映画『バッテリー』(お薦め度★★★)
監督、滝田洋二郎。脚本、森下直。原作、あさのあつこ。2007年日本。スポーツドラマ映画。出演、林遣都(原田巧)、山田健太(永倉豪)、鎗田晟裕(原田青波・弟)、蓮佛美沙子(矢島繭)、萩原聖人(戸村真・新田東中学野球部監督)、上原美佐(小野薫子・軟式テニス部顧問)、濱田マリ(永倉節子・豪の母)、米谷真一(沢口文人・野球部員)、太賀(東谷啓太・野球部員)、山田辰夫(草薙・英語教師)、塩見三省(阿藤監督・横手二中監督)、岸部一徳(校長・新田東中学校校長)、天海祐希(原田真紀子・巧と青波の母)、岸谷五朗(原田広・父)、菅原文太(井岡洋三・巧と青波の祖父)。児童文学出身の人気作家あさのあつこの代表作、1000万部のベストセラーを映画化。2007/3/1にNPB(社団法人日本野球機構)が「バッテリー」を推薦映画に決定。
なかなか良い作品です。
岡山県を舞台に郷愁溢れる情感のこもった映像が瑞々しく、清々しさを感じさせました。ただし、主人公の少年を美化し過ぎていました。純粋でひたむきでありながら、小利口な落し所をもつ男の子は現実離れしています。女性が描く少年の理想像が描かれているといえるでしょう。
中学生の少年少女のキャスティングは絶妙でした。巧役の林遣都(はやし=けんと)は孤高の天才ピッチャーを申し分なく演じきっていました。球のスピードは本当の野球部員のようで疾走するランニング姿がとても様になっていました。彼らを取り巻く大人たちの中で特に萩原聖人が良い演技をしていました。骨太で存在感があり豪胆なキャラクターです。主人公を挑発するシーンは見応えがありました。これまで役者としてあまり印象が無かったのですが、本作でかなり彼を見直しました。
幾重にもエピソードが組み合わされて、脚本がよく出来ていたと思います。ただし、泣きの要素を散りばめてはいるものの、感動することなく割りとサラッとした印象です。もっと感動深い物語と思っていたので外されたように感じます。
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