映画『コラテラル』(お薦め度★★)
監督、マイケル=マン。2004年米。犯罪アクション映画。原題『COLLATERAL』。出演、トム=クルーズ(ヴィンセント)、ジェイミー=フォックス(マックス)、ジェイダ=ピンケット=スミス (アニー・検事)、マーク=ラファロ(ファニング)、ピーター=バーグ(リチャード)、ブルース=マッギル(ペドロサ)。コラテラルは、傍系の親戚、〔米〕担保物件、 見返り証券の意味だが、映画の中では巻き添えと訳している。
トム=クルーズの悪役ということで話題になりましたが、期待外れの出来でした。
冷血非情の殺し屋で依頼された仕事は完璧にこなすという人物設定なのですが、彼の行動から全くそう観えません。信じられないほど隙だらけで抜けています。このように場当たり的な仕事振りでは闇家業は続けられないと思うのですが...。にもかかわらず完璧な行動をしていると思い込んでいるヴィンセント(トム=クルーズ)という人物にはただただ呆れます。作品の根幹である悪役のキャラクターが揺らいでしまってはいくら非情を装ってもシラケルだけでした。そもそも何故このタクシー運転手(マックス)にこだわって手伝いを延々とさせるのか意味がわかりません。FBIと警察が徹底マークしているにも関わらず、成功を繰り返すといった展開はクライマックスではほとんど観続けることがつらくなってくるほどで、終盤にかけてご都合主義満載です。
マイケル=マン監督といえば『ヒート』(1995)が代表作です。究極のダンディズムをロバート=デニーロとアル=パチーノの2大スターで描いた秀作でした。大好きな作品でいまだに両者が激突するシーンは深く記憶に残っています。それと比べると本作は同じ監督とは思えない出来栄えでした。トム=クルーズやジェイミー=フォックスのファンにとっても納得できない映画ではないでしょうか。
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