれ対決を望む相手に対し、礼を尽くすのがヘクトルというキャラクターなんでしょうね
時間の概念があまり描写されていないのも、「映画だから」なのかもしれません
まるですぐ戦になり早期に決着したような描写ですもんね!
神々の参加を廃した分、人間同士の戦争として脚色されているんでしょう
投稿: ヨヨ | 2009.05.09 09:28
>ヨヨさん、コメントありがとうございます。
>圧倒的スケール大作として作られているのがよくわかる作品ですよね
同感です。スケール感は納得できます。
>…とはいえ、やはり史実やイリアスには忠実ではないので、エンターテイメント重視のつくりであることもわかります
そうなんです。
何故そうなるのか、わかりにくい作品でした。
史実通りにすると面白くなくなるし、面白くしようとすると筋書きがわからなくなってしまう宿命がありますね。いろいろ弱点はあるものの評価できる作品でした。
投稿: erabu | 2009.05.10 00:47