映画『小さな中国のお針子』(お薦め度★★)
監督・原作・脚本、ダイ=シージエ。2002年フランス。史実映画。出演、ジョウ=シュン(お針子)、リィウ=イェ(マー)、チェン=クン(ルオ)、ツォン=チーチュン(仕立屋)。ダイ=ジージエ自らフランス語で書いた世界的ベストセラー小説『バルザックと小さな中国のお針子』を映画化。
ピンと来ません。
1971年、文化大革命の最中の中国が舞台で、下放政策によって僻地で再教育を受けた学生2人が、文盲の少女と出会って彼女が新しい人生に目覚めるという物語です。文化大革命を扱った映画といえば、チェン=カイコー『さらば、わが愛/覇王別姫(はおうべっき)』(1993)とチャン=イーモウの『活きる』(1994)が有名です。この2作品と比べて本作は説得力がありません。終盤は現代に一気に場面が移ってしまって、激動の時代を生き抜いたという痛みが全く伝わってきません。中国人監督でないという弱点が出てしまったように感じます。さらに新しい人生に目覚めたお針子の消息が描かれていないので消化不良になりました。ちなみに中国では上映されていないようです。
ヒロインとなった現代中国新4大女優のジェウ=シュンは初めてですが、作品と同様に女優として伝わってくるものがありませんでした。
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