新書『1985年』
吉崎達彦(よしざき=たつひこ)著、新潮新書。
1985年に何があったかと聞かれれば、すぐに思い浮かぶのが阪神タイガース優勝ぐらいしかありませんでした。この本を読んだことで、いかに現在につながる重要な年だったのかを認識できました。直近の近代史を考えるうえでとても為になる本です。
何故1985年なのかについて、著者は日本の国運40周期説を取り上げています。
①1866~1904年(明治維新から日露戦争まで)上り坂
②1905~1945年(日露戦争後から第二次世界大戦の終戦まで)下り坂
③1946~1985年(戦後からプラザ合意まで)上り坂
④1986~2025年?(バブル経済から???)下り坂
この区分から1985年は日本人が最後に「坂の上の雲」を仰ぎ見た年だった、ことになるそうです。
下り坂としてバブル経済が上げられますが、そのきっかけをつくったのがこの年の円高ドル安の流れをつくった「プラザ合意」であったことは新聞やテレビで指摘されており、1ドル250円がプラザ合意の3年後に120円に一気に変動した出来事は、本書でも最大に重要なものとして様々な角度から解説してくれています。
政治、経済、世界、技術、消費、社会、事件を取り上げ、それを横串にしてわかりやすく1985年という年を紐解いてくれています。ちなみに1985年には3つの大きな事件が起こっています。日航ジャンボ機墜落事故、三光汽船倒産、阪神タイガース優勝だそうです。いろいろな出来事を思い出しました。
| 固定リンク
コメント