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2006.04.19

映画『ボン・ヴォヤージュ』(お薦め度★★★)

監督、ジャン=ポール=ラプノー。2003年フランス。群像映画。出演、イザベル=アジャーニ(ヴィヴィアンヌ・女優)、ジェラール=ドパルデュー(ボーフォール・大臣)、グレゴリ=デランジェール(オジェ・作家)、ヴィルジニー=ルドワイヤン(カミーユ・学生)、イヴァン=アタル(ラウル・ごろつき)、ピーター=コヨーテ(アレックス=ウィンクラー・新聞記者)。フランス語で「よい旅を!」という意味。

フランス映画らしからぬ明快な映画でした。
1940年ドイツ軍の侵攻によりパリが陥落、人々がパリからボルドーへ疎開に向かう過程を描いた群像劇です。戦時下で重いテーマと思いきや予想外に軽いコメディタッチの作品です。人間関係が複雑多岐に渡っているにもかかわらず、登場人物がドミノのように次々に連鎖して話が進みます。宣伝ではイザベル=アジャーニを目立たせていて、彼女が物語の中心であることは間違いないのですが、期待通りの主役ではない奇妙なおかしさがありました。一方で戦時中というドイツ側の諜報という仕掛けがあって、コメディらしからぬ悲しい展開も用意しています。どうにもとらえどころがありませんが、良い意味で観客の読みを裏切る作品です。タイトルの付け方が絶品ですね。

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» 「ボン・ヴォヤージュ」 [ひらりん的映画ブログ]
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