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2008.02.29

映画『オープン・シーズン<日本語吹替版>』(お薦め度★★★)

監督、ロジャー=アラーズ、ジル=カルトン、アンソニー=スタッチ。脚本、スティーヴ=ベンチック、ロン=J=フリードマン、ナット=モールディン。2006年米。アニメ映画。声の出演、石塚英彦(ブーグ・熊)、八嶋智人(エリオット・鹿)、木村佳乃(ベス・パークレンジャー)、北川勝博(ライリー・ビーバーの親方)、内田直哉(ショー・町で一番たちの悪いハンター)、園崎未恵(ジゼル・雌鹿)、富田耕生(マックス・りす族のリーダー)、楠大典(イアン・鹿のボス)、PUFFY(マリア&ロージー・スカンクのコンビ)。ソニー・ピクチャーズが初めて手がけたフルCGアニメ作品。オープン・シーズンは狩猟解禁日のこと。

思ったほど盛り上がりません。
個性溢れるキャラクター作りが出来ていますが、活かしきれていません。もっと面白くなる要素があるのですが、ストリーテリングが弱く割りと淡白な印象を受けました。悪役のショーが無教養で魅力が無かったので、主人公たちの活躍が目立たなかったのだと思います。ブーグとベスの関係も深さが感じられなかったので、作品としての重みが出てこなかったのでしょう。キャラクターデザインの統一性に欠けていて、愛着を持たれるものになっていませんでした。例えばキャラクターをぬいぐるみにしても鹿のエリオット以外は受けないと思われます。ソニー・ピクチャーズとしては満を持して投入したアニメだったのでしょうが、ピクサーやドリームワークスの作品と比べて数段劣っています。巻き返しはかなり難しいと感じますが、さて次回作はどうなるのでしょうか。

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2008.02.28

熊本出張

熊本出張
羽田、熊本ともに快晴です。

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2008.02.27

映画『レディ・イン・ザ・ウォーター』(お薦め度★★)

監督・脚本、M=ナイト=シャマラン。2006年米。ファンタジー映画。出演、ポール=ジアマッティー(クリーブランド=ヒープ・管理人)、ブライス=ダラス=ハワード(ストーリー)、ボブ=バラバン(ハリー=ファーバー)、ジェフリー=ライト(デュリー氏)、M=ナイト=シャマラン(ビッグ=ラン・弟)、サリタ=チョウダリー(アナ=ラン・姉)、フレディー=ロドリゲス(レジー)、ビル=アーウィン(リーズ氏)、ジェレッド=ヘアイズ(あごひげのスモーカー)。

本題となるおとぎ話がよくわかりません。
どうしても「水の精」が陸に上がって空から帰るのか納得できない。説得力の無いM=ナイト=シャマラン監督の創作童話のうえに映像化された作品です。いかに彼の観客を引き込むテクニックが冴えていても、ストーリー性が低いのでどこか新興宗教っぽい集団ヒステリー状態が描かれたようにしか観えません。ミステリアスな小品にもかかわらずよくぞメジャー作品として仕上げたものだとあきれてしまいます。前作『ヴィレッジ』以上にどこかズレている印象です。
ヒロインは前作に引き続きブライス=ダラス=ハワードを再び起用しています。本作では怯えるだけの役のせいで魅力的には感じませんでした。

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2008.02.26

映画『DOOM ドゥーム <特別版>』(お薦め度★★)

監督、アンジェイ=バートコウィアク。脚本、デヴィッド=キャラハム、ウェズリー=ストリック。2005年アメリカ・チェコ。SFホラー映画。R-15指定。出演、カール=アーバン(ジョン=グリム/リーパー)、ザ・ロック(サージ)、ロザムンド=パイク(サマンサ=グリム)、ラザーク=アドティ(デューク)、デオビア=オパレイ(デストロイヤー)、ベン=ダニエルズ(ゴート)、デクスター=フレッチャー(ピンキー)。FPS(一人称視点シューティング)ゲームの黄金期を築いた名作を映画化。特別版は劇場版より10分長い114分。

謎のモンスターが陳腐過ぎます。
ゲームが原作となるほとんどの映画は、敵対するモンスターを十分に設計していないため、物語が薄っぺらになります。最終的には中味の無い"ゾンビ"対"人間"の戦いで終わってしまいそれ以上の作品性は望めません。舞台となる火星の設定や登場する武器のクールなデザインは高いレベルにありましたが、モンスターを倒すだけの内容で終盤はしらけました。同じSFホラーでも『エイリアン』や『プレデター』と比べると数段落ちます。
キャスティングも難有りでした。ヒロインを演じたロザムンド=パイクはイギリス人らしく品がある美人女優で、『プライドと偏見』のおしとやかな長女役とは違ってアグレッシブな女性科学者を演じていました。凄惨な舞台では凛とした美しさを感じましたが、あまりに表情に乏しく魅力的な女優には感じられませんでした。奇妙だったのはザ・ロックが主人公だとばかり思っていたのですが、ラストではそうではなくなってしまいます。全く監督の意図がわかりません。どんでん返しとも違ったしっくりしない内容でした。

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2008.02.25

2/15にリニューアルした100円マックコーヒーのお味?

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2/5、9発売の雑誌「DIME」に、全国のマクドナルドで2/15からリニューアルされたコーヒーの無料券が付いています。2/15~3/3までの有効期間が設定されています。「DIME」では初のコラボ企画ですね。利用しました。

リニューアル後の名称を"プレミアムローストコーヒー"としてTVのCMで盛んに放映されています。
今までのマクドナルドのコーヒーは水っぽく美味しいとは言えませんでした。安かろう悪かろうという典型的な商品で、サイズがMになると持て余していました。

さて、リニューアルされたものはどうでしょうか?

