映画『エミリー・ローズ』(お薦め度★★★)
監督、スコット=デリクソン。2005年米。サスペンス・ホラー映画。原題『The Exorcism of Emily Rose』。出演、ローラ=リニー(エリン=ブルナー弁護士)、トム=ウィルキンソン(ムーア神父)、キャンベル=スコット(イーサン=トマス)、コルム=フィオール(カール=ガンダーソン)、ジェニファー=カーペンター(エミリー=ローズ)、メアリー=ペス=ハート(ブリュースター判事)、ヘンリー=ツェーニー(プリッグス博士)、ショーレ=アグダシュルー(アダニ博士)、ジョシュア=クローズ(ジェイソン)、ケネス=ウェルシュ(ミュラー博士)、ダンカン=フレイザー(カートライト博士)、JRボーン(レイ)。
非常に考えさせられるホラーでした。
実話に基づいた悪魔祓い裁判が描かれています。本格的な法廷劇で異色のホラー映画です。扱っている事件がショッキングです。被害者となる女子大生が悪魔に取り付かれていく過程は恐ろしく、そして可哀想でしかたありませんでした。特に悪魔祓いのシーンは怖く、背筋がゾクゾクしました。映画館でホラーを観るのは初めてでしたが、この作品で観れたのは正解でした。キリスト教の宗教的背景を持ち合わせていませんが、衝撃を覚えました。日本人からすると悪魔祓いは、どこか遠い世界の異常で現実離れした神秘的な儀式だと考えますが、裁かれたムーア神父の客観的で科学的な対処のしかたは、決して絵空事の話ではなく現実の延長線上に起こりえる"ありうる"ことだということが理解できます。決して思い込みや間違った解釈で突っ走った訳でないという事実は非常に重いと感じます。ムーア神父を助けるために、女子大生は精神病ではなく悪魔に取り付かれたことを証明しようとするブルナー弁護士の勇気にも感心させられました。人間の尊厳を問う映画として心に刻まれました。
[シネプレックス]
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