« 複合商業施設olinas(オリナス) | トップページ | 映画『イブラヒムおじさんとコーランの花たち』(お薦め度★★★) »

2007.02.02

映画『それでもボクはやってない』(お薦め度★★★)

監督・脚本、周防正行。2007年日本。社会派映画。出演、加瀬亮(金子鉄平・被告人)、役所広司(荒川正義・主任弁護士)、瀬戸朝香(須藤莉子・新人弁護士)、田中哲司(浜田明・当番弁護士)、益岡徹(田村精一郎・弁護士)、正名僕蔵(大森光明・裁判官)、小日向文世(室山省吾・裁判官)、大和田伸也(広安俊夫・裁判官)、尾美とりのり(新崎孝三・公判立会検事)、北見敏之(宮本孝・副検事)、大森南朋(山田好二・刑事)、田山涼成(和田精二・刑事)、徳井優(西村青児・留置係)、本田博太郎(三井秀男・留置房の詐欺師)、もたいまさこ(金子豊子・被告人の母)、山本耕史(被告人の友人)、鈴木蘭々(土井陽子・被告人の元彼女)、野間口徹(小倉繁・被告人の先輩)、光石研(佐田満・痴漢冤罪事件の当事者)、清水美砂(佐田清子・佐田の妻)、柳生みゆ(古川俊子・痴漢被害者)、唯野未歩子(市村美津子・事件車両の乗客)、田口浩正(月田一郎・事件車両の乗客)、石井洋祐(平山敬三・駅員)、竹中直人(青木富夫・マンション管理人)、高橋長英(板谷得治・傍聴人)、山本浩司(北尾哲・傍聴人)。

骨太の硬派な映画です。
143分の大作ながら長さを感じさせませんでした。現在の刑事裁判の問題点が赤裸々に描かれていまました。監督がリアルにこだわったというだけのことはあります。実際の法廷をより身近に感じ取ることができました。主人公の無念さがストレートに伝わってきて、悔し涙が流れました。自分が当事者になったら耐えられるものではないことがよくわかりました。現実に“痴漢冤罪事件”で無罪を勝ち取ったケースが出てきているようですが、並大抵の覚悟では裁判が乗り切れないことがよくわかりました。周防正行監督は田中哲司が演じる当番弁護士に万が一痴漢にさせられたときの対処法を語らせていました。以前このブログで「通勤電車で痴漢に間違われないためにしていること」を書きましたが、あらためて痴漢に間違われないようにしなければと強く感じました。絶対に裁判に期待すべきではないのでしょう。
ところで主人公の加瀬亮が素晴らしい演技でした。大好きな清水美砂が登場したのもうれしい限りです。キャスティングはほぼ成功していましたが、被告人の母親役のもたいまさこは役不足でした。『バーバー吉野』でもそうでしたが、彼女は母親の情感を演じられるだけの技量はありません。
[映画館・TOHOシネマズ錦糸町]

|

« 複合商業施設olinas(オリナス) | トップページ | 映画『イブラヒムおじさんとコーランの花たち』(お薦め度★★★) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 映画『それでもボクはやってない』(お薦め度★★★):

» 映画「それでもボクはやってない」 [茸茶の想い ∞ ~祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり~]
それでも、それでもボクはやっていない。控訴します!!刑事事件で起訴されたら有罪率99.9%、冤罪事件にかぎっても97%が有罪になるという実態・・ 仕事もせずブラブラしていた金子徹平(加瀬亮)、ようやく面接にこぎつけて会社に向かうが途中で履歴書を忘れたこと... [続きを読む]

受信: 2007.02.03 01:33

» それでもボクはやってない [UkiUkiれいんぼーデイ]
これを観た男性諸氏は 満員電車に乗るとき 両手を上げていたくなる・・・にちがいない! 観たかった!待っていた!周防監督の最新作♪ しかもテーマが「裁判」 これね、劇場予告とかCMとか観てる限りでは、コメディー風味なのかしら、な〜んて気軽に思ってたけど とーんでもない!!! 大真面目な社会派映画です! すごいよ!面白い!勉強になる!強くオススメします! 原作となる本もなく、周防監督が2年をかけて調べ上げたという、今の日本の司法制度の問題点を、私... [続きを読む]

受信: 2007.02.04 08:08

» それでもボクはやってない(1月20日公開) [オレメデア]
朝の通勤ラッシュで混雑する電車の中 フリーターの金子徹平(加瀬亮)も,就職の面接に向かう途中,その電車に乗っていた. 自分が物語の主人公になることを,まだ知らない…. ----(PR)---------- リンクサービスのお知らせ オレメデアに,あなたのブログ(ホームページ)のリ....... [続きを読む]

受信: 2007.02.16 15:15

» 「それでもボクはやってない」 [よしなしごと]
 会社の友人(ブロガーではない)にかなり勧められ、それでもボクはやってないを見てきました。 [続きを読む]

受信: 2007.02.16 22:02

» 「それでもボクはやってない」 [ひきばっちの映画でどうだ!!]
                     「それでもボクはやってない」 この映画も観るのは二度目だが、あらためて凄い映画だと思う。 「痴漢」という軽犯罪が主題になっているが、この作品は「痴漢」だけでなく日本の刑事裁判の旧態依然とした部分を見事に描いている。 警察での取調べも含め、一人の青年がいかようにして「冤罪」の罪を着せられてゆくか、観る者に解りやすく描くことに成功している。 ネタバレ入ります。 ストーリー的には、加瀬亮演じる金子徹平が、超満員電車の中で扉に挟まれたスーツの背中の部分を... [続きを読む]

受信: 2009.07.23 15:41

« 複合商業施設olinas(オリナス) | トップページ | 映画『イブラヒムおじさんとコーランの花たち』(お薦め度★★★) »