映画『砂時計』(お薦め度★★)
監督・脚本、佐藤信介。原作、芦原妃名子。主題歌、いきものがかり『帰りたくなったよ』。2008年日本。ラブストーリー映画。出演、松下奈緒(水瀬杏・大人時代)、夏帆(水瀬杏・中高生時代)、井坂俊哉(北村大悟・大人時代)、池松壮亮(北村大悟・中高生時代)、塚田健太(月島藤・中高生時代)、岡本杏理(月島椎香・中高生時代)、伴杏里(月島椎香・大人時代)、藤村志保(植草美和子・祖母)、戸田菜穂(植草美和子・母)、風間トオル(水瀬正弘・父)、高杉瑞穂(佐倉圭一郎・婚約者)。
GW第二弾の映画は自分向けです。予告編だけで"うるっ"と来る本作を選びました。邦画のラブ・ストーリーは韓国映画と違って劇場観賞するほど興味はないのですが、予告編の素晴らしい出来に興味がわきました。タイトルになっている主題歌のサビが映像とリンクして泣かせます(オフィシャルサイトで確認してみてください)。原作は全10巻でシリーズ累計700万部で大人気コミックだそうです。観る前に気になったのはヒロインの松下奈緒に女優として魅力を感じないことと原作が漫画という点です。ただし、作品の内容が良ければ問題にならない訳でそこは割り切りました。
予告編に比べて落ちます。不作でした。いろいろなテーマを盛り込み過ぎています。盛り沢山が悪いわけではなく、ラストでしっかりと巻き取れるかどうかです。恋愛ものなのに何故か肉親の死ばかりを大きく取り上げ過ぎたため、観終わって何も残りません。中高生時代の前半はそれなりだったのですが、大人になって描かれる後半の脚本があまりに凡庸でセリフが不自然です。クライマックスにはアクビが出てしまいました。ラブ・ストーリーとしても物語の定石を外しており、たたみかける切なさはほとんど感じられません。演出において同じシーンを何度も繰り返す手法には疑問を感じました。特に残念だったのは『パッチギ! LOVE&PEACE』の井坂俊哉を生かしきれていなかったことです。大人になってからの人物像に成長した過程が感じられず、中高生時代のままで大きくなったようで芳しくありませんでした。しかし、中高生時代の主人公たち4人の描き方は及第点だったと思います。特に収穫としては中高生時代の月島椎香を演じた岡本杏里でしょう。13歳ながら演技力があり、女優としての華を感じさせます。今後成長が期待できる若手です。
ところで、今日は5月1日。毎月1日の映画サービスデーで観ました。毎月1日は「映画の日」と認識していたのですが、正確には違うようです。社団法人 映画産業団体連合会のサイトで確認したところ次の通りでした。
1896年(明治29年)11月25日、エジソンが発明したキネトスコープが、初めて神戸で輸入上映され、この年から数えて60年目にあたる1956年(昭和31年)の12月1日を「映画の日」と制定し、日本における映画産業発祥を記念する日としました。
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「砂時計」は芦原妃名子原作の作品で両親の離婚を機に母親の実家島根に越してきた主人公が、島根で出会う親友と打ち解けるが、母親が自殺してしまい、心の傷を負いながら大人になり、本当に居場所を見つけていくストーリーである。昨年昼ドラで放送され異例の高視聴率を記録...... [続きを読む]
受信: 2008.05.05 06:59
» 砂時計(映画館) [ひるめし。]
ずっと、一緒にいたかった。 [続きを読む]
受信: 2008.05.05 10:00
» 砂時計 [ネタバレ映画館]
お兄ちゃんとアンちゃん。て、紛らわしい・・・ [続きを読む]
受信: 2008.05.05 21:07
» 砂時計 [単館系]
4人の幼なじみが歩んできた14歳から26歳までの12年間と、ヒロインの初恋の行方を描く純愛ラブストー
リー。第50回小学館漫画賞受賞の芦原妃名子... [続きを読む]
受信: 2008.05.05 21:34
» 『砂時計』 [京の昼寝〜♪]
□作品オフィシャルサイト 「砂時計」 □監督・脚本 佐藤信介□原作 芦原妃名子□キャスト 松下奈緒、夏帆、井坂俊哉、池松壮亮、塚田健太、岡本杏理、戸田菜穂、風間トオル、藤村志保■鑑賞日 5月10日(土)■劇場 チネチッタ■cyazの満足度 ★★★(5★満点、☆は0.5)<感想> 原作は未読だが、芦原妃名子原作の同名のコミックの映画化だということ。 CSでもTVヴァージョンが放映されていたような・・・。 「初恋」というニュアンスでいいのかどうかわからないが、長い時間の経緯を2時... [続きを読む]
受信: 2008.05.23 17:26
» 砂時計 [LOVE Cinemas 調布]
子供時代の杏を夏帆が、大人になった杏を松下奈緒が演じるダブル主演。相手役の大吾も子供時代を池松壮亮、大人を井坂俊哉が演じている。元々は同名の漫画原作だが、先にTBSの昼ドラで放送、その後本作が制作された。主題歌「帰りたくなったよ」があまりにも良いのでそれにつられての鑑賞です。
... [続きを読む]
受信: 2008.12.30 09:14
» 砂時計 [映画君の毎日]
砂時計 スタンダード・エディション
¥3,591
芦●原妃名子の人気コミックを、松下奈緒と夏帆主演で映画化したラブストーリー。両親の離婚により東京から島根県へ移り住んだ14歳の水瀬杏。母を自殺で亡くした彼女は、初恋の相手・北村大悟に支えられながら幸せな青春時代を過ご... [続きを読む]
受信: 2009.03.28 23:42
» 「砂時計」 [日々のつぶやき]
監督:佐藤信介
出演:松下奈緒、夏帆、井坂俊哉、池松荘亮、戸田菜穂、風間トオル
「両親の離婚で母親と二人母の田舎の祖母の家にやってきた杏は、そこで一緒にアルバイトをする大悟とその酒蔵の息子藤、妹椎香と仲良くなる。
精神的に不安定だった母が自殺をし、... [続きを読む]
受信: 2009.03.31 16:46
» 「砂時計」 [ひきばっちの映画でどうだ!!]
