映画『亡国のイージス』(お薦め度★★★)
監督、坂本順治。2005年日本。サスペンス・アクション映画。出演、真田広之(仙石恒史・先任伍長)、寺尾聰(宮津弘隆・副長)、佐藤浩市(渥美大輔・DAIS内事本部長)、中井貴一(溝口哲也/ヨンファ・FTG3等海佐)、勝地涼(如月行・1等海士)、チェ=ミンソ(ジョンヒ・対日工作員)、吉田栄作(竹中勇・船務長)、谷原章介(風間雄大・水雷士)、豊原功補(杉浦丈司・砲雷長)、安藤政信(山崎譲二/ドンチョル・FTG2等海尉)、原田芳雄(梶本幸一郎・内閣総理大臣)、原田美枝子(宮津芳恵)、岸部一徳(瀬戸和馬・内閣情報官)、真木蔵人(宗像良昭・第204飛行隊1等空尉)。
全編スリリングでした。
最後のドタバタは邦画らしくていただけませんが、最後まで緊張感が続きまずまずの出来でしょう。
東京湾沖で訓練航海中のイージス艦“いそかぜ”を乗っ取り、1リットルで東京を壊滅させる特殊兵器“GUSOH(グソー)”で日本国家に戦いを挑むテロリストと、艦を奪還しようとする先任伍長の戦いが描かれています。
最新鋭護衛艦のイージス艦が、これほど強い兵器だと知りませんでした。「イージス」とはギリシャ神話に登場する最高神ゼウスが娘アテナに与えた、あらゆる邪悪を払う「無敵の盾」のことだそうです。
ところで、いろいろツッコミ所があります。
撮影の仕方との関連するのですが、スケール感が乏しくてどこでどうやりとりされているのか皆目わかりませんでした。艦が大きいのか小さいのか把握できませんでした。最新鋭護衛艦ということで撮影の制約があったためだと思われますが、同じ場所をぐるぐる回っているようにしか感じられませんでした。
如月1等海士の人物像が全く不明です。相当に訓練を積んだエキスパートな隊員の割には、見た目が若いし、人間が出来ていないし、とてもヘンチクリンなキャラクターでした。勝地涼の演技も過剰でした。
物語の中核となる部分です。宮津副長が覚悟を決めていたにもかかわらず、佐藤浩市演じるところに渥美に説得されそうになるところが不可解でした。あのレベルで主張が揺らぐようであれば最初から実行すべきではないでしょう。副長の器の小ささしか感じられませんし、ヨンファ(中井貴一)との温度差があり過ぎたことがラストのバタバタしたコメディとも思えるシーンとなってしまいました。
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