映画『バブルへGO!! タイムマシンはドラム式』(お薦め度★★★★)
監督、馬場康夫。脚本、君塚良一。原作、ホイチョイ・プロダクションズ。2007年日本。SFコメディ映画。出演、阿部寛(下川路功)、広末涼子(田中真弓)、吹石一恵(宮崎薫)、伊藤裕子(高橋裕子)、劇団ひとり(田島圭一)、小木茂光( 菅井拓朗)、森口博子(玉枝)、伊武雅刀(芹沢良道)、薬師丸ひろ子(田中真理子)、小野ヤスシ、露木茂、ラモス瑠偉、飯島愛、八木亜希子、飯島直子。馬場監督5作目。7年ぶりのメガホン。
いとしい映画です。
格差社会、ワーキングプアなどの言葉で表現され、閉塞感が強まっている今の時代に最も合致したハートフルなコメディ作品です。
久しぶりにヒロインとしての広末涼子ですが、とてもキュートでダンスシーンはなかなかのものでした。まだまだ可愛らしい役どころで活躍できそうです。阿部寛も軽薄で遊び人のプレイボーイ役で好演していました。TV局のレポーターを演じた吹石一恵のコミカルさは特筆すべきものがありました。ワンレン・ボディコンの出で立ちはバブル全盛期そのものでスタイル抜群でした。
脚本が素晴らしいです。1990年のバブル時期と2007年を対比させ、経済や世相、風俗を巧みに組み込みながら、家族の再生をテーマにしつつ、バブル崩壊を防ぐことができるのかといったサスペンス性を十分に盛り込んでいます。
馬場康夫監督の演出がこれまた秀逸です。タイムマシンという使い尽くされたアイテムを洗濯機というミスマッチ極まりない軽いオトボケで処理しています。しかも、伏線となるアイテムを使って意外な説得力を持たせています。十分に計算され尽くされていました。全編を通してノスタルジックな味わいで明るく軽やかなトーンは観ていて非常に気持ち良いです。編集の仕方によっては、感動作に仕上げることも十分可能だったにもかかわらず、あくまでコメディにこだわったホイチョイ魂が心憎いですね。脱帽です。
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