水っぽさが改善されて、濃さと苦味が増したようです。しかし、単品で飲みたくなる代物ではありません。この味ではコーヒーブレイクはありません。あくまでもハンバーガーを食べるときの飲み物という位置付けです。マクドナルドは味よりも低価格を選ぶ戦略を取ったようです。100円という低価格を維持していますので安さの評価はあると思いますが、味わいにに関してはコーヒー専門チェーンには遠く及びません。
それにしてもこれほど大袈裟な名前に改称すべきだったのでしょうか?誇大としか言いようがありません。プレミアムロー"コ"ストコーヒーなら納得します。

マクドナルドのサイトから「オリコン顧客満足度調査 買いたいコーヒー№1はどこ?」にリンクが貼られていました。意外でした。マクドナルドが1番なのですね。

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2008.02.24

映画『プライドと偏見』(お薦め度★★★)

監督、ジョー=ライト。脚本、デボラ=モガー。原作、ジェーン=オースティン『高慢と偏見』。2005年イギリス。文芸映画。出演、キーラ=ナイトレイ(エリザベス=ベネット)、マシュー=マクファディン(Mr.ダーシー)、ドナルド=サザーランド(Mr.ベネット)、ブレンダ=ブレシン(ベネット夫人)、ロザムンド=パイク(ジェーン=ベネット・長女)、ジュディ=デンチ(キャサリン夫人)、サイモン=ウッズ(Mr.ビングリー)、ルパート=フレンド(Mr.ウィッカム)、トム=ホランダー(Mr.コリンズ)、クローディー=ブレイクリー(シャーロット=ルーカス)、ジェナ=マローン(リディア=ベネット)、キャリー=マリガン(キティ=ベネット)、タルラ=ライリー(メアリー=ベネット)。

とろけるようなラストに男の俺でも惚れ惚れしました。
格調高い美しいラブストーリーです。キーラ=ナイトレイとマシュー=マクファディンのキャスティングは絶妙です。キーラ=ナイトレイが有名なので予告が男性向けになったように感じますが、内容的にはより女性に支持される作品でしょう。イギリス映画ならではの気品が溢れています。文芸作品らしい仕上がりで、18世紀末イギリスの田舎町の風景を雄大に描いています。ジョー=ライト監督の映像センスは見事です。本作が長編デビューということで次回作が非常に楽しみです。再びキーラ=ナイトレイを起用した『つぐない』がGWで公開されますので、映画館で観賞しようと思います。

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2008.02.23

映画『ディパーテッド』(お薦め度★★★)

監督、マーティン=スコセッシ。脚本、ウィリアム=モナハン。2006年米。犯罪サスペンス映画。R-15指定。出演、レオナルド=ディカプリオ(ビリー=コスティガン)、マット=デイモン(コリン=サリバン)、ジャック=ニコルソン(フランク=コステロ)、レイ=ウィンストン(ミスター=フレンチ)、ベラ=ファーミガ(マドリン)、マーティン=シーン(クイーナン警部)、マーク=ウォールバーグ(ディグナム)、アレック=ボールドウィン(エラービー)、アンソニー=アンダーソン(ブラウン)。大ヒットした香港ノワール『インファナル・アフェア』のハリウッドリメイク作品。第79回2006年アカデミー賞作品賞、監督賞、脚色賞、編集賞受賞。マーティン=スコセッシ監督は本作で6度目の監督賞候補となり、ついに悲願のオスカー初受賞となった。

オリジナルの雰囲気を十分に消化してハリウッドらしい作品に仕上げています。
脚本はかなり練り込んであります。ラストもオリジナルと違ってしっかりと完結していました。本作の終わり方のほうが納得できますし、スッキリ感があります。ただし、物語の完成度としてはそれほど高くはないでしょう。オリジナルに無くて重要なキーとなるフランク=コステロとFBIの関わりがよくわかりません。また、マドリンとビリー、コリンの相関も重要そうでありながら、ストーリー展開に絡まず淡白に扱われていました。人間関係や背景設定でいろいろ弱点がありますが、演出や編集で一気に観せるので粗さはそれほど感させませんでした。アカデミー賞主演男優賞にノミネートされませんでしたが、レオナルド=ディカプリオが熱演していたと思います。

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2008.02.22

映画『ホテル・ルワンダ』(お薦め度★★★)

監督、テリー=ジョージ。脚本、テリー=ジョージ、ケア=ピアソン。2004年イギリス・イタリア・南アフリカ。戦争映画。出演、ドン=チードル(ポール=ルセサバギナ)、ソフィー=オコネドー(タチアナ=ルセサバギナ)、ホアキン=フェニックス(ジャック=ダグリッシュ・TVクルー)、ニック=ノルティ(オリバー大佐)、デズモンド=デュベ(デュベ)、デヴィッド=オハラ(デイヴィッド)、カーラ=セイモア(パット=アーチャー)、ファナ=モコエナ(ビジムング将軍)、ハキーム=ケイ=カジーム(ジョルジュ=ルタガンダ)、トニー=キゴロギ(グレゴワール)、ジャン=レノ(ホテルの本部責任者)。日本では劇場公開が決まらず、ネット上で上映嘆願運動が盛り上がった結果、ようやく2006年に公開に漕ぎつけた社会派映画。

虐殺の怖さがリアルに伝わってきました。
ルワンダでは長年ツチ族とフツ族が対立していて、1990年に内戦が勃発、フツ族至上主義者たちがツチ族やフツ族穏健派を100万人虐殺したといわれる実話を映画化しています。アフリカ版『シンドラーのリスト』と呼ばれる問題作です。違いはシンドラーは身の安全が確保された立場でしたが、本作は主人公自信が生命の危機に直面したことです。よくぞこの極限状況の中でホテル支配人である主人公が機転を利かせて1200人あまりの人々と脱出できたのは奇跡としか言いようがありません。自分だけでも生き延びれるかわからないのに、家族とホテルに避難を求めた人々を守ろうとする姿勢に、人間の尊厳と勇気を教えられました。
公開時、映画館で観るのを躊躇しました。あまりに重たいテーマなのでTV放映されるまで待ちましたが、HDレコーダーに録画した後も半年余り避けてきました。予想通り観るのがとても辛い作品でした。

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2008.02.21

香港スター俳優エディソン=チャンがスキャンダルで引退!

