映画『力道山』(お薦め度★★★)
監督、ソン=ヘソン。2004年韓国・日本。伝記映画。出演、ソル=ギョング(力道山)、中谷美紀(綾)、藤竜也(菅野武雄・後見人)、吉町譲(萩原聖人・マネージャー)、鈴木砂羽(沖浜子)、山本太郎(葛西紘一)、船木誠勝(井村昌彦)、パク=チョルミン(キム=ミョンギル)、ノ=ジュノ(キム=イル・大木金太郎)、秋山準(遠藤幸吉)、モハメド=ヨネ(豊登)、武藤敬司(ハロルド坂田)、橋本真也(東浪)、マイク=バートン(ベン=シャープ)、ジム=スティール(マイク=シャープ)、リック=スタイナー(アトミック)、橋誠(力道山の門下生1)、潮崎豪(力道山の門下生2)、吉田孝志(力道山の門下生3)、百田力(力道山の門下生4)、仙波和之(二所ノ山親方)、岩本宗規(田村健一)、マギー(ニューハバナクラブの司会者)、岡本麗(お手伝い)、梶原しげる(実況アナウンサー)。2004/12/15(力道山の命日)に韓国で公開。2006/3/4に日本公開。
見応えのある力作でした。
戦後日本の国民的英雄"力道山"の生涯を映画化した韓国・日本合作映画です。朝鮮人という理由で角界から追われ、プロレスで見事に頂点に立つものの生来の粗暴な性格が災いして命を落としてしまう半生が激烈に描かれています。戦後日本で大成功を収めながら、朝鮮人としてのアイデンティティを封印して成り上がりとして最期を迎えてしまう姿は悲し過ぎます。
主演のソル=ギョングの役作りは絶賛に値します。日本語での台詞は見事で、リング上でのシーンを自ら演じており、本物のプロレスラーと比べても全く遜色がありませんでした。
何といってもソン=ヘソン監督は超一級です。昭和30年代の町並みを完璧に再現させ、役者では無い格闘家を多く使いながら、全く見劣りのしない締まりのある演出で全編貫かれています。
ただし、ジャイアント馬場やアントニオ猪木など登場すべき人物に触れられていないのは不自然でした。上映終了時に「この作品は史実を参考に、内容には独自の解釈による創作を加えて製作されています。劇中の登場人物、法人、団体、並びに出来事、事件などには、事実と異なる箇所があります。」が映し出されます。いろいろと配慮しなければならない事情があるようです。
【力道山(りきどうざん)】(WOWOW MAGAZINE2月号から引用)
24年、朝鮮・威鏡南道生まれ。日本に渡って力士となり、関脇までのぼるが自ら廃業してプロレスラーへと転進。外国人レスラーを倒す勇姿から、絶大な人気と支持を得た。63年、暴漢に刺された腹部のケガが悪化して死去した。
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コメント
TBありがとう。
日本人監督でも、描きがたいテーマですからね。
この監督の粘りには、敬意を表したいですね。
投稿: kimion20002000 | 2007.02.27 23:40
>kimion20002000さん、TB&コメントありがとうございます。
韓国人監督でなければならなかったと思います。
評価されてしかるべき作品なのに、韓国ではヒットせず、
日本でも韓流ブームが去ってしまい興行成績が悪かったのが
見込み違いでした。
ソン=ヘソン監督の次回作に期待したいと思います。
投稿: erabu | 2007.02.28 22:31