映画『ザ・ダーク』(お薦め度★★★)
監督、ジョン=フォーセット。脚本、スティーヴン=マシコッテ。2005年イギリス・ドイツ。ホラー映画。出演、マリア=ベロ(アデル・母)、ショーン=ビーン(ジェームズ・父)、ソフィー=スタッキー(サラ・娘)、アビゲイル=ストーン(エブリル・少女)、モーリス=ローヴ(ダフィッド)、リチャード=エルフィン(ローワン)。
ヒネリの効いた上質なサスペンス・ホラーです。
脚本が秀逸です。クライマックスからラストにかけての展開は唸らせるほどのキレがあります。ゾンビでも幽霊でもない存在との現実的な対峙は、あまり使われない設定で新たな驚きを感じました。一見ハヤリの泣かせる感動ホラーと思いきや、ハードボイルド的にいろいろな要素を絡み合わせた独創的な物語になっています。ともかく映し出される風景がミステリアスです。舞台となる切り立った崖がある土地が、恐怖を増幅させています。風景だけでとんでも無いことが起こりそうと感じさせる演出は見事です。
娘に取った過去の出来事に対する責任と呵責で、古くから繰り返される狂気を止めようとする母親の犠牲的な行動であったにもかかわらず、それに対する報酬があまりにも不条理で、言いようのない怖さを感じさせました。
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