「インファナル・アフェア」シリーズ、『頭文字(イニシャル)D THE MOVIE』でお馴染みの香港若手スター俳優のエディソン=チャンが本日2/21引退を表明したようです。どのようなスキャンダルだったのか調べたところ、次の記事で詳細がわかりました。

<早分かり><写真流出>芸能界最大の醜聞、エディソンの引退劇で収束か=「キラ」の行方は?―香港(Record China)

1/28にエディソン=チャンとジリアン=チョンの猥褻写真がBBSに流出して、その後も彼と関係のあった女優のセシリア=チャンなどの写真が流出した模様です。驚きました。ジリアン=チョンは香港の人気アイドルデュオ"Twins"の1人で、彼とは『ツインズ・エフェクト』と『花都大戦 ツインズ・エフェクトⅡ』で共演しています。セシリア=チャンは『PROMISE』でヒロインを演じていました。3本とも観ておりこのブログでもレビューをしています。これはもう大変な醜聞です。
写真の出所はエディソン=チャンが修理に出したパソコンということでした。

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映画『TANNKA 短歌』(お薦め度★)

監督、阿木燿子。脚本、阿木燿子、岩下悠子。原作、俵万智『トリアングル』。恋愛映画。R-15指定。出演、黒谷友香(薫里)、黄川田将也(圭)、村上弘明(M・フリーカメラマン)、高島礼子(しほ・バーの女主人)、西郷輝彦(岡本・バーの常連客)、萬田久子(大里響子・大物女優)、中山忍(美佳・友人)、本田博太郎(小田切・編集長)。

都合のいいキャラクターをSEXと短歌で繋いだだけの人間模様という印象しかありません。
昔の日活ロマンポルノのような映画です。意外と濡れ場が多いのですが、エロチックではありません。黒谷友香の演技力不足もありますが、明らかに監督の技量が悪いとしか言いようがありません。映像は鮮明でなく、古いフィルムをみせられているように感じました。登場人物の台詞が日常会話になっておらず、かなり不自然です。人間関係も単調でまるっきり登場人物同士の人としての繋がりが感じられません。生身の人間が描かれていません。よっぽどセンスの無い監督だと思ってエンドロールを観ていたら監督は阿木燿子ではありませんか。どおりで。何を間違えて撮らせてしまったんだろうというのが率直な感想です。
キレイなお姉さんとして売ってきた主人公の黒谷友香は、乳首まで露出して薫里役に意欲的に臨みましたが、本作のような低レベルの作品では大変勿体無いことをしたと思います。

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2008.02.20

映画『ベルリン・天使の詩』(お薦め度★★)

監督、ヴィム=ヴェンダース。脚本、ヴィム=ヴェンダース、ペーター=ハントケ。1987年西ドイツ・フランス。ファンタジー映画。出演、ブルーノ=ガンツ(天使ダニエル)、ソルヴェーグ=ドマルタン(マリオン・空中ブランコ演技者)、オットー=ザンダー(天使カシエル)、クルト=ボウワ(ホメーロス)、ピーター=フォーク(ピーター=フォーク・本人)。1987年カンヌ国際映画祭監督賞受賞。1990年ドイツ統一前の作品。

良さがわかりません。
長い間この映画は名作なのだろうと思っていました。やっと観ることが出来ました。タイトルから受ける印象からかなりギャップがありました。天使が人間に恋して自分も人間になるという物語です。抑揚が無く監督が意図するところが伝わってきません。白黒映画で所々にカラー映像が入ってきます。ヒロインのソルヴェーグ=ドマルタンがカラーで観ると若くてきれいな人だということが印象に残った程度で、天使が人間になると天然色になるということを明示しているようなのですが、演出の意味がよくわかりませんでした。
ベルリンの壁があった時代に撮られた作品なので、その時代性を象徴したものとして評価されたのでしょうか。どうも本作のような格調高く評価されたものは解釈が出来ません。

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2008.02.19

映画『DOA/デッド・オア・アライブ』(お薦め度★)

監督、コリー=ユン。脚本、J=F=ロートン、アダム=グロス、セス=グロス。2006年イギリス・ドイツ・アメリカ。アクション映画。出演、ジェイミー=プレスリー(ティナ)、デヴォン青木(かすみ)、ホリー=ヴァランス(クリスティ)、サラ=カーター(エレナ)、ナターシャ=マルテ(あやね)、エリック=ロバーツ(ドノヴァン)、ケイン=コスギ(リュウ=ハヤブサ)。1996年に誕生した世界的大ヒット3D格闘ゲームを実写映画化。

