映画『硫黄島からの手紙』(お薦め度★★★)
監督、クリント=イーストウッド。脚本、アイリス=ヤマシタ。原作、栗林忠道『「玉砕総指揮官」の絵手紙』。2006年米。戦争映画。出演、渡辺謙(栗林忠道中将)、二宮和也(西郷)、伊原剛志(バロン西・西竹一中佐)、加瀬亮(清水)、中村獅童(伊藤中尉)、裕木奈江(花子・西郷の妻)。硫黄島での壮絶な戦いを、アメリカ側と日本側それぞれの視点から描く二部作の第2弾。
洋画だと全く感じさせません。
日本人の視点でしっかりと描かれています。日本人が日本人のためにつくったとぐらいに完成度が高い作品です。『父親たちの星条旗』の映像は一部使われているだけでした。同じ戦場が舞台でも双方の立場で全く異なる見え方になることを徹底して追及されていました。ただただクリント=イーストウッド監督の完全主義に脱帽です。
しかし、良く練られた脚本でありながら、観終わった後に何も残りません。彼の作品はほとんど感動を受けることはありません。緻密に構成されているにもかかわらず、『父親たちの星条旗』でも本作でも共感を覚えませんでした。これだけ質の高い映画でありながら、何も訴えるものが無いのです。正直物足りなさを感じました。
ちなみに、唯一彼の作品で感動したのはケヴィン=コスナー主演の『パーフェクト・ワールド』(1993)です。これは泣けて泣けて仕方がありませんでした。
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