新書『反・鈍感力』
著者、浅井槇平(あさい=しんぺい)。写真家。
2007/10/30発行。朝日新聞社。
かっこいい大人です。
1937年生まれですから、今年は71歳になるのですね。70歳を超えているとはとても思えません。彼に関しては写真家よりもTVタレントとして馴染みがあります。テレビ朝日の「象印クイズ ヒントでピント」で男性軍キャプテン(1984~94)でみせた知性は圧巻でした。何度と無く奇跡の逆転サヨナラ勝ちで男性軍を勝利に導いてくれました。最近ではTBSの「サンデーモーニング」で辛口のコメントを聞かせてくれています。
クイズ番組が終わった前後の1994年頃だったでしょうか、千葉県安房郡千倉町に1991年に設立した海岸美術館でご本人をお見かけしました。TVで観るとおり日焼けして黒く、小柄ながらエネルギッシュで笑顔を絶やさない方でした。
以前からファンでしたが本書のように執筆をされるとは知りませんでした。「美しい国」という言葉を通して安倍晋三前首相を間接的に批判していますが、2007/2/20に安倍内閣支持率低下に対して小泉純一郎元首相が「鈍感力」を進めたことについては何も触れていません。間違いなくこの言葉に対して本書を書くことになったのだと思うのですが不思議な感じがします。タイトルから受ける印象ではかなり政治的な話が盛り込まれているのだと思って読んだのですが、全体を通じて政治的なメッセージはほとんどありません。観察することをベースとしたエッセイ集でした。俳句を趣味にしていることや若い頃に小説を書くことを進められたことが書かれており、なるほど文章が巧く表現力が豊かです。多才な方だということがあらためてわかりました。
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