酷すぎます。観なきゃよかった映画です。
全編を通じて良いところはありません。脚本はダメダメです。中味はまるでありません。目玉となるアクションはお色気で興味を引かせるだけで、格闘技シーンは観るべきものはありません。日本人という設定にもかかわらずキャスティングは無理があります。冒頭から日本国が登場しますが、日本ではあり得ない中国の宮殿での登場となります。いきなりヘンチクリンで建物がCGによる手抜きです。これほど見所が無い作品も珍しいです。圧倒的に面白いアクション映画『トランスポーター』を監督したコリー=ユンの作品とは思えません。信じられない駄作でした。

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パシフィコ横浜 会議センター

パシフィコ横浜 会議センター
2007年度日本経営品質賞(JQA)報告会に初参加しました。2日目のみ。
写真の左はヨコハマ グランド インターコンチネンタル ホテルです。隣接する会議センターは初めて入りました。会議場として立派な施設です。

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2008.02.18

映画『アマデウス <ディレクターズ・カット>』(お薦め度★★★)

監督、ミロス=フォアマン。原作・脚本、ピーター=セイファー。2002年米。史実映画。出演、 F=マーレイ=エイブラハム(アントニオ=サリエリ)、トム=ハルス(ヴォルフガング=アマデウス=モーツァルト)、エリザベス=ベリッジ(コンスタンツェ=モーツァルト)、ロイ=ドートリス(レオポルド=モーツァルト)、サイモン=キャロウ(エマヌエル=シカネイダー)、ジェフリー=ジョーンズ(皇帝ヨーゼフ二世)、リチャード=フランク(フォーグラー神父)。第57回1984年アカデミー賞8部門受賞したオリジナル作品(160分)に新たな映像が20分追加されたもの。

オリジナルとはだいぶ趣が異なった作品になっています。
オリジナルの『アマデウス』は誰もが評価する作品でしょう。過去にDVD化されたのを機に購入して過去何回も観ていました。才能と人格が一致せずに、非業の晩年を迎える彼の短い生涯をサスペンス・ミステリー調に仕上げ、モーツァルトの名曲が効果的に組み込まれた傑作です。ディレクターズ・カット版が18年後に登場していたのですが、オリジナル同様に映画館で観賞できていません。20分追加されて3時間の長編となってどのようなものに変わったのか、オリジナルと比べてどのように評価できるのか興味が尽きず一気に観賞しました。オリジナル以上にサリエリがモーツァルトを妬んで足を引っ張った様子が確認できます。本当に天才の彼を恨んでいたのが伝わってきました。
オリジナルと比べると本作のほうが、サリエリとモーツァルトの関係がより密接に描かれています。オリジナルでは後半ホラーテイストでおどろおどろしい効果で作品に引き込んでいきますが、本作はサリエリのしつこ過ぎるほどの嫉妬で最期までモーツァルトの傍にいたことがわかる内容になっています。面白さの点で言えばやはりオリジナルのほうが興行的な成功を収めただろうと感じます。ディレルターズ・カット版では物語の納得性は高いもののモーツァルトの悲劇性が弱まってしまっています。どちらかを選ぶとしたらやはりオリジナルに軍配があがります。

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2008.02.17

映画『オリバー・ツイスト』(お薦め度★★★)

監督、ロマン=ポランスキー。脚本、ロナルド=ハーウッド。2005年イギリス・チェコ・フランス・イタリア。文芸映画。出演、バーニー=クラーク(オリバー=ツイスト)、ベン=キングズレー(フェイギン・窃盗団の頭でユダヤ人)、ハリー=イーデン(アートフル=ドジャー・フェイギン配下のスリ少年)、ジェイミー=フォアマン(ビル=サイクス・フェイギンの仲間)、エドワード=ハードウィック(ブラウンロー氏・ペントンヴィルに住む紳士)、リアン=ロウ(ナンシー・ビルの情婦)。文豪チャールズ=ディケンズの名作を映画化。

シンプルながら重厚で丁寧な作風で文芸作品に相応しい仕上がりです。
1830年代のロンドンが舞台で、イギリスにおける下層階級が描かれています。主人公のオリバーは孤児であることで泥棒生活を余儀なくされますが、当時のどうしようもない社会体制が不幸な子供たちを生んでしまったことが十分に伝わってきます。前作の『戦場のピアニスト』よりも本作に好感を持ちました。小中学生に是非観せたい秀作です。
主人公のバーニー=クラークが良い存在感でした。意志が強くも弱くも無く、運命に翻弄されてしまう少年役を好演していました。

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2008.02.16

映画『グリーン・デスティニー』(お薦め度★★★)

監督、アン=リー。脚本、ワン=ホエリン、ジェームズ=シェイマス、ツァイ=クォジュン。2000年アメリカ・中国。武侠映画。出演、チョウ=ユンファ(リー=ムーバイ)、ミシェル=ヨー(ユー=シューリン)、チャン=ツィイー(イェン)、チャン=チェン(ロー)、チェン=ペイペイ(碧眼狐狸)。第73回(2000年)アカデミー賞4賞受賞。外国語映画賞、撮影賞(ピーター=パウ)、作曲賞(タン=ドゥン)、美術賞(ティミー=イップ)。

 

