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2005.11.18

『親切なクムジャさん』

監督、パク=チャヌク。2005年韓国。復讐映画。英題『SYMPATHY FOR LADY VENGEANCE』。出演、イ=ヨンエ(クムジャさん)、チェ=ミンシク(ペク先生)、クォン=イェヨン(ジェニー)、ナム=イル(刑事・チェ班長)、キム=ビョンオク(伝道師)、キム=シフ(クンシク)、オ=ダルス(ケーキ屋・チャン氏)、イ=スンシン(パク=イジョン)、コ=スヒ(魔女)。ソン=ガンホ(ペク先生の手下)、シン=ハギュン(ペク先生の手下)、ユ=ジテ。『復讐者に憐れみを』『オールド・ボーイ』に続く“復讐三部作”の完結編。

最後まで緊張感が途切れない作品でした。多くを失った主人公クムジャさんの感情をあらわしたように思える喪失感のある映像に引き込まれてしまいました。パク=チャヌク監督の計算された技は見事です。『オールド・ボーイ』で描かれた毒々しさは薄まっていますが、どうしてどうして暴力シーン映像の生々しさは相変わらずでした。
宮廷女官 チャングムの誓い』の聖女から悪女へ180度大変身したイ=ヨンエの演技は、評価できるものでした。ただし、母親としての情感はイマイチです。非常に難しい役所でこの部分を演じきっていれば、作品にさらなる深みを持たせられたと思います。
物語としては終盤の展開は疑問を感じてしまいました。唐突過ぎてかなり無理があります。そのためクライマックスへ続くシーンでは客席のあちらこちらから笑いが起こっていました。監督としては笑わせる意図はなかったのではないかと思います。映画としての質は高いものの復讐劇として成功しているとは言い難いと感じました。[シャンテシネ]
(お薦め度★★)

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いや〜ほんとクムジャさんは親切でしたよ。勿論それには裏の顔があったりするのですが。そりゃそうだよね。 それにしても、イ・ヨンエさんの演技力には脱帽しました。天使のような美しい顔、復讐者としての般若の顔、そして、後半の破顔した顔、どれも素晴らしかった。慈愛に満ちた笑顔を見せながらの悪魔のような行動が、正反対であり魅力的でもあるのです。復讐を終えて彼女は何を得たのか、そして何を失ったのか。 どこかコミカルなつくりの作風も、面白いと思いました。後半の犯人への復讐シーンさえもがコミカルに描かれ... [続きを読む]

受信: 2011.12.25 11:03

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