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2006.02.13

新書『戦艦大和 復元プロジェクト』

著者、戸高一成(とだか=かずしげ)・呉市海事歴史科学館(大和ミュージアム)館長。角川書店。

十分の一スケール、全長26メートル戦艦大和の復元プロジェクトを率いた著者が、500日にわたるスタッフの熱き闘いを描いた作品です。復元された戦艦大和は2005/4/23オープンした広島県呉市の大和ミュージアム(正式名称・呉市海事歴史科学館)に展示されています。
十分の一の戦艦大和が作られたことは報道で知っていました。単純に模型のスケールを上げて出来上がったのだと考えていましたが、とんでもない認識だったことがわかりました。元々戦艦大和に関する資料が無いのに、実物の十分の一の模型となると曖昧な部分もしっかりと形状を把握しないと製作できないため、その努力たるや想像を絶する作業だったようです。しかも戦艦大和自体が何度も修繕が行われていったため、最終的な形がどれであるのかを特定することも難しいのだそうです。したがって、復元されて展示されている戦艦大和は今後の研究によって改修されることがあるとのことです。作って終わりという単純なものではなく、大和の真の姿を可能な限り再現しようとする惜しみない努力には頭が下がりました。

本書の中で完成した戦艦大和が『男たちの大和/YAMATO』の撮影に使われたことが記載されていました。終戦60周年を迎えるに当たって作られるべくして作られた模型であり映画だったのでしょう。間違いなく模型が迫力ある映画に大いに貢献しています。来月のツアーでは原寸大ロケセットと大和ミュージアムの両方訪ねることになっています。映画、サウンドトラック、新書によって戦艦大和に会う準備は整いました。

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