以前地上波で日本語吹替版で観ています。改めて字幕版を観賞しました。
ワイヤーアクションと刀剣アクションは今観ても圧巻です。スピーディで華麗な舞いは輝きを失いません。竹林の戦いも現実離れしているものの印象深いものがあります。その後の中国映画に多大な影響を及ぼしたのも納得できました。チャン=イーモウ監督の『HERO 英雄』(2002)が本作からインスピレーションを受けて作成されたのがよくわかりました。製作のビル=コン、音楽のタン=ドゥンが同じ顔ぶれで雰囲気がかなり似ています。『HERO 英雄』に深く感動しましたが、本作を先に観ていたらインパクトが薄れていたことでしょう。
ところで、1回目の感想はストーリーがよくわからないことでしたが、やはり2回観てもよくわかりませんでした。深い物語のようでありながら、展開が理解できません。そもそもリ=ムーバイが名剣"グリーン・デスティニー"を手放す理由が理解できません。災いが起こることは必然だったにもかかわらず、あまりに配慮がなさ過ぎます。手放したことによって師匠と同じ運命を辿るというのも訳のわからなさがあります。そして無理矢理イェンに奥義を伝授しようとすることも彼女のラストもわかりませんでした。作品そのものはそれなりに面白いのですが、元々の設定や構造に共感できません。
アン=リー監督は台湾出身というとが、本作のレビューを書く上でわかりました。本格アクション映画の原点となった作品の監督が香港や中国本土の人間でなかったことが意外でした。

 

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2008.02.15

映画『胡同(フートン)のひまわり』(お薦め度★★★)

監督、チャン=ヤン。脚本、チャン=ヤン、ツァイ=シャンチュン、フォ=シン。2005年中国。家族ドラマ映画。出演、スン=ハイイン(ガンニャン・父)、ジョアン=チェン(母)、リウ=ツーフォン(ラオ=リウ・隣人)、チャン=ファン(少年時代9歳のシャンヤン)、ガオ=グー(19歳時代のシャンヤン)、ワン=ハイディ(大人32歳のシャンヤン)、チェン=ユエ(19歳時代のガールフレンド)、リャン=ジン(シャンヤンの妻)、リー=ビン(シャンヤンの幼なじみ)。胡同(フートン)とは、北京の伝統的民家、四合院が立ち並ぶ路地。2008年の北京オリンピックを前に近代化のため、その姿を消そうとしている。

秀作です。
文革によって画家の道を断たれた父親が息子に画家の夢を託し、息子はそれに反発を繰り返すという愛憎劇です。1976年に父親が強制労働から6年ぶりに帰宅するところから物語は始まります。日本の教育パパと違って、かなり支配的な父親です。息子を成功させるために徹底して指導し過干渉を繰り返します。当然ながら息子は抵抗を試みますが、結局は父親が決めた絵の道に進むというストーリー展開で、日本人には馴染めないものを感じました。俺がこの主人公であれば父親だけでなく母親も許さないでしょう。改めて中国人との根本的な違いを意識しました。
作品としては、父と子の普遍的な葛藤と親子の絆の強さを見事に描いています。また、隣人との相容れない描写も卓越していました。なんといっても頑固一徹の父親が最後にとった行動は彼らしい潔さでした。文化大革命から受けた呪縛を最後に自ら解き放った姿勢は立派です。
キャスティングが良いですね。個性的で演技力のある出演者たちに感心させられました。特に19歳当時の主人公の恋人を演じたチェン=ユエはチャン=ツィイーの次を担うと期待されている大型注目株だそうです。美人でかわいらしく、本当に惹きつける女優でした。初顔でしたが、かなり魅力的な存在で今後が楽しみです。

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2008.02.14

映画『ラッキーナンバー7』(お薦め度★★★)

監督、ポール=マクギガン。脚本、ジェイソン=スマイロヴィック。2006年米。クライム・サスペンス映画。R-15指定。出演、ジョシュ=ハートネット(スレヴン)、ブルース=ウィルス(グッドキャット)、ルーシー=リュー(リンジー)、モーガン=フリーマン(ボス)、ベン=キングズレー(ラビ)、スタンリー=トゥッチ(ブリコウスキー)。

映画という領域を最大限に活かした驚きの作品です。
非常に練りこまれた脚本です。サスペンス、クライム、ラブ、ミステリー、コメディと様々なジャンルのエッセンスを、重くも軽くも無い演出を用いて破壊的なバイオレンスを織り込んでいます。観終わった後に"ヤラレタ"感は無いものの、謎が解き明かされるシーンの巧みさには脱帽しました。いよいよ米国映画はアイデア低迷の時代から抜き出してきたように感じます。1つだけ難を言えば、R-15指定とならずに製作してもらいたいというところでしょう。あまりに凄惨なカットの連続に辟易させられます。表現方法を見直して多くの人に観てもらえる娯楽映画にすべきだと感じました。

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2008.02.13

映画『スナッチ』(お薦め度★★★)

監督・脚本、ガイ=リッチー。2000年米。犯罪群像劇映画。PG-12指定。出演、ジェイソン=ステイサム(ターキッシュ・非合法ボクシングのプロモーター)、スティーヴン=グレアム(トニー・ターキッシュの相棒)。デニス=フォリナ(アビー)、ヴィニー=ジョーンズ(ブレッド)、ブラッド=ピット(パイキー青年・ミッキー)、ベニチオ=デル=トロ(フランキー)。マドンナの夫としても注目を集める英国ガイ=リッチー監督の第2作目。スナッチ(snatch)とは、ひったくるの意。

イカシタ映画です。
バイオレンス・コメディとでも表現するのでしょうか?もっと早くに観るべきでした。ブラッド=ピットの代表作だとばかり思っていたのですが、主演はジェイソン=ステイサムなのですね。気に入りました。
犯罪を扱っているのに妙に暴力的な緊張感が無く、独特のテイストで脱力感が抜群です。特にベニチオ=デル=トロの役には驚きました。準主役級クラスの俳優なのにあまりに酷い扱いで力が抜けました。笑えます。ロンドンを舞台にして八百長試合と86カラット・ダイヤ盗難事件が絡み合う一級のエンターテインメント作品です。

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2008.02.12

映画『ビー・ムービー<日本語吹替え版>』(お薦め度★★)

