1950年から始まったF1は今年58年を迎えた。日本人初のフルタイムF1ドライバーとして、中嶋悟が1987年開幕戦ブラジルGPからロータス・ホンダでデビューした。彼の粘り強い走りを「納豆走行」と呼ばれた。この年からF1を観戦して20年が経つ。そして今年(2007年)の最終戦ブラジルGPで長男の中嶋一貴がウィリアムズ・トヨタからデビューした。親子2代を応援することになる。感慨深い。
------------------------------------------
インテルラゴスサーキット、71周。
1986年(プロスト・ピケ・マンセル)以来21年ぶりに三つ巴となったタイトル争いが最終戦までもつれ込んだ。3位スタートのキミ=ライコネン(フェラーリ)が優勝して今季6勝目でドライバーズポイントを110として、ルイス=ハミルトンとフェルナンド=アロンソの109を逆転して、初となるワールドチャンピオンを獲得した。
10/21決勝(晴れ/ドライコンディション)
優勝[予選3位]キミ=ライコネン(フェラーリ)
2位 [予選1位]フェリッペ=マッサ(フェラーリ)
3位 [予選4位]フェルナンド=アロンソ(マクラーレン・メルセデス)
7位 [予選2位]ルイス=ハミルトン(マクラーレン・メルセデス)
10位[予選19位] 中嶋一貴(ウィリアムズ・トヨタ)
12位[予選18位] 佐藤琢磨(スーパーアグリHONDA)
リタイア[予選22位] 山本左近(スカイパー)
スターティンググリッドとドライバーズポイントは次の通り。
1位 フェリッペ=マッサ 86pt
2位 ルイス=ハミルトン 107pt
3位 キミ=ライコネン 100pt
4位 フェルナンド=アロンソ 103pt
ハミルトンが新人初の年間総合優勝に王手をかけている。
スタート直後にライコネンがハミルトンをかわして2位浮上。続いてアロンソもハミルトンを抜き、直後にオーバランでコースアウトしてハミルトンは一気に8位に落ちてしまう。ジャンカルロ=フィジケラ(ルノー)と山本左近がクラッシュした。コース上に部品が散らばったのでセーフティカーが入ると思われたが、そもまま続行。8周目にハミルトンが今度はギアボックス不調でスローダウンして18位まで下がる。もはやこれまでかと思わせたがスピードが戻り、順位を上げ始める。
32周目に中嶋一貴はピットストップで停止線に止まることが出来ずにピットクルーを轢いてしまう。轢かれたクルーは担架で運ばれるが、テレビカメラに向かって無事をアピール。
フェラーリの2台が順調に周回して、アロンソを含めた後続は徐々に引き離されてしまう。
残り21周でマッサが2回目のピットストップ。アロンソは残り19周で2回目。残り18周でライコネンが2回目のピットストップでコースに戻ったところマッサを逆転して1位に躍り出る。残り14周でハミルトンは3回目のピットストップで9位でコースに戻った。
ライコネンは66周目にファステストラップを叩き出して圧倒的な速さで悲願の初タイトルをもぎ取った。ハミルトンは7位まで追い上げた。
ハマルと速いが安定感の無いライコネンが最終戦で奇跡とも思える逆転劇を演じたのは、本当に熾烈だった今シーズンを象徴している。ミハエル=シューマッハが昨年引退して次の世代を担う若手の戦いが展開した。年間総合優勝をほぼ手中に収めていながら、驚異の新人ハミルトンは最後の最後にプレッシャーに負けた。アロンソも結局フェラーリの速さに追いつけなかった。マクラーレンはスパイ事件でコンストラクターズポイントが剥奪されたが、ハミルトンもアロンソも同ポイントでシーズンを終えたのは、結果として良かったのではないかと思う。
日本人にとってもスーパーアグリHONDAが2年目でポイントを獲得して嬉しさを実感できたし、最終戦では日本人ドライバーが3人となり、中嶋一貴は完走10位という見事なデビューを果たしたのは今後にとって朗報だ。
最近のコメント