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2007.05.02

映画『ヒストリー・オブ・バイオレンス』(お薦め度★★★★★)

監督、デヴィッド=クローネンバーグ。2005年アメリカ・カナダ。バイオレンス映画。R-15指定。原題『A HISTORY OF VIOLENCE』。出演、ヴィゴ=モーテンセン(トム=ストール)、マリア=ベロ(エディ=ストール・妻)、エド=ハリス (カール=フォガティ)、ウィリアム=ハート(リッチー=キューザック)、アシュトン=ホームズ(ジャック・ストール・長男)、ハイディ=ヘイズ(サラ=ストール・娘)、ピーター=マクニール(サム=カーニー保安官)、スティーヴン=マクハティ(レランド)、グレッグ=ブリック(ビリー)。

破壊的な衝撃を受けました。傑作です。
これまでに多くのバイオレンス作品を観てきましたが、最高の一本でした。
暴力を逃れるために、暴力を使うという葛藤を見事に描いています。暴力と憎悪の連鎖を断ち切るために主人公が苦悩する展開は、高倉健主演の仁侠映画に通じるところがあり、日本人に間違いなく受ける内容だと思います。残念ながらR-15指定で、しかもタイトルが重たいため公開時にヒットした様子はありませんが、映画好きの方はこの映画は必ず観ておくべきでしょう。サスペンス性とミステリーの香りを十二分に内包した展開は観客に隙を与えません。96分の短い上映時間で濃厚な中身の物語です。必要とされる回想シーンがありません。主人公の過去を描くことなく、息子の行動によって彼の背景を間接的に彷彿させる手法を取っています。無駄な部分を削ぎとって必要最小限の要素だけで伝わるように表現された脚本と演出の素晴らしさは絶賛ものです。ラストの余韻にブルブルと震えがきました。
キャスティングが冴えています。主演は「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズで重要な登場人物アラゴルンを好演したヴィゴ=モーテンセン、対するエド=ハリス、ウィリアム=ハートの個性派俳優たちが迫真の演技で激突します。

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コメント

こんにちは。こちらからはTBが不調です。コメントだけですみません。
おっしゃるとおり必要最小限の語り口で、暴力による精神と肉体の崩壊の事実を最大限にありのまま見せつけた実に秀逸な作品でした。
余韻もいいですよね~。果たして妻は彼を受け入れたのでしょうか??

投稿: シャーロット | 2007.05.07 12:51

>シャーロットさん、コメントありがとうございます。
TBでお手数をおかけしたようで、恐縮です。

>果たして妻は彼を受け入れたのでしょうか??

通常であればもう少しラストを描くべきなのですが、それさえも許さない状況があり、かなり手前で終了させざるおえなかったのではないでしょうか。暴力を暴力で解決させたことのどうしようもない罪悪をこのように表現したように感じます。
妻や家族が受け入れる受け入れないではなく、その狭間を無限ループし続けるしかない生き地獄が語られたように思います。どうでしょうか?

投稿: erabu | 2007.05.08 01:45

トラックバックありがとうございました。
erabuさんは星5つですね。たしかに傑作ですね。
バイオレンスという言葉を見ると、あまり見る気がしなく遠慮していたのですが、もっと早く見るべきだったです。

投稿: wangchai | 2009.07.04 21:22

>wangchaiさん、コメントありがとうございます。

>もっと早く見るべきだったです。
全くその通りでした。
劇場で観ていたらと思うと残念でなりません。

投稿: erabu | 2009.07.05 08:21

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