映画『茄子 アンダルシアの夏』(お薦め度★★)
監督・脚本、高坂希太郎。原作、黒田硫黄 漫画『茄子』の一編「アンダルシアの夏」。2003年日本。スポーツ・アニメ映画。声の出演、大泉洋(ペペ=ベネンヘリ)、筧利夫(アンヘル=ベネンヘリ)、小池栄子(カルメン=バスカルドミンゲス)、平野稔(エルナンデス)、緒方愛香(リベラおじさん)、平田広明(フランキー)、坂口芳貞(チーム監督)、羽鳥慎一(実況アナウンサー)、市川雅敏(解説者)。
さっぱりでした。面白くない。
自転車ロードレースを扱った画期的なアニメ映画として、公開時から気になっていました。フランスの“ツール・ド・フランス”、イタリアの“ジロ・デ・イタリア”、スペインの“ブエルタ・ア・エスパーニャ”はグラン・ツールと呼ばれ最も権威あるレースです。本作はこれら三大自転車ロードレースのひとつ“ブエルタ・ア・エスパーニャ”を題材にしています。
アニメの絵自体はジブリ作品と全く同じです。高坂希太郎監督は『もののけ姫』『千と千尋の神隠し』の作画監督を務められてこられています。登場するキャラクターデザインは非常に見覚えがあって馴染むのですが、物語が伴いません。兄弟の葛藤を恋愛とからめて描いていますが、平板で薄っぺらな中身でした。
絵作りはスペイン人で設定されていますが、主人公のぺぺは日本人にしか感じられない奇妙さです。自転車ロードレースをを扱った意欲作でありながら、ほとんどスピード感や躍動感が出ていません。ゴール直前のスプリント勝負の描き方は監督の自己満足の世界で、伝わってくるものが皆無です。演出としては明らかに失敗しています。
今年のツール・ド・フランスは7/7から始まりますので、直前の景気付けとして時期は絶好のタイミングでしたが、盛り下がってしまいました。
| 固定リンク
コメント