「砂時計」
また素敵な作品に出会いました。「砂時計」です。
ちょいあらすじ・・。
1995年、秋。両親が離婚したため、14才の杏(夏帆)は母親(戸田菜穂)に連れられて、東京から島根(母の実家)に移り住んだ。
母は疲れていた・・・。
杏は初めての田舎暮らしになかなか馴染めなかったが、ひょんなことから同い年で近所に住む大悟(池松壮亮)や藤(塚田健太)、藤の妹の椎香(岡本杏里)らと仲良くなり、徐々に田舎になじんでいった。
しかし、母... [続きを読む]
受信: 2009.04.03 11:09
» 砂時計 [とんさんの映画日記]
sand's chronicle
2009.6.21
まったく面白くありませんでした{/ee_2/}
つまらなくて何度も途中でやめようとしたけど、惰性で最後まで観てしまった。
原作の漫画を知らない人は面白いのかなぁ。
主要キャストはイメージ壊れる配役ばっかりです。
松下奈緒なんて凛々しくて強そうで、繊細さもうかがえないしあれは自殺するタイプじゃない。
夏帆ちゃんも、微妙でした。たまにかわいく見えるときもあったけど。
大悟の子供時代の子くらいかしら…私のイメージに近かったのは。
ストーリーも2時... [続きを読む]
受信: 2009.06.22 21:30
» 砂時計 [to Heart]
製作年度 2008年
上映時間 121分
原作 芦原妃名子 『砂時計』(小学館刊)
監督 佐藤信介
主題歌 いきものがかり『帰りたくなったよ』
出演 松下奈緒/夏帆/井坂俊哉/池松壮亮/塚田健太/岡本杏理/戸田菜穂/高杉瑞穂/伴杏里/風間トオル/藤村志保
{/book_mov/}両親の離婚で東京から母の実家がある島根県に移住してきた14歳の水瀬杏(夏帆)は、田舎特有の雰囲気と祖母になじめずにいたが、同い年の北村大悟(池松壮亮)らと出会い自分の居場所を見付けていく。それから12年後、東京で... [続きを読む]
受信: 2010.02.21 00:49
» 砂時計 [B-scale fan's log]
2008年 佐藤信介監督
出演 松下奈緒、夏帆、井坂俊哉、
池松壮亮、塚田健太、岡本杏理、
戸田菜穂、倉科カナ、風間トオル、
藤村志保 他
『両親の離婚で母の実家の島根に越してきた14歳の少女。
同い年の少年らと出会い楽しく暮らしていたが、
突然の母の死により東京の父親の元に引っ越すことに。
それから12年後、東京で暮らす26歳になった少女は
同窓会に出席するため久しぶりに島根を訪れる。』
新評価 4.0 (微妙)
幼馴染との長い年月をかけた恋物語。程度... [続きを読む]
受信: 2010.03.10 21:12
» 砂時計 [のほほん便り]
「…たしか、昼枠のドラマが話題になってたけど、映画バージョンもあったんだぁ…」との興味から見てみました
なんと原作は、2005年、第50回(平成16年度)小学館漫画賞少女向け部門を受賞した、芦原妃名子の作品だったんですね。(これは、少女漫画の匂いだぞ、と感じただけに「やっぱりぃぃ!」)
テロップを見たら、監督・脚本が「県庁の星」や「いぬのえいが」の脚本。記憶に新しいところでは「GANTZ 」シリーズや、月9の「ラッキーセブン 」のシリーズ構成・演出の佐藤信介だったのに「へ~っ」
そ... [続きを読む]
受信: 2012.03.30 09:55
コメント
こんばんは☆
TB,有難うございます♪
erabuさんは劇場鑑賞されたんですね?
主題歌の『帰りたくなったよ』は大好きですが、コチラのテーマソングとは知りませんでした。
予告も劇場では観てなかったのかも知れませんが、
何より私も、ヒロインを演じるのが松下奈緒さんというのがいまひとつ惹かれなかったのかも知れません。
大人の二人の心理描写が殆どなく、ラブSTなのにトウトツとも思える終盤でした(笑)
岡本杏里さん、朝のフジTVにカバーガール(?)として出ていましたね。
私も好感を持って注目しています♪
池松壮亮くんは大注目株になりました(笑)
投稿: kira | 2010.02.21 01:19
>kiraさん、コメントありがとうございます。
本作は劇場鑑賞してガッカリした作品でした。
松下奈緒がヒロインではやっぱりな~という感じでしょうか。
>大人の二人の心理描写が殆どなく、ラブSTなのにトウトツとも思える終盤でした(笑)
脚本がダメダメでしたね。
期待しすぎたのかもしれません。
>岡本杏里さん、朝のフジTVにカバーガール(?)として出ていましたね。
そうだったのですか。注文株なのですね。
>池松壮亮くんは大注目株になりました(笑)
若手に期待がもてる作品ではありました(笑)。
投稿: erabu | 2010.02.21 09:00