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2008.10.29

新書『ニッポン・サバイバル-不確かな時代を生き抜く10のヒント』

著者、姜尚中(カン=サンジュン)。東京大学大学院情報学環教授。
2007/2/21発行。集英社新書。

"あの"石原慎太郎・都知事が2年前に次の記事にあるように批判していた人物なので姜尚中は立派な方に違いないと想像していました。

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姜尚中氏の福岡応援に石原知事反発 「怪しげな外国人」

 五輪の国内立候補都市を巡り、石原慎太郎・東京都知事が、福岡市の応援演説をした姜尚中・東大教授に激しく反発、「怪しげな外国人」などとかみついた。

 姜教授は演説で「金持ちの、金持ちによる、金持ちのためのオリンピックで、世界に勝てますか」と東京を批判。すると、続く東京側のプレゼンテーションで石原知事が「さっき、どこか外国の学者さんが東京は理念がないとおっしゃっていた。何のゆえんだかわかりませんが」と発言。その後の祝賀パーティーのあいさつでも「怪しげな外国人が出てきてね。生意気だ、あいつは」などと述べた。

 姜教授は在日韓国人2世で、熊本で生まれ育った。

朝日新聞 2006年08月30日23時44分
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TVでは何度か見かけることがあったものの、彼の著書を読む機会がありませんでした。石原慎太郎にかみつかれるほどの方なので、硬派な論陣を張る学者と予想していました。隙のないロジックが展開されると思いきや、意外にも物腰がやわらかくわかりやすい文章を書かれています。論理展開は一見すると隙があるように思えるのですが、各章ごとに十分納得させられます。

「お金」「自由」「仕事」「友人関係」「メディア」「知性」「反日」「平和」「幸せ」というテーマをそれぞれ的確に定義して、考え方の方向性を示してくれます。特に「お金」と「仕事」の章は改めて気づかされました。

「つまり、新自由主義が支配する社会では、まず、お金を持っている人が勝ちなのです。」

「それと結局は結果次第、ということです。結果がうまくいったから「その仕事は自分の仕事である」と納得できるわけで、結果が悪ければ、きっとそう思えないでしょう。」


明快で単純に物事を表現してくれて、かつ多角的な視点で論述されています。もともとは集英社女性誌ポータルサイト<s-woman.net>の連載コラムだったようです。女性の立場を十分考慮して書かれており、サブタイトル通り"生き抜くヒント"がちりばめられています。

ちなみに、2008/5/16発行の『悩む力』がベストセラーになっている模様です。読まれるべき人の本が読まれているのは評価すべき話題だと思います。

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