監督、スティーヴ=ヒックナー、サイモン=J=スミス。脚本、ジェリー=サインフェルド、スパイク=フェレステン、バリー=マーダー。2007年米。CGアニメ映画。声の出演、宮川一朗太(バリー=B=ベンソン)、日野由利加(ヴァネッサ)、小松史法(アダム=フレイマン・バリーの親友)、佐藤せつじ(シカッチ・蚊)、乃村健次(ケン・ヴァネッサのテニス仲間)。ドリームワークス制作。

あまりに突き抜けた物語で楽しめません。
ドリームワークスのアニメといえば『マダガスカル』のような傑作を期待したのですが、一番重要となる世界観が理解できません。ミツバチと人間の関わりが近過ぎて全く馴染めませんでした。小動物ならまだしも昆虫との距離があまりに密接ではシラケます。日本のアニメと違ってキャラクターが綿密に作りこまれているので、違う設定だったら十分に楽しめたと思います。空を飛ぶシーンの浮遊感が大変素晴らしく気持ちの良さを味わえました。
080211_173301映画を観た後でマクドナルドで昼食をとりました。2/1からハッピーセットにビー・ムービーのおもちゃが付いて来ます。左は「ダンシング・バリー」で"てあしをフリフリ、ダンスをするよ"、右は「アダム」で"あっちこっちあるきまわるよ"。

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2008.02.11

映画『硫黄島からの手紙』(お薦め度★★★)

監督、クリント=イーストウッド。脚本、アイリス=ヤマシタ。原作、栗林忠道『「玉砕総指揮官」の絵手紙』。2006年米。戦争映画。出演、渡辺謙(栗林忠道中将)、二宮和也(西郷)、伊原剛志(バロン西・西竹一中佐)、加瀬亮(清水)、中村獅童(伊藤中尉)、裕木奈江(花子・西郷の妻)。硫黄島での壮絶な戦いを、アメリカ側と日本側それぞれの視点から描く二部作の第2弾。

洋画だと全く感じさせません。
日本人の視点でしっかりと描かれています。日本人が日本人のためにつくったとぐらいに完成度が高い作品です。『父親たちの星条旗』の映像は一部使われているだけでした。同じ戦場が舞台でも双方の立場で全く異なる見え方になることを徹底して追及されていました。ただただクリント=イーストウッド監督の完全主義に脱帽です。
しかし、良く練られた脚本でありながら、観終わった後に何も残りません。彼の作品はほとんど感動を受けることはありません。緻密に構成されているにもかかわらず、『父親たちの星条旗』でも本作でも共感を覚えませんでした。これだけ質の高い映画でありながら、何も訴えるものが無いのです。正直物足りなさを感じました。
ちなみに、唯一彼の作品で感動したのはケヴィン=コスナー主演の『パーフェクト・ワールド』(1993)です。これは泣けて泣けて仕方がありませんでした。

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2008.02.10

映画『父親たちの星条旗』(お薦め度★★)

監督、クリント=イーストウッド。脚本、ウィリアム=ブロイレス=JR.、ポール=ハギス。原作、ジェームス=ブラッドリー『硫黄島の星条旗』『父親たちの星条旗』。2006年米。戦争映画。出演、ライアン=フィリップ(ジョン="ドク"=ブラッドリー・海軍衛生下士官)、ジェシー=ブラッドフォード(レイニ=ギャグノン・海兵隊)、アダム=ビーチ(アイラ=ヘイズ・海兵隊)、バリー=ペッパー(マイク=ストランク・海兵隊軍曹)、ジェイミー=ベル(ラルフ="イギー"=イグナトウスキー・海兵隊)、ポール=ウォーカー(ハンク=ハンセン・海兵隊)、ジョン=スラッテリー(バド=ガーバー・財務省のPR担当官)、ジョン=ベンジャミン=ヒッキー(キース=ビーチ・海軍のPR担当官)。硫黄島での壮絶な戦いを、アメリカ側と日本側それぞれの視点から描く二部作の第1弾。

米国の戦争は金ということを改めて考えさせられる映画です。
日本における硫黄島の決戦は玉砕という死を避けられない攻防であったのに、米国では擂鉢山の頂上に翻る星条旗を用いて戦意高揚のために戦時国債キャンペーンで戦費調達を行うというあまりにもギャップを感じさせる両国の戦いだったと思い知らされます。硫黄島を制圧したことで日本本土を攻撃する拠点を確保することになるのですが、米軍にとって手を焼いた戦いにもかかわらず、そこで活躍した米兵士であってもその後の半生は報われないあまりに寂しい結果で空しさしか感じさせません。結局、クリント=イーストウッド監督は、米国において戦争のための戦争を行う国家的システムに兵士は組み込まれているだけという現実を突きつけたのではないでしょうか。いわばある種の反戦映画と呼べなくもありません。

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2008.02.09

映画『ストロベリーショートケイクス』(お薦め度★★★)

監督、矢崎仁司。原作、魚喃キリコ『strawberry shortcakes』。脚本、狗飼恭子。2006年日本。女性群像劇映画。出演、池脇千鶴(里子)、中越典子(ちひろ)、中村優子(秋代)、岩瀬塔子(塔子)、加瀬亮(永井)、安藤政信(菊池)、チョウ=タミヤス(リー)、奥村公延(田所・里子の母の恋人)、中原ひとみ(町子・里子の母)、村杉蝉之介(森尾・デリヘル店長)、前田綾花(ミチル・デリヘル嬢)、宮下ともみ(ユリ・デリヘル嬢)、桂亜沙美(サキエ・デリヘル嬢)、伊藤清美(松下・里子の同僚)、諏訪太朗(秋代の客)、高取英(秋代の客)、保坂和志(秋代の客)、戌井昭人(秋代の客)、いしのようこ(女医)、矢島健一(編集長)、高橋真唯(近藤)。

