映画『アマデウス <ディレクターズ・カット>』(お薦め度★★★)
監督、ミロス=フォアマン。原作・脚本、ピーター=セイファー。2002年米。史実映画。出演、 F=マーレイ=エイブラハム(アントニオ=サリエリ)、トム=ハルス(ヴォルフガング=アマデウス=モーツァルト)、エリザベス=ベリッジ(コンスタンツェ=モーツァルト)、ロイ=ドートリス(レオポルド=モーツァルト)、サイモン=キャロウ(エマヌエル=シカネイダー)、ジェフリー=ジョーンズ(皇帝ヨーゼフ二世)、リチャード=フランク(フォーグラー神父)。第57回1984年アカデミー賞8部門受賞したオリジナル作品(160分)に新たな映像が20分追加されたもの。
オリジナルとはだいぶ趣が異なった作品になっています。
オリジナルの『アマデウス』は誰もが評価する作品でしょう。過去にDVD化されたのを機に購入して過去何回も観ていました。才能と人格が一致せずに、非業の晩年を迎える彼の短い生涯をサスペンス・ミステリー調に仕上げ、モーツァルトの名曲が効果的に組み込まれた傑作です。ディレクターズ・カット版が18年後に登場していたのですが、オリジナル同様に映画館で観賞できていません。20分追加されて3時間の長編となってどのようなものに変わったのか、オリジナルと比べてどのように評価できるのか興味が尽きず一気に観賞しました。オリジナル以上にサリエリがモーツァルトを妬んで足を引っ張った様子が確認できます。本当に天才の彼を恨んでいたのが伝わってきました。
オリジナルと比べると本作のほうが、サリエリとモーツァルトの関係がより密接に描かれています。オリジナルでは後半ホラーテイストでおどろおどろしい効果で作品に引き込んでいきますが、本作はサリエリのしつこ過ぎるほどの嫉妬で最期までモーツァルトの傍にいたことがわかる内容になっています。面白さの点で言えばやはりオリジナルのほうが興行的な成功を収めただろうと感じます。ディレルターズ・カット版では物語の納得性は高いもののモーツァルトの悲劇性が弱まってしまっています。どちらかを選ぶとしたらやはりオリジナルに軍配があがります。
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