映画『ウルトラヴァイオレット』(お薦め度★)
監督・脚本、カート=ウィマー。2006年米。SFアクション映画。出演、ミラ=ジョヴォヴィッチ(ヴァイオレット)、キャメロン=ブライト(シックス)、ウィリアム=フィクトナー(ガース)、ニック=チンランド(ダクサス)。
内容はほとんどありません。
謎のウィルスで超人的な身体能力を持つことになった"ファージ"の女戦士ヴァイオレットと、人間政府の黒幕ダクサスとの戦いを描いた物語です。前編CGで描かれています。「バイオハザード」シリーズのミラ=ジョヴォヴィッチがスタイリッシュなコスチューム姿で刀や拳銃を駆使して暴れまくります。アクションシーンはど派手でバレエのような舞で、本当に無駄の無い美しい動きが繰り返されます。バイオレンスはテンコ盛りなのですが、美しく感じられる格調高い映像になっています。すなわちほとんど現実感が無い劇画タッチのバーチャルなシーンが連続します。
物語としては子供(シックス)をダクサスから守ろうとするヴァイオレットの母性愛がテーマで、ジーナ=ローランズ主演の『グロリア』(1980)に似ています。1999年にシャローン=ストーンがグロリアを演じてリメイクがつくられています。本作も設定を真似たのでしょうが、本当に中味が伴いませんでした。背景や理由をほとんど説明せずにアクションに重点をおいてストーリーを進行させた脚本は絶望的と言えるでしょう。ラストもだいたいこんな感じで終わるだろうと予測できてしまいました。久しぶりに途中で観るのを止めたいと感じた作品でした。
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