映画『ダーク・ウォーター』(お薦め度★★★)
監督、ウォルター=サレス。2004年米。ホラー映画。出演、ジェニファー=コネリー(ダリア)、アリエル=ゲイド(セシリア・娘)、ダグレー=スコット(カイル・元夫)、ピート=ポスルスウェイト(管理人)、ティム=ロス(弁護士)、ジョン=C=ライリー(不動産屋)、パーラ=ヘイニー=ジャーディン(ナターシャ)。『仄暗い水の底から』のリメイク作品。
リメイクとしては見事な出来です。
邦画オリジナルをハリウッドが完璧にアメリカナイズしています。舞台および人物設定は非常にマッチしており、主役をジェニファー=コネリーにして成功しています。彼女は『砂と霧の家』でもみせたように、精神的に追い込まれて常軌を失いかける哀れな役柄を巧みに演じます。今作でも母親に捨てられたトラウマに苦しみながらも、最愛の娘との生活を心底守ろうとする迫真の演技に共感させられました。
脚本はオリジナルを超えていると思えるほどで、十分に練り上げられています。母娘の情感を徹底的に描き出しており"泣かせるホラー"としてのオリジナルを十分に踏襲できています。オリジナルを気に入っている者にとっても違和感無く納得できる作品でした。ただし、サスペンスとしての完成度が高すぎて肝心のホラー映画としての恐怖感は減衰してしまいました。リメイクとしては完成度が高いものの、高温多湿を背景とした日本風土に根差した水をテーマにした恐怖の物語では、やはりオリジナルを上回ることはできませんでした。
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