新書『魔法ファンタジーの世界』
著者、脇明子(わき=あきこ)。ノートルダム清心女子大学教授。
2006/5/19発行。岩波新書。
期待していたものはありませんでした。
3大ファンタジーといわれる『指輪物語』、『ナルニア国ものがたり』、『ゲド戦記』を中心に良質な冒険ファンタジー文学について解説しています。しかし、世界的にどれくらいの発行部数があってどれだけ評価されているのかといった客観的な資料は無く、著者はファンタジー文学の翻訳をかなりされている方らしく、知識はかなり深いようですが、作品に対する想いしか語られていません。
そもそも魔法ファンタジーとは何か、どのように分類されやどのような系譜があるのか、近年何故多くの物語が映画化されるのか、文学とゲームとの比較など興味のあるテーマが語られていません。単に著者の感性に合う作品群の解説となっており、全く物足りない内容です。
岩波新書も時の流行に合わせて安易な企画でつくるものが増えたように感じます。
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