映画『父親たちの星条旗』(お薦め度★★)
監督、クリント=イーストウッド。脚本、ウィリアム=ブロイレス=JR.、ポール=ハギス。原作、ジェームス=ブラッドリー『硫黄島の星条旗』『父親たちの星条旗』。2006年米。戦争映画。出演、ライアン=フィリップ(ジョン="ドク"=ブラッドリー・海軍衛生下士官)、ジェシー=ブラッドフォード(レイニ=ギャグノン・海兵隊)、アダム=ビーチ(アイラ=ヘイズ・海兵隊)、バリー=ペッパー(マイク=ストランク・海兵隊軍曹)、ジェイミー=ベル(ラルフ="イギー"=イグナトウスキー・海兵隊)、ポール=ウォーカー(ハンク=ハンセン・海兵隊)、ジョン=スラッテリー(バド=ガーバー・財務省のPR担当官)、ジョン=ベンジャミン=ヒッキー(キース=ビーチ・海軍のPR担当官)。硫黄島での壮絶な戦いを、アメリカ側と日本側それぞれの視点から描く二部作の第1弾。
米国の戦争は金ということを改めて考えさせられる映画です。
日本における硫黄島の決戦は玉砕という死を避けられない攻防であったのに、米国では擂鉢山の頂上に翻る星条旗を用いて戦意高揚のために戦時国債キャンペーンで戦費調達を行うというあまりにもギャップを感じさせる両国の戦いだったと思い知らされます。硫黄島を制圧したことで日本本土を攻撃する拠点を確保することになるのですが、米軍にとって手を焼いた戦いにもかかわらず、そこで活躍した米兵士であってもその後の半生は報われないあまりに寂しい結果で空しさしか感じさせません。結局、クリント=イーストウッド監督は、米国において戦争のための戦争を行う国家的システムに兵士は組み込まれているだけという現実を突きつけたのではないでしょうか。いわばある種の反戦映画と呼べなくもありません。
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