映画『夏物語』(お薦め度★)
監督・脚本、チョ=グンシク。脚本、キム=ウニ。2006年韓国。悲恋映画。出演、イ=ビョンホン(ユン=ソギョン)、スエ(ソ=ジョンイン)、オ=ダルス(ナム=ギュンス)、イ=セウン(イ=スジン)。
全くの期待外れです。
1969年の韓国を舞台に学生運動が高まっていた時代を描いています。久しぶりのイ=ビョンホン主演作で邦題のセンスが良いので楽しみにしていましたが、出来の悪い邦画のようにほとんど起伏のない淡々とした展開で盛り上がりがありません。脚本・編集・演出のどれをとっても低レベルです。
そもそも物語がわかりません。「農村活動」と呼ばれる大学生が農作業を手伝いに行ったことで主人公ソギョンがジョンインと出会いますが、彼女の説明があまりに乏しく、父親が北朝鮮に渡った共産主義者の娘という設定のみで地元での事情がさっぱり伝わってきませんでした。韓国の政治事情と時代認識がないとほとんど理解不能です。大学に戻ってたまたまデモの現場に2人がいたため、巻き添えで検挙されてしまいます。その取調べで「スパイ罪」という重罪容疑になることも、理解できずに全くの傍観者となってしまいました。本作の悲恋に繋がる最大のエピソードは韓国人以外には通じません。日本人には無理です。ほとんど世界マーケットで通用しない作品でした。イ=ビョンホンの作品でこれだけ面白くないのは初めてです。
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