新書『「天才」の育て方』
著者、五嶋節(ごとう=せつ)。
2007/5/20発行。講談社現代新書。
著者は、天才ヴァイオリニスト五嶋みどりと五嶋龍の姉弟の母親です。
・どのようにして姉弟ふたりとも天才ヴァイオリニストに育てられたのか?
・何故姉弟の歳が離れているのか?
昔から興味がありました。TV特番でドキュメンタリーが放映されるものの、子どもたちが脚光を浴びるだけで母親へはほとんどインタビューがなく、どのような考え方をお持ちなのかを知りたいと思っていました。
本書を読んで驚いたのは、子どもたちをまったく天才と考えていない極普通のぶっちゃけた関西人のおばちゃんということでした。そして愚直に子供たちと向き合ってきたひとりの母親としての生き方でした。
ともかく親子のコミュニケーションが大切だと考えられていて、手抜きがありません。このことが全てといっていいでしょう。教育論などと大上段に構えることがなく「子どもに育てられ論」と語られている姿勢に感心しました。非常に見習うべきところが多いと感じます。
姉の五嶋みどりが過去に鬱病と拒食症になってそれを克服してきたことが触れられていて、決して順風満帆ではなかったことがわかりました。最近のマスコミが弟だけに注目している背景だったのですね。
ところで疑問に思っていた姉弟の歳が17歳違いというのは、離婚によるものだということもわかりました。
講演やインタビューから原稿を起こしてあるため、非常に読みやすくとてもわかりやすい内容でした。ひとりの母親の赤裸々な人生が語られた素敵な本です。
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