『ブラザーズ・グリム』
監督、テリー=ギリアム。2005年米・チェコ。ファンタジー・アドベンチャー映画。原題『THE BROTHERS GRIMM』。出演、マット=デイモン、ヒース=レジャー、モニカ=ベルッチ、レナ=ヘディ。
結論として、観るだけの価値がある映画とは思えません。
グリム童話の作者であるグリム兄弟を扱ったということで面白そうに感じたのですが、前半はとにかく退屈で眠くなりました。後半になってからコメディタッチが強調されテンポが良くなり、アドベンチャー・コメディとしてはそれなりのレベルになりました。
しかし、物語としてはまったく内容がありません。グリム兄弟を使って彼らの作品である『赤ずきん』『ヘンデルとグレーテル』『眠れる森の美女』などのエッセンスを織り交ぜた虚構が続くだけです。監督の自己満足的な世界観しか感じません。お金をかけて思いっきり遊んだ作品といえます。この映画を観るとグリム兄弟はペテン師でいい加減な人たちとしか思えなくなります。本当に実際の人物像はこのようなものだったのでしょうか。
ちなみに、演出方法も貧困でした。特に映像には閉口させられました。嫌悪感はそれほどではないのですが、身体を切り刻んで直接的に見せる表現方法は御免です。暴力的表現が普通に織り込まれる作品が増えてきましたが、その典型でした。子供たちに悪影響を与えるだろうと思われる映像表現は控えるべきだと思います。テクニックとして間接的に分からせる方法はいくらでもありますし、それが監督の手腕であると思います。[丸の内ルーブル]
(お薦め度★★)
| 固定リンク
コメント
こんばんは。コメント&TBありがとうございます。
グリム兄弟が主人公ということで、いろいろな童話を集めるに至った経緯が描かれるのかなあと勝手に想像していたのに全然違いました。実際のグリム兄弟はちゃんとした学者だったと思うのですが・・・
作りようによってはおもしろい映画になったであろう題材なのに、もったいないですね。
投稿: nocci | 2010.02.23 02:04
>nocciさん、こんばんわ♪
>グリム兄弟が主人公ということで、いろいろな童話を集めるに至った経緯が描かれるのかなあと勝手に想像していたのに全然違いました。
全くです。
グリム兄弟の実像に基づいた物語を期待していたのに、訳のわからない内容で凹みました。
わざわざ映画館で観る作品では無かったです。いまだに悔しさが残っています(笑)。
投稿: erabu | 2010.02.24 23:37