映画『88ミニッツ』(お薦め度★★)
監督、ジョン=アヴネット。脚本、ゲイリー=スコット=トンプソン、ジョン=アヴネット。2007年米。犯罪サスペンス映画。出演、アル=パチーノ(ジャック=グラム・FBI異常犯罪分析医)、アリシア=ウィット(キム=カミングス・授業助手)、エイミー=ブレネマン(シェリー=バーンズ・秘書)、リーリー=ソビエスキー(ローレン=ダグラス・受講生)、ウィリアム=フォーサイス(フランク=パークス・FBI特別捜査官)、デボラ=カーラ=アンガー(キャロル=リン=ジョンソン・学生部長)、ベンジャミン=マッケンジー(マイク=ステンプ・受講生)、ニール=マクドノー(ジョン=フォースター・連続猟奇殺人犯)、リーア=ケアンズ(サラ=ポラード・一夜限りの女)、スティーヴン=モイヤー(ガイ=ラフォージ・キムの元夫)。
途中から謎解きについていけなくなりました。
いろいろな要素がてんこ盛りです。登場人物の相関関係が説明不足でクライマックスの素早い展開に誰が誰なんだかわからなくなりました。アル=パチーノ演じるジャック=グラム自身を含めて、全員が犯人の可能性を秘めている描き方のためにプロットが拡散してしまいました。脚本の力不足です。
"88分後の殺人予告"に興味をひきつけられましたが、時間指定では逆にサスペンス性が弱くなってしまうことがわかりました。時間を漠然としていたほうが、観客としてはいつ事件が起こるのかわからずに不安な状態にさせられるからです。
それにしても、謎の犯人が仕掛ける新たな犯罪の進行はどう考えても物理的に無理ではないでしょうか。日中に猟奇的な事件を実行するのは、被害者となる人物の反撃もあるでしょうし、目撃者もいるわけで筋書き通りに行かないはずです。もう1つこの作品の大きな弱点は、最初の教室で時間経過を知らせる手書きのメッセージボードの場面が身近な人物による犯行だということを示してしまい、一気に謎を狭まらせたことです。さらに犯罪の専門家である主人公が証拠保全しないことで、リアリティが無くなってしまいました。教室にいた人間を一人ひとり尋問して筆跡鑑定すれば犯人を絞れたはずです。
予告編を観て、劇場鑑賞しようと思った作品でしたが...
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