映画『どろろ』(お薦め度★★★)
監督、塩田明彦。アクション監督、チン=シウトン。原作、手塚治虫。2007年日本。アニメ実写版映画。PG-12指定。出演、妻夫木聡(百鬼丸)、柴咲コウ(どろろ)、中井貴一(醍醐景光)、原田美枝子(百合)、瑛太(多宝丸)、麻生久美子(お自夜・どろろの母)、杉本哲太(鯖目)、土屋アンナ(鯖目の奥方)、劇団ひとり(チンピラ)、中村嘉葎雄(琵琶法師)、原田芳雄(寿海・呪医師)。
予想以上に面白い作品です。
映像に関しては期待以上でした。これまでの妖怪映画と違って、特撮が安っぽく見えません。全体の映像の色を暗めに設定して、CGの印象を本物らしく感じさせています。『黄泉がえり』の塩田明彦監督が総製作費20億円をかけただけのことはあります。ニュージーランドでロケを行い邦画としては壮大なスケールで映画化されており、興行収入は34億円の大ヒットを記録しました。
漫画の『どろろ』は、連載時に読んでいたと思うのですが、子供の頃だったので百鬼丸が妖怪退治をする部分しか記憶にありません。そもそもの設定やラストがどうなったかも忘れていました。映画化されて、父と子の戦いという骨肉の争いという深刻なテーマだったことがわかり物語に引き込まれました。脚本がこのテーマに絞り込んで妖怪退治をテンポ良く処理したことで、クライマックスでの父子対決が際立ちました。どろろを女性にしたのも成功しています。妻夫木聡と柴咲コウのコンビが光っていました。ただし、残念なのは結末が納得しにくいものになったことです。情緒的に舵を切る必要はなかったのではないでしょうか。
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