新書『「ジャパニメーション」はなぜ敗れるか』
大塚英志(おおつか=えいじ)・まんが原作者、大澤信亮(おおさわ=のぶあき)・評論家。角川書店。
挑発的過ぎるタイトルです。読み始めてからも何故ここまでストイックに追及するのかと思わざるをえませんでした。本書では国策としてのジャパニメーションは失敗するし、失敗すべきだと主張しています。日本アニメ映画が米国で稼いだかどうか冷徹に分析すれば、マスコミが評価されていると伝えるわりに興行収入が燦燦たる現状です。国民的アニメ映画と呼ばれる宮崎駿監督作品ですらも興行は成功していません。著者の指摘通りなのです。巨視的な視点で世界市場との対比を試みており、根本的な倫理まで遡ってまんがやアニメの将来像について提言されています。成長期を終えて新たな飛躍を目指せるかどうかを考えるうえで、このような評論が行われることに大いなる価値があるのだと思います。アニメが世界に通用していないことを訴える内容に著者の熱き想いと、この世界に関わっていこうとする強い意志を感じました。
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コメント
初めまして!
確かに著者の想いと意志は非常に
感じられましたが賛否両論ありますね。
自分も納得は出来ない部分も多かったですが
アニメの成熟の可能性については共感しました。
唯、国策としてのアニメにも
焦臭さは感じていましたが
http://d.hatena.ne.jp/tsugata/20081211/1229007201
を読んで「う~ん」と思ってしまいました。
投稿: ちぇこ | 2009.04.13 13:35