単行本『本日より「時間外・退職金」なし―日本マクドナルドに見るサラリーマン社会の崩壊』
著者、田中幾太郎(たなか=いくたろう)。ジャーナリスト。
2007/2/28発行。光文社ペーパーバックス。
日本にサラリーマンはいなくなり、時間外も退職金も無い単なる"ワーカー(worker)=労働者"に成り下がり、低賃金で一生働き続けること(Never-Ending Working Life)になるだろうと書かれた驚愕の書です。
世界規模で進むグローバル化は人件費抑制を要求し、残業代と退職金の支払いを無くす方向に動き始めたと解説しています。
「ホワイトカラー・エクゼンプション(労働時間規制の適用除外)」の法案が1月に見送られたものの、日本で導入されるのは時間の問題で、2006年4月に施行された「改正高年齢者雇用安定法」によって多くの企業で定年制の廃止が検討されており、やがて退職金制度が無くなっていくだろうと予測しています。
すでに日本マクドナルドは「幹部候補社員(みなし管理職)の時間外手当」と「定年制度」という日本企業独特の慣行が消えてしまいアメリカ式の雇用形態に移行して、それが原因で退職者が増え、訴訟が起こされているとのことです。
日本マクドナルドは特殊なケースではなく、日本全体のサラリーマンの問題になることは必然だと警告する著者に納得させられました。
低価格化路線で躓きながら、高級化路線とクーポン券の乱発で売上高を更新し復活の兆しが見える日本マクドナルド、売上至上主義の裏で現場社員が酷使されていると書かれた内容には正直驚かされました。
これは決して他人事ではないでしょう。日本のサラリーマンにとって、暗黒の時代が訪れようとしています。
どうすればいいのか?解を探さなければなりません。
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