映画『Wの悲劇』(お薦め度★★★★)
監督、澤井信一郎。原作、夏樹静子。1984年日本。恋愛サスペンス映画。出演、薬師丸ひろ子、世良公則、三田佳子、三田村邦彦、高木美保、蜷川幸雄、志方亜紀子、清水紘治、南美江、草薙幸二郎、西田健、香野百合子、日野道夫、仲谷昇、梨本勝、福岡翼、須藤甚一郎、藤田恵子。
日本映画史に残る傑作です。
上映当時に劇場観賞して非常に気に入り、その後LD(レーザーディスク)化されるのを待って購入し繰り返し観ました。十数回は観たことでしょう。最近WOWOWで角川映画特集として本作がピックアップされたため、十数年ぶりに改めて観ました。製作されてもう23年になるのですね。
何度観ても思うのですが、編集が極めて優れており無駄がありません。108分の短めの上映時間でありながら多くの要素がわかりやすく詰まっています。劇中劇とヒロインの生き方をクロスさせてクライマックスに持っていく脚本の完成度が高く、何度観ても感動します。劇中劇では名立たる舞台俳優を起用して本格的なステージを演出しました。蜷川幸雄はリアルそのものです。何んといっても三田佳子の演技は圧巻でした。女優としての存在感がほとばしっており、女優の中の女優という華やかさが前面に出ています。
薬師丸ひろ子のアイドル映画でありながらこれだけ深い物語にまとめた澤井信一郎監督の手腕は素晴らしいものがありました。後にも先にもこの作品を抜くアイドル映画は登場していません。本作以降の活躍を期待したのですが、残念ながらこれ以上のものをつくる事は出来なかったようです。
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