女性に対して夢も希望も持てなくなりそうな内容です。
里子、ちひろ、秋代、塔子の4人の女性の生き方を描いていますが、はっきり言って観たくありませんでした。現代女性はここまで異様なのでしょうか。秋代が一番普通っぽいのですが、どの生き方も理解できません。あくまでもフィクションなのでしょうが、十年前にはありえない作品でした。既にここまで人間性が歪んでしまっているのかもしれません。現実はこの映画以上なのでしょう。これからの若い世代はどうやって生きて行けるのか絶望的になります。
矢崎仁司監督の力量は相当なものです。本作は原作がコミックとは思えないほど作品性が高く、ロジカルに作られています。厭世的な内容ながらラストは僅かながら希望を抱かせてくれます。

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2008.02.08

映画『パッチギ! LOVE&PEACE』(お薦め度★★★)

監督、井筒和幸。2007年日本。家族ドラマ映画。出演、井坂俊哉(アンソン・兄)、中村ゆり(キョンジャ・妹)、藤井隆(佐藤正之)、西島秀俊(野村健作)、キムラ緑子(オモニ・兄妹の母)、今井悠貴(チャンス・アンソンの息子)、風間杜夫(ビョンチャン)、手塚理美(キョンスン)、キム=ウンス(テオさん)、米倉斉加年(長老)、馬渕晴子(ホルモン屋のおばさん)、村田雄浩(朝鮮将棋のおじさん)、ラサール石井(三浦プロデューサー)、杉本哲太(根元監督)、麿赤兒(大物俳優)、でんでん(ライトエージェンシー社長)、寺島進(船長)、国生さゆり(お志摩・女優)、田口浩正(南プロデューサー)、すほうれいこ(なおみ・野村健作の元カノ)、宮川大輔(アイドル水中運動会のAD)、松尾貴史(ギャグ好きのおじさん)、清水優(ヨンギ)、桐谷健太(近藤好夫・応援団長)、田中要次(先輩運転士)、長原成樹(相手の選手)、浜田学(錦宏次郎・主演俳優)、菅原大吉(舞台挨拶の司会者)、田中哲司(取調官)、愛染恭子(スナックのママ)、木下ほうか(ヤクザ役の俳優)、新屋英子(故買屋の女店主)、中村有志(宇野重吉)、温水洋一(居酒屋のマスター)、木村祐一(済州島の船長)、ソン=チャンウィ(若い日のジンソン・兄妹の父)。『パッチギ!』の続編。

なかなか良かったです。
テーマは家族愛と反戦で直球勝負した清々しい作品です。人が人らしく生きていこうとする誇りが強く描かれています。素直に共感できました。物語の構成は十分に練られていました。ただし、井筒和幸監督はかなり力を入れ過ぎているように感じられました。大ヒットした前作を意識しないわけにはいかないでしょうが、"パッチギ!"のタイトルから当然用意される乱闘シーンは無理に付け足したようで、主人公の年齢から考えて難しいと言わざるおえません。もう少し別の展開を用意したほうがよかったのではと思います。
本作にはかなり多くの俳優が登場します。中でもキムラ緑子の演技がピカ一でした。病の孫を不憫に思う情感あふれる姿は心を揺さ振られました。とても実力のある役者です。ヒロインの中村ゆりも良いですね。本作が初顔ながら、とても気になりました。際立った美人でもとりわけ演技がうまいわけではないのですが、知的で清楚な雰囲気でありながら、妙に艶かしさを感じさる女性でした。前作も本作も"巨匠"の女優を選ぶセンスを支持します。

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2008.02.07

今シーズンの花粉スタート

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一昨日から鼻水が多くなって、痰がからむようになってきました。体調は昨年の同じ時期と比べて悪くはありませんが、どうもしっくりしません。2/1から稼動している環境省花粉観測システム(はなこさん)を毎日チェックしています。僅かながら花粉が飛散しました。いよいよ憂鬱なシーズン到来です。昨年に比べて1.5~3倍程度と予測されています。
花粉症対策に今日から「つくし飴」をなめ始めました。2006年から導入して3年目です。昨年中に8箱(160粒)準備しました。今年も「つくし飴」で乗り切ります。

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2008.02.06

映画『タイヨウのうた』(お薦め度★★★)

監督、小泉徳宏。原作・脚本、坂東賢治。2006年日本。ラブストーリー映画。出演、YUI(雨音薫)、塚本高史(藤代孝治)、麻木久仁子(雨音由紀・母)、岸谷五朗(雨音謙・父)、通山愛里(松前美咲・親友)。色素性乾皮症(XP:Xeroderma Pigmentosum)とは、光線過敏症の常染色体劣性遺伝性皮膚疾患のこと。

割りと納得できる作品です。
デビューしてそれほどキャリアが無い歌手が主演ということで興味が持てませんでした。また、ヒロインがXPという難病の設定も新たな不治の病が登場したくらいにしか感じませんでした。話題だけが先行する一種のアイドル映画とも疑っていました。
しかし、いろいろと無理な展開があるものの、普通に観賞できました。悲恋ながら大仰なところは少なく監督のセンスは好感が持てます。心配していたYUIの演技は不自然で無くそれなりでした。恋人役の塚本高史も好演していました。ちょっと気になったのは両親役です。岸谷五朗の演技は全体のトーンからは少し過剰で噛み合っていませんでした。麻木久仁子は演技以前でミスキャストでした。母親役は別の女優を起用すべきだったと思います。

