映画『シッコ』(お薦め度★★★)
監督・製作・脚本、マイケル=ムーア。2007年米。原題、『SiCKO』。ドキュメンタリー映画。Sickoとは、スラングで"ビョーキ"や精神病患者の意。
米国資本主義の恥部を告発した衝撃の作品です。
公的な国民皆保険制度を持たない米国の実態を赤裸々に明かし、カナダ、英国、フランスの公的医療制度が米国と比較していかに人間らしい生活が送れるかをレポートしています。マイケル=ムーアの主張で引張る手法ではなく、各国で生活している多くの米国人から保険制度を取材して客観的に問題点を切り出しています。相当に計算されつくされた内容で編集が見事でした。本人の姿は45分たってからやっと登場します。社会主義を毛嫌いする国民性が民間保険会社に見事にスケープゴートされていることが示されます。クライマックスでキューバへの突撃取材の敢行によって、歪んだ米国人の思想自体の有り方についても深く考えさせます。まさに革命な映画でした。『華氏911』と比べるとかなり落ち着いたトーンで描かれています。
本作の内容を示すだけのインパクトのある予告にはなっていません。
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コメント
erabuさん こちらへもTBは送信できませんでした。
当方のサーバーは、ココログさんへの反応が悪くいつも申し訳ないです。
これは今になって鑑賞したのですが、噂には聞いておりましたがアメリカのこんな一面をまざまざと見せられて驚きました。
ドキュメンタリーというのはほとんど観れていないのですが、知らなかった事を学べたのは収穫でした。
>クライマックスでキューバへの突撃取材の敢行によって、歪んだ米国人の思想自体の有り方についても深く考えさせます。
仰る通りでした!
言い方は失礼ですが、あのキューバでさえも!と思いましたし、本当の意味で富める国というものも考えさせられます。
投稿: なぎさ | 2009.01.03 17:39
>当方のサーバーは、ココログさんへの反応が悪くいつも申し訳ないです。
サーバーシステムの問題なので気になさらないでください。ココログ同士でも調子が悪いときが結構あります。
>ドキュメンタリーというのはほとんど観れていないのですが、知らなかった事を学べたのは収穫でした。
そうですよね。米国の保険制度は問題があることはなんとなく分かっていましたが、これほど酷い実態だとは知りませんでした。勉強になりました。
米国では半分の国民が貧困で苦しんでいるようです。日本はいままで20%ぐらいだったのが、拡大しているようです。保険だけは米国のようにならないことを願いたいです。
投稿: erabu | 2009.01.03 19:24