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2008.02.04

映画『ブラックブック』(お薦め度★★)

監督、ポール=ヴァーホーヴェン。2006年オランダ・ドイツ・イギリス・ベルギー。戦争映画。出演、カリス=ファン=ハウテン(エリス/ラヘル)、セバスチャン=コッホ(ムンツェ・ドイツ軍将校)、トム=ホフマン(ハンス=アッカーマン)、ワルデマー=コブス(フランケン)、ハリナ=ライン(ロニー)、ドルフ=デ=ヴリーズ(スマール)。ポール=ヴァーホーヴェン監督が母国オランダに戻り、同国史上最高の製作費25億円を投じた戦争映画。

全く感情移入ができません。
二重三重の構造で大どんでん返しを用意しています。最初のうちはあまりの悲劇性に"何故"なのかとそのサスペンス性にひきつけられたものの、何度も何度もトラップを繰り返されては食傷気味になりました。あまりにテクニックに走り過ぎて、これでもかこれでもかと繰り返えされることによって、リアリティが無くなってしまいました。
ポール=ヴァーホーヴェンといえば好きな監督の1人でした。彼の作品の中で『ロボコップ』(1987)『トータル・リコール』(1990)『氷の微笑』(1992)は当時大ヒットして話題性があり、非常に興味をひきつけられました。しかし、本作は往年の片鱗は覗かせるものの、バランスを欠いており比較できるだけのレベルではありません。

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2008.02.03

映画『あなたを忘れない』(お薦め度★★)

監督、花堂順次。2006年日本・韓国。ヒューマンドラマ映画。出演、イ=テソン(イ=スヒョン)、マーキー(星野ユリ)、金子貴俊(風間龍次)、ジョン=ドンファン(イ=ソンデ・スヒョンの父)、大谷直子(高木五月)、原日出子(星野史恵・ユリの母)、竹中直人(平田一真・ユリの父)。2001年の新大久保駅乗客転落事故を題材にした映画だが、ウィキペディアを読む限りフィクション色が強い。

キレイに描き過ぎていました。
実話から離れたフィクションなので、最後の捧ぐのクレジットや本人の写真を入れる必要はありません。あくまでも実際の事故からインスピレーションを受けて創作した作品とすればいいだけです。基本的には善意の映画なのでしょうが、事実を知るとかなりのギャップを感じます。製作者は韓国と日本の架け橋的に考えたのでしょうが、この映画だけでは誤った認識しか残らないでしょう。それなりの作品だと思いますが、少なくとも子供たちには観せたくありません。
星野ユリを演じたマーキーは本作が映画デビューだそうですが、なかなか良い演技をしていました。ORANGE RENGEの弟分としてデビューした沖縄出身の6人組バンド、HIGH and MIGHTY COLORのヴォーカルだそうです。女優で歌がうまいのではなく、歌手で女優に挑戦したのですね。今後の活躍に期待したいと思います。

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2008.02.02

映画『日本以外全部沈没』(お薦め度★★)

監督、河崎実。監修、実相寺昭雄。原典、小松左京。原作、筒井康隆。2006年日本。コメディ映画。出演、小橋賢児(おれ)、柏原収史(古賀)、土肥美緒(明子)、松尾政寿(後藤)、ブレイク=クロフォード、キラ=ライチェブスカヤ、デルチャ=ミハエラ=ガブリエラ、リカヤ=スプナー、岡村洋一、イジリー岡田、つぶやきシロー、ジーコ内山、松尾貴史(天気予報士)、デーブ=スペクター、筒井康隆、黒田アーサー、中田博久、寺田農(博士)、村野武範(安泉首相)、藤岡弘、(石山防衛庁長官)。

本作が作られている情報を知っただけで興味を持ちました。
タイトルだけにつられて観ましたが、予想通り面白くありません。筒井康隆は、日本人の自虐的な世界観を他虐的に逆転させるという誰も考え付かないアイデアをよくぞ考えたものです。ただし、観る前からB級映画に宿命付けられた作品とわからせるのも凄いところです。映画館で観るものでは無いことは直感でわかりました。ともかく中味はチープで低予算そのもの。震災で都市が壊滅する特撮シーンは昔のTVシリーズの初代ウルトラマンよりも貧相でした。物語もナンセンスですね。地球規模の大災害が発生しているのに日本国内は能天気で自分だけ助かっていて、他民族を見下すという民族主義丸出しのブラックユーモア満載でした。
映画『日本沈没』のパロディになると思いきや、全く独自のオリジナル作品です。この点は製作者としての姿勢は立派です。そしてよくもまあ、こんなくだらない話を映画化したものです。その勇気と挑戦に敬意を表します。

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2008.02.01

映画『the EYE 3』(お薦め度★)

監督、オキサイド=パン、ダニー=パン。2005年香港・タイ。ホラー映画。出演、チェン=ボーリン(タク)、イザベラ=リョン(エイプリル)、ケイト=ヤン(メイ)、クリス=クー(コーファイ)、ボンコット=コンマライ(謎の美女)。パン兄弟の「the EYE 【アイ】」シリーズ第3弾。

ダメダメです。
1作目と比べ物になりません。同じシリーズと呼べる内容ではありません。2作目は何んとかシリーズとしての中味をキープしていたものの、3作目は転げ落ちたといえるでしょう。コメディタッチの青春ホラーで救われないラストが用意されています。怖いシーンは数箇所で、ホラーとしては落第です。2作目と同様にタイを舞台にしています。仏教なのに悪魔祓いを用意していて、ストーリーについてはどうしようもありません。ほとんど観る価値の無い作品です。ここまでシリーズ内の落差が激しいのも